ランジャタイに堕ちるまで

ホントに私の人生は人並み以下だと思っていた。
これはランジャタイに堕ちた私の人生の備忘録。

2021.12.19日のM-1グランプリを友人たちと見た。
過去何回か同じメンバーでM-1を見たことがあった。
近年はメンバーの結婚や仕事のシフト、コロナ禍ということもあり一緒に見ることができなかったため久しぶりの集合だった。
この年はハライチが敗者復活戦で勝ち上がり、出場者も知ってるのはゆにばーすくらいで、応援する人は強いて言えばオズワルドかなという気持ちで力を入れずに見ていた。慣れないウーバーイーツを頼みながら年末の風物詩となったそれを何となく見ていた。
トップバッターはモグライダーでとても面白かったのを覚えている。
そして2番目にランジャタイの登場。初見だ、と思う。
友人が「まっちゃんはまちゃんの人だよ」と教えてくれた。
まっちゃんはまちゃん?
でも綾波レイの髪形をしてるという話はどこかで聞いたことがある。
アメトーク?かな。
紹介VTRで1人が富山出身と知り、珍しいと思った。(地元が石川なため親近感)
富山出身の人が舞台までのストロークで前に進まないボケをしていて、妙に頭に残る。ハラハラ。生放送でふざけた人だな。
私はバナナマンも好きだったので風が強い描写(顔面ブルルルル)は日村さんみたいだなと思った。
ムーンウォークで爆笑した。ポゥ。
漫才か漫才じゃないかは気にならなかった。
私からしたら普通に漫才だったし普通に面白かったし。
番組が始まる前、メンバーの1人が「志らくなぁ、あんまなぁ」と言っていた。
そんな志らくが、あんまなぁな志らくが、ランジャタイの奇妙奇天烈な漫才に96点をつけていた。
イリュージョンだと言う。
他の審査員は点数が低くてなるほどなと思ったりしていた。
ランジャタイはサンドウィッチマンの富澤さんに「本番だぞお前ら」と怒られて笑っていたのを覚えている。

この年の結果は錦鯉が優勝で、渡辺隆の涙に我々ババアたちももらい泣きして2021年のM-1グランプリは終わった。

帰りの大江戸線。
何となく、何となーく、奇妙奇天烈な漫才が脳裏に残り、何となく、何となーく年が明けた。
面白い人たちに出会えたかもしれないという、かすかに期待や希望もあったかもしれない。

年が明けた頃は真空ジェシカのネタが面白すぎて何回も見ていた。
ただやはり奇妙奇天烈な漫才が脳裏に残っていたため、Twitterで検索してみようと思った。
ソワソワする。
「ランジャタイ」。
伊藤幸司
国崎和也

脳裏に焼き付いたランジャタイの「素」を知りたくなった。
気になるとその人の、人となりが知りたくなるのは私だけではないはず。
私にとっては正直面白いかどうかより、人となりが大事なのだ。
人間ができてる人が面白いことをすればいいと思ってる。
あんなにふざけていた人たちをもっと知りたくなった。
なぜなら、希望もなくどうしようもない私の人生だから。
YouTube、Twitterを漁り、どういう人間で、どういう価値観なのか、恋愛観は?ファンからはどう思われてるのか、どういう話し方で、どういう面白さなのかを調べた。
すると、M-1でふざけ倒していたランジャタイが全く別の顔を見せていた。

え?

ええ?

これがあの時の???

期待を越えてきた。

国崎…和也…?
こんな表情する…の??あんなにふざけてたのに???
嫌い…じゃない…。キライジャナイ。ムシロスキ。

国崎の爽やかなTシャツの写真、エロエロしい目線の写真。
ロキノン系男子を彷彿とさせる立ち姿に、瞬く間に惹かれている。
年末のかすかな期待や希望は、年が明けたころにはとても大きな光になろうとしてた。
(のちに太陽と知る)
いわゆるギャップってやつなんでしょうね!!
女子ー!ギャップ好きだよねー!

調べる手が止まらない。
「ランジャタイのもういっちょTV」。
奇しくも伊藤の家に訪問回。
あ、そっち??なの?ボケの人の家に行くんじゃないんだ。
ん??
綾波のほうが頭おかしい??え?

ちょちょちょ。綾波レイ、ネズミのうんこ食ってたの?
ネズミの遺影あるよ??
布団の上でシャボン玉してるよ?変なサングラスかけてるじゃん?

え?好き。
2人の屈託のない笑顔に引き込まれてる。

彼らのYouTube「ぽんぽこテレビ」でも発する言葉、全部「嫌じゃない」。
人を傷つけたりしない話し方。
たまに、ごくたまーーーーーーにいるの。
分かる。私には分かる。
この人達は嫌な人ではない。というかむしろいい奴らだ。
知りたい知りたい…。

Twitterでも漁る。と。
毛皮のマリーズ「ビューティフル」をカラオケで歌う国崎が出てきた。

は?
あのM-1でふざけ倒してた人が?毛皮のマリーズ?歌ってるの?真面目に?
やばい…ギャップがセンチメンタルすぎる。。
ギャップがセンチメンタルになったことってある?
ないない。

とまぁ、このへんで堕ちてたんでしょう。
うだつの上がらない人生に光が見えたのだ。

翌日からの私は、毛皮のマリーズをカラオケで歌う男を知ってるだけでなぜか誇らしくなった。
「君は知ってるかい?カラオケで毛皮のマリーズをセンチメンタルに歌う男がこの世にいるんだぜ」。
道行く人々に聞く勢いだった。
もう大人だからしないってだけ。
そして芸人の世界観のモノサシとされる出囃子が「神聖かまってちゃん」の「ロックンロールは鳴り止まないっ!」であることを知りまた堕ちた。
YouTubeでやってたラジオのオープニング曲が「ドクタースランプ」であることを知り、彼らのセンスに溺れた。ブクブクブク。。。。
そしてあんなにふざけていた国崎が書いたコラムを読むことになる。
一緒にM-1を見た、センスに信頼を置いてる友人からのライン。「文才もあるよ」。


えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
好きーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

語彙力なしの感想ですまん。

文章がうまい人が昔から好きで。
想像以上にうまくて、うまいというか味があって、目の付け所も好きで、感受性がダダ漏れ。
表がふざけてればふざけてるほど裏のセンチメンタルにやられる仕様になっているらしい。私は。
フリが効いてる。ずるい。
ああ、、、、ブクブクブク。。。
知りたいのである。
ネズミのうんこを食べてた男と、それを笑いながら聞く男のことを。
もっともっと。

14年間ランジャタイのことに気付かなかった自分を呪った。
時間が戻らないもどかしさも知った。
お金がもらえてない時期に知ってたら差し入れとかしたのに。

フリーの時にお互いの家で客2人だけ(自分達)のライブをしていた2人、ケンカはあまりしない2人、腕時計をしない2人、遊び人ではないであろう2人、漫画や映画が好きな2人、感受性豊かな2人、人をバカにしない2人、お互いのことで笑い合ってる2人。

伊藤のほうはM-1優勝を目指してるという。
国崎はそうでもないという。
だけど去年の決勝出番の時に、そうでもない国崎が相方の背中をポンポンとした動画を知った時、胸が苦しくなり涙が溢れた。
笑ってほしい人を前に泣いていた。
あんなにふざけている人が本気を出す瞬間を見て、また堕ちた。
そのM-1で立川志らく師匠にやけに気に入られて、7月には福島で講演をともにしていた。
「芝浜」という演目をランジャタイのためにやったと志らく師匠は言ってた。
誰かのために何かをやるのはとても人生において素敵な場面だ。
歌を歌うでも、絵を描くでも、マラソンを走るでもいい。
志らく師匠は、私の好きなランジャタイのために落語をしてくれた。

8月、みんなの心配をよそに浜口浜村さんとのツーマンライブを終えた直後、M-1グランプリ締切の1週間前にエントリーをしていた。
ランジャタイが優勝…。なくないよ!なくない!
エントリーナンバー3793番ランジャタイ。
M-1はいつも決勝進出者を気にしている、普通の人より少し詳しいくらいだったから1回戦から追うのは初めてだった。
勝ち上がるたびに人並みに喜んでいたし、でもまぁ優勝だしそりゃ勝ち上がるよなとも思ってた。






11月17日、準々決勝を通過しなかったことを知る。
絶望。

とはならなかった。
ランジャタイのことも好きだけど、芸人さんが好きなので。誰かは勝ち上がるよ。
と、強がったけど15年間そこにかけてきた2人を知ってしまったので、どうしようもない気持ちだった。
どうしようもなくランジャタイの人生なのでしょう。
ワイルドカードにかけるしかない。





しかし1週間後、国崎がコロナに罹患したことを知り翌日は伊藤も陽性になっていた。
事実は小説より奇なり。
何で今?もっとあったでしょタイミング。
ランジャタイはワイルドカードを辞退した。
そう、でも健康でいること、2人が生きてることが前提だ。この年になると分かる。生きてるだけで素晴らしい。M-1だけが全てではない。
長く生きてると好きなバンドのボーカルが死んだり、脱退したりして、もう二度と会えなくなることが人生にはあることを知るから。
生きててくれてありがとう。






ランジャタイを好きになった頃、かっこよくないとか、
面白くないとか、好きな人いる?とか、ラジオには早いでしょとか、さんざん言われたけど、ほんとみんなが嫌いになればいいのに。
私だけが知ってる面白い2人。それがいい。
そんなメンヘラなことも思ってた。

でも溢れ出す感情を吐き出すために新しくTwitterアカウントを作成し、彼らを応援してる人たちも素敵なことを知り、やはりみんなで応援したり共感することは楽しいことだと知った。
来年も彼らがたくさん活躍して、世間にもっとネタも人柄も知ってもらえればいいと思う。
2022年はランジャタイに出会えたおかげで楽しかった。
ほんとにそう。
きっといつかは醒める熱だろうし、熱い時に熱く、でもまあマイペースに推すことにしている。
醒めた時の私へ
2022年めちゃくちゃ楽しかったよ。

いつも情報をくれたりFAあげてくれたり共感してくれたりいいね押していただける皆様ありがとう。

最後に。
神様、伊藤ちゃんと国ちゃんを出会わせてくれてほんとにありがとう。




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