西洋占星術質問箱セレクション10
☆怖そうな星配置について。災難か、才能か
確かにハードな配置をそのままハードに消化(または昇華)している例は多々見受けられます
キツそうな星同士のハードアスペクトが目立っているとしても、必ずしも苦痛や苦悩というわけでもなく、端から見れば「うわーっ」と思うようなことでも、本人としては「これこそ俺の人生」と思っていたり、またはきっかけとなる出来事は本人としても最悪な経験だとしても、その意味を知ることで、むしろそこに自ら挑んでゆく人生を選んだり。
例えば、ペットの鳩を虐殺された怒りでいじめっ子たちを撃退してしまったことが自らの強さに目覚めたきっかけだ、というエピソードを持つ有名な元プロボクサー、マイク・タイソンなんかは、「火星」と「天王星・冥王星の合」と土星を含むTスクエア。他にも有名な格闘家やアスリートのチャートを色々見てみると、火星・土星・冥王星のハードがかなり多いです。厳しい鍛錬(土星)に耐え抜かねばならないし、生きるか死ぬかという極限状況で底力を引き出して死力を尽くして(冥王星)戦(火星)わねばならないわけですから。でも、そういう世界ではそれは自然なことなのです。
洞窟探検家の吉田勝次さんは、わざわざマップのない未開の洞窟ばかり選んで入っていき、迷ったり地下水で溺れたりなどして何度も死にかけているそうですが、彼のチャートは太陽(冒険家らしく射手座)と冥王星と月・土星合がTスクエアという強烈なもの。冥王星は地下の闇、または生死がかかった極限状態。魚座の月・土星も土と地下水にまつわる苦難、という感じで、実際ぴったりなんですよね。
事故物件住みます芸人松原タニシさんは月に火星・土星・冥王星がスクエア。月は住処、火星(事故)土星・冥王星で苦難や恐怖やタブーにまつわること。自分からそういう面倒なことに頭突っ込んでいってネタにしちゃっているわけです。
「裏社会ジャーナリスト」として世界のスラム街や闇組織界隈や犯罪多発地域などに潜入取材している丸山ゴンザレス氏は蠍座の太陽・天王星合に火星がスクエア。危険を犯す行動、法から逸脱した過激なものに興奮を覚えるような配置です。
自らの身を時に生死の危険も伴うような極限状態に晒す数々の伝説的パフォーマンスで知られているアーティスト・マリーナ・アブラモヴィッチ氏は金星が土星・冥王星合とスクエア。
また、日本の霊山で1000日間かけて行われる、仏教・修験の最も厳しい荒業である千日回峰行を満行し、大阿闍梨となられた塩沼亮潤氏などは、魚座太陽が月・冥王星合と180度、など。
このように、形は様々なれど、強烈な配置を創造的に生かしている例というのは、色々あります。
で、確かに、そのはけ口が見つからない場合は、内向した末に暴発してしまう可能性はあるかもしれません。
例えば連続殺人犯で、殺人について「切手収集のようなものだ」と言ったテッド・バンディは太陽・月・火星が天王星と180度、金星・木星が冥王星と90度。同じく連続殺人犯で死体愛好者で、自らの思い通りになるゾンビ人形を作ろうとしていたジェフリー・ダーマーは月・太陽双方に対し冥王星と土星の2天体がハードに絡んでいます。同じ火星・天王星のハードでも、アイルトン・セナのようにスリリングなF1レースにその発露を見出したり、ロナウジーニョのように天才的なスピードプレーとして昇華させたり、ということもあります。太陽・冥王星スクエアでも、エヴァンゲリオンで有名な庵野監督のように、作品世界の中にそれが表現されている場合もあります。
はけ口を見つける、適切な方向付けをする、というのは大事なことなのかもしれませんね。
☆「凶角」という言葉について
「不利」というのは何に対して「不利」なのでしょうか?そもそも、あなたのスタンスや目標がどのようなものかわからない限り、どんなことがどう不利なのか、そして有利なのか、というのも計ることができません。
しかし、それは置いておいて「凶角」などという言葉を使ってるカビ臭い本やサイトは燃やしてしまいましょう笑 そして、もっといろいろな人のチャートと人生を調べてみましょう。60度120度をうらやましく思い、90度180度などに悲観的になる今の自分なんて嘘のようにどこかへ行ってしまうはずです。
120度や60度というのはつまり、はまるべきところにはまるべきものが予想通りにすぽっとはまる、みたいな、わりとスムースに物事が進み易い、という感じです。安定感はあるものの、それほど大きな事件も葛藤もなく、展開もだいたい予想できてしまうものになってゆく。例えば、そんな映画や小説って、面白いのかなー?というものです。わりと本人自身もそういうパターンに飽きてしまっているかもしれません。 マンネリ、とか内輪受け、なんて言葉がありますが、トラインばかりのチャートにはそういったものに陥りがちな一面もあるのです。そして、もしソフトなスペクトばかりの出生図を持っていたとしても、トランジット天体やプログレスの天体は動きますから、そこから土星やトランスサタニアンのハードアスペクトをどどっと受ける期間だってあります。平穏に生きていた人が慣れない刺激を受けたときの体勢の崩し方は、ある程度そういった刺激を日常的に飼い慣らしてきた人よりも酷いものになりがちです。
一方「凶角」と捉えられがちな「スクエア」などは、複数の天体間で異なる流儀同士がぶつかりあい、それぞれ激しく主張し合うので、落ち着きなくストレスフルな状況や精神状態を演出することもありますが、実はこの角度、一方にとって「死角」になりがちな弱点を率直に伝え合い、学び合いつつ、ギャップの大きな部分同士をどうかけ橋すべきかについて考える機会をもたらしてくれる有意義なものでもあります。それは視野の広さや引き出しの多さ、また異物や価値観の違う他者たちと折り合いをつける(または異物のぶつかり合い自体を面白がる)度量の大きさ、といったポジティヴな資質へとつながることも多いのです。
西洋占星術の講座、ホロスコープやタロットを用いての個人鑑定も行っています。情報発信は主にTwitterより
一樹 (@puntukuta)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?