おばあちゃんのはなし　１９

「毎度のことながら」

週末は実家に帰っていました。
実家で過ごして自宅に戻る新幹線ではいつもため息が出ます。

「どうしてもっと優しく出来なかったんだろう。いつもいつも。」

おばあちゃんが顔を見てとても喜ぶのが何だか照れくさくて
介護の事をちくちくと愚痴るのを聞くのが切なくて
気が付くといつもぶっきらぼうに

「そんなことまで心配しなくてもいいの！！」
「お母さんがちゃんとやってくれてるじゃん！！」

と、ついついキツイ口調で言い捨ててしまいます。
言葉を発しているその瞬間から「ダメだ・・」って分かっているのに。

帰ってきてもろくに話もせずに、素っ気なくしてまた帰っていく私に

「また来てよ。気を付けて帰ってよ。」

そう言って必ず笑顔で送り出してくれるおばあちゃん。
昔は玄関の外まで出て見送ってくれたのが、今ではベッドで横たわったまま。それでも最大限首をあげて部屋から出ていくまで見ていてくれます。

それを見るたびに、この２日間をもっと大事に過ごせば良かった。
もっとおばあちゃんと話をすれば良かった。

本当に毎回毎回、毎回思います。

（2009.6.21の記事転載）