サブカルチャーと子育てと

Uターンしてからもそうであったが、子育てを始めてから、大学時代にはまったサブカルチャーと縁遠くなった。

もちろん、サブカルに通じた人やスポットが多い東京と、話題がサブカルから遠くなりそうな地方では、サブカルに関する情報、触れる機会は桁違いだ。

それこそ、出張の時にたまに寄っていたロフトプラスワンのような、いかにもというところにも行かなくなった。

私はタバコは吸わないが、ロフトのようなライブハウスや、ロフトプラスワンのようなアンダーグラウンドな文化人が集い、タバコと淀んだ空気の中で、終電を気にせず、さまざまな、けしてメインストリームではないが、妖しい魅力を放つ話題に触れるのは楽しかった。

映画も、アメリからオースティンパワーズまで、渋谷スペイン坂近くの単館メインの映画館など小さな箱で、レアな映画を一人で見たり友達と見たりで楽しんでいた。

またある時は、クラブで電撃ネットワークの過激なパフォーマンスを見たり、ゴスペラーズのライブを間近で聴いたり、ブレイク前のクレイジーケンバンドや小島麻由美など、ライブも結構聞いていた。

また、ネットのFlash動画やテキストサイトも好きだった。

先行者という中華ロボが一時期界隈の話題を集めたが、その十数年後、中国は畏敬の念を持つくらいのテクノロジー国家に進化した。

21世紀の移り変わりを、さまざまな文化を許容する東京という都市で過ごせたのは幸いだった。

しかし、物理的に子育てをする時間がないのと、三十代後半になり体力や好奇心が落ちていることもあり、イベントや書籍、マニアックな音楽のようなサブカルチャーから、とんと遠くなり、子供たちと、非常に健全なものにばかり触れているのが現在だ。

あの頃サブカルチャーを楽しんでいた、21世紀初頭に学生であった人たちは、今どうしているんだろうな。

そして子供がもう少し大きくなったら、またちょっと現代のサブカルチャーの世界を覗いてみたいな、とも思うのである。

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