おばあちゃんのはなし 24

「井戸端会議」

 小学生の時の話です。
私は学校から帰宅して、母は仕事。家にはおばあちゃんだけ。
友達の家にでも出かけようかなと思っていました。
 おばあちゃんに
「買い物してくるから留守番していて」
と頼まれました。しばらく待っていたんですが、30分、1時間経っても戻りません。

 女性の長話は今も昔も変わらず。おばあちゃんはご近所さんと話をしだすと延々と世間話をしてしまいます。今回もたぶんそんな感じだったのでしょう。私はなかなか戻ってこない事に腹を立て、母の職場に電話をして「帰ってこない!!もう1時間も経ってるのに!!」と大騒ぎをしました。母は「本当に困ったねー」と適当になだめてくれました。
 結局友達の家にはいかず、その後帰宅したおばあちゃんにも怒った記憶がないので、すねて部屋にでもこもっていたのでしょう。

 今考えてみれば、私はおばあちゃんに出かける予定をたぶん伝えていたわけではないし、話し好きなおばあちゃんにはご近所さんとのおしゃべりは楽しい気分転換の時間だったはずです。当時の自分の気持ちも分かるけれど、今ならばおばあちゃんの気持ちもちょっと分かります。

 帰ってきたおばあちゃんに怒って怒鳴ったりしている記憶がないのがせめてもの救いです。

(2009.9.14の記事転載)

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