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瀬戸内の海をいただいたのだ。

個人的にそう感じただけで、それが本質なのかは定かではありません。
2022年9月、伊予に行ったお話。
書き切るなら今しかない、と思いまして、こんなタイミングです。

かつて大阪にあった名店(当時僕はまだまだ若輩者で、お伺いしたことなかった)へ。
初日にディナー、翌日にランチへ伺いました。


たぶんランチが『入口』なんだろうなー。
値段的にも、場所柄的にも。
前日にディナーを先にいただいたので、順番が変わればまた印象が変わりそうだけど。
後述します。



瀬戸内の気候は地中海に似ているという。
海は穏やか。
凪という言葉がよく似合う。

ディナーの一皿目から感じたのが『凪』という感覚。
めちゃくちゃ良い意味でフラット。
お皿の中の食材をそれぞれにいただくと、凄く味は決まっているんです。
でも、なぜか合わせていただくと、なんとも滋味深い余韻がすぅーーーっと残る。
そのお陰で、ワインも『合わせる』必要がない。
お互いが寄り添い、じわりと混ざり合って、凪となる。
ディナーについては全皿、その感覚に酔いしれました。

翌日のランチ。
先述通り、プロローグのような印象。
ディナーよりも半歩くらい味が決まっている感じがした。
ランチはこんな感じなんだーと進み、ドルチェに来たタイミングで『次はディナーでお待ちしてます』という招待状をそっと差し出されたような。
ディナーで感じた感覚がすぐそこにあり、もちろんランチも本気だけど、ディナーの真髄を見に来てよという。
たぶんそんなこと考えてないと思うけど(失礼)。


愛媛に移られて、最初は松山で。
その後伊予に。

私は今回が初訪問だったのですが、大阪時代や松山時代を知っておられる方々の話では『伊予に行ってから完成した』というその料理は
お店からの眺望よろしく、瀬戸内の海をいただける場所でした。

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