三条高校に理数科を作る話があるそうですね

滝沢三条市長のnoteで知りました。
彼は三条高校-一橋法という経歴ですから、現在の三条高校で進学・合格実績が上がらない理由などは、本人の実感として十分承知なのではなかろうかと思います。
取りうる選択肢の中で、先行事例があって、実現可能性が一番高いのが「理数科設置」なのだろうと思います。

進学・合格実績を上げるには、一にどれくらい優秀な生徒を集めることが出来るかにかかっています。
高校に入ってからの教育・授業の効果ももちろんあるでしょうが、医学部や難関大学に合格するような生徒は、学校の授業はあまりあてにしていません。学力は自分で身につけるものということを、小学校・中学校の経験(解りきった授業しかない)から、当然のこととして受け入れています。
受験成功には学力も当然必要ですが、情報やライバルの存在もまた重要です。情報とは志望校の過去問、出題傾向・レベルなどのこと。ライバルとはもちろん身近にいる負けたくない相手です。私立中高一貫高や大手進学塾の強みは、そこらにありそうです。

現在の三条高校にも、難関大学を狙える優秀層の生徒はそれなりに居ると思います。ただ心配することは、そういった優秀層の生徒が、自力で学力を獲得しようとするのを高校が邪魔をしているのではないか?ということ。優秀層には大して役に立たない基本問題・標準問題の大量の宿題、「予備校行くな」(宿題に時間取られていけないよ~)、内職禁止、「新潟大学を目指せ!」「私立はダメだ」など。
大昔に、私が在学していた頃に比べても難関校についての進学・合格実績は低迷しているような気がします。私の頃は、学区制でしたので、新潟や長岡に優秀層を抜かれている影響は大きいと思います。
宿題や受験・進学指導はありませんでした。(記憶にないだけかも)私の場合は「どこ受けるの?」「あっそ。頑張って」くらいです。「自分で頑張れ」というスタンスだったと思います。これは生徒によっては快適な環境です。ただ私の頃も「新潟大学でいいじゃん」というような雰囲気はありました。

三条高校は、通学圏の人口と高校の生徒数の関係から、難関校を目指すような優秀層が十分な濃度まで濃縮されません。中学のクラスの上位10%くらいが、三条高校に進学するイメージでしょうか。
ボリュームゾーンの生徒に対して、大量の宿題、予備校禁止、内職禁止というような指導をして、新潟大学に誘導するというような指導は、一定の効果(高校としての進学実績に対しても)があるように思いますが、それに付き合わされる難関校を目指す生徒には迷惑でしかありませんね。

高校全体として優秀層の濃度を高めるのは困難ですから、進学・合格実績の向上だけを目指すのであれば、高校内で優秀層の濃度の高いクラスを編成したいところです。私立中高一貫高や私立高校あるいは進学塾は、学力別クラス編成をし、授業内容や進度をクラスごとに変えています。受験対策という面では効果が期待できます。(一部の超進学校は、学力別に分ける必要が無い程度にみんな優秀、あるいは脱落者はやむなしと割り切り)
ただこれを公立高校の枠組みで実現するのは困難ですし、「高校は受験のためだけにあるんじゃない」という考えも尤もです。

高校全体として優秀層の濃度を高めるのは困難ですから、高校内で濃度の高いクラスを編成したいところですが無理なので、学力別クラス編成に代わるものとしての「理数科設置」ですね。
理数科を設置したら十分な数の優秀な生徒を集められるかどうかは未知数ですが、設置しないよりは随分と状況が改善すると思います。

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