閑話休題④「運命の白い糸・中編」
北海道は札幌市から無事に帰ってきた。なんていうか広島空港に着いた時から空気の味が違う気がする。地方によってその土地特有の匂いみたいなものがあるのか。旅慣れてて詳しい人、お暇な時に教えてください。
楽しかったセイコーマート浸りの5日間はあっという間だった。実質4日間の夜に飲んだスパークリングワインの本数はご覧のとおり。フランス人か。
美味しいモノも食べられた。やはり北海道の海の幸は最の高。尿酸値ブーストしまくっていると思うので、甲奴診療所のS先生、次回の血液検査でびっくりさせてしまうかもしれません。食いはしたけど悔いはありません。
今日は新千歳空港に着いてから帰りの便まで余裕があったので、ご飯を食べたり新設されたお風呂に入ってきたけど、入浴中に露天風呂に浸かってたらタイミング良く雪が降ってきて、風情があってこちらも最の高ですね。いとおかし。
風呂上がりに今回最後のサッポロクラシックを大ジョッキで流し込んだので、酒に関しては思い残すことなく離陸出来ました。
失踪事件以降、土中のセミの幼虫みたいにふさぎ込んでいた時期が長かったので、薬が体に合ってきた様なここ半年程の間、「楽しい」と感じれることはすごく貴重なモノなんだと痛感する。心が沈みきっている時には、「楽しい」ってどんな感じだったのか分からなくなるから。
今回の北海道行きは僕の状態が安定している時期だったからとても「楽しい」を繰り返し味わう事が出来た。主に酒飲んでただけだけど。きっかけはなんだっていい。楽しかったなら、楽しくなかったより全然良いことだから。
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さて、大将のうどん屋でのお手伝いから帰ってきたところから話をしよう。とりあえず行政書士の資格は取れていたけど、甲奴町みたいな田舎だとそれだけでは食べてはいけない。もう一つ資格の勉強が始まった。土地家屋調査士という激マイナーな資格だ。測量士と代書屋を足して2で割ったような感じ。
これの資格が取れるまでがなかなかハードなものだった。最初の二年はやる気スイッチが入らなくて全然合格する気がしなかった。三年目に、これで最後にする!と決心して真面目に勉強したおかげで(勉強だけさせてくれてた親のおかげで)なんとか合格出来た。僕は大学受験をしない道を選んだから、その帳尻を合わせるためにこの時は随分と勉強させてもらった。
人生は学生時代に勉強しなかったら(学業だけでなく社会経験や恋愛体験も)、後からその分取り戻さなくちゃいけなくなる。やはり普通に学校に行って学ぶ、遊ぶということは大事な事だったんだと、後から気付いた。気付けて取り返せた僕は幸せ者だ。
そんなこんなで無事開業出来て、父の七光りで仕事もある程度来る環境で二十代半ばは過ぎていった。この間も、ことあるごとに大将は僕を気にかけてくれて可愛がってくれた。ある日、大将から連絡があった。
「ヒロくんさ~(大将は僕をヒロくんと呼ぶ)、彼女いなかったら紹介したい娘がいるんだ~。」
当時の僕は恋愛から遠ざかって幾久しく、女性に対する恐怖症みたいなものがあった。
「いや~、今はそんなんはいいっすよ~。」とのらりくらりと大将からの申し出をかわしていた。
どうやら大将のお店に入ってきた娘を僕に紹介しようとしているらしい。この時期に何回か同じ連絡があった。その都度同じ様に言葉を濁して逃げていた。ある日。
「いや~ヒロくんが全然その気にならないから、彼女外国に行ってしまったわ。」
その連絡を受けてホッとした、というのが当時の偽りない心境だった。これが後ほど僕の嫁さんとなる娘との、最初の関わりだった。
毎日の飲んべえ生活で活動限界を迎えたので、続きはまた今度。グッナイ!
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