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Brainで「レビュー機能」と「アフィリエイト機能」が両立しがたい当たり前すぎる理由【やらせ横行のおそれ】

最近「Brain」という新プラットフォームが話題になっています。
いきなり彗星のように現れて「ツイッターで月50万円稼いだ方法」「インスタグラムでフォロワー1万人に増やした方法」「youtubeで月50万円稼ぐ方法」など「稼ぐ情報商材」ばかりが売り出され、不気味に思った方も多いのではないでしょうか?

イケ〇ヤさんが「Brainでもうける方法」などと言ってアフィリエイト機能を強調して拡散したことについてもいろいろと言われているようです。
ただBrainの問題はイケ〇ヤさんの問題だけではありません。「稼ぐ系」の記事でもうけようとしているすべての個人の問題です。

ところでBrainではnoteにはない「アフィリエイト機能」と「レビュー機能」があります。
開発者の方は「レビュー機能があるから公正に評価されるはず」との考えでこの機能をつけたようですが、実際には「アフィリエイト機能」のせいでレビュー機能は有名無実となっているように感じます。

アフィリエイト機能とレビュー機能は両立しません。
今回はBrainでアフィリエイト機能とレビュー機能が両立しない当たり前の理由と今後のあるべき姿について、考えてみたいと思います。

1.アフィリエイトがあればレビューはゆがめられる


今、Brainにはアフィリエイト機能とレビュー機能があります。
1-1.Brainのレビュー機能とは
レビュー機能とは、記事を読んだ人が記事の評価をできる機能です。星5段階で評価できてコメントもつけられます。記事の購入を検討する方がレビューを見て参考できるようにという目的で作られました。Noteにはレビュー機能がないので、「レビューによってより適正な記事が売れるようにしたい」という開発者の方の思惑もあるようです。
1-2.Brainのアフィリエイト機能とは
アフィリエイト機能は、記事を売りたい人が売ったことによって利益を得られる仕組みです。たとえばAさんの記事をBさんが売れば、Bさんに売上げの一部が入ります。
ブログアフィリエイトなどとまったく同じ仕組みで「他人の記事」を売るシステムです。

1-3.アフィリエイト機能があるとレビュー機能は機能しない
しかし、アフィリエイト機能があるとレビュー機能は阻害されます。なぜなら「記事を売りたかったら悪い評価はつけない」からです。記事を売りたいアフィリエイターたちは、こぞって良い評価をつけるでしょう。たとえ中身のすかすかな記事であっても最高の5星評価のオンパレードとなる可能性が高まります。

実際、Brainでは記事を読まずに高レビューをつけてアフィリエイトしようとしている人もいたようです。

2.実際にやらせが蔓延

現在、Brainでは実際に「高評価のオンパレード状態」となり、ほとんどの評価つき記事では最高の「星5つ」となっています。まさに「やらせ横行」です。

開発者の方は「遠慮せず正直に低評価もつけてください」と呼びかけていますが、そういう問題ではないですよね。呼びかけ程度で改善される問題ではありません。

3.「公正」といえるためには第三者によるレビューであることが必要


レビューは「公正」でなければなりません。でなければただの「まやかし」です。そして公正と言えるためには「第三者」による評価が必要です。
当事者(本人や売りたい人)が評価して公正になるはずがありません。たとえば会社でも監視する役目は取締役ではなく「監査役(特に近年では社外監査役を入れるよう推奨されている)」ですし国の機関でも行政を律するのは立法府、裁判所であり自分自身ではありません。三権分立となっています。
自分や自分の味方に監視させて公正になるはずがないのです。

また企業広告を考えてみてください。企業が自分の商品を褒め称えていて「これは素晴らしい商品です!」と言っていたら「その通りだ」と素直に信じますか?
そうではなく「これは宣伝だから」と思って疑いますよね。それが当たり前です。
宣伝するときには、良いように言うのです。アフィリエイターも自分で利益を得るために「宣伝」するのですから、「良い評価」をつけるのは当たり前です。どこの世界に「売りたい商品に悪評価をつける人」がいるでしょうか?

Brainが今のようなアフィリエイト機能を残す限りレビュー機能は死にます。
今後Brainにおける評価内容は一切信用すべきでないと言えるでしょう。

4.中途半端なガイドラインを作っても解決できない


Brainでは、稼ぐ系やエロ系記事の蔓延によって物議を醸してしまったため、今新たに利用ガイドラインを作られろうとしているようです。

しかしガイドラインで「公正に評価しましょう」などと書いても無駄です。
そのような見せかけだけの呼びかけを行ってもアフィリエイト機能がある限り、「売りたい記事に悪い評価はつきません」。

「公正に評価しましょう」などのあいまいな規制では100%、意味がありません。もちろん今のように「正直に評価してください」などと呼びかけても無駄です。

両立しないものを無理矢理一緒にしているのだから、うまくいくはずがありません。

5.この状況で「悪い評価がつく記事」とは?


この状況でもBrainで悪い評価がつく可能性のあるケースがあります。それは「誰もアフィリエイトしていない記事」です。誰もアフィリエイトしていなければ、平気で悪い評価をつけますよね?
そうなってくると、Brainのレビューは「記事内容が良いか悪いか」ではなく「アフィリエイトが行われているかいないか」のみの指標となります。

6.考えられる対処方法


もしも今後Brainが公正さを保とうとするなら、以下のように対応すれば良いのではないかと思います。


5-1.アフィリエイト機能をなくしレビュー機能のみ残す
アフィリエイト機能をなくしてレビュー機能のみ残せば、レビュー機能は公正に働きます。開発者の方が当初におっしゃっていたように「noteにはない公正な評価機能をつけたい」という希望を実現できます。


5-2.アフィリエイターはレビューできない仕様を徹底する

アフィリエイト機能をどうしても残したいなら、アフィリエイターはレビューできない仕様を徹底すべきです。
別アカウントを作って1つはアフィリエイト用、1つはレビュー用などにされるおそれがあるので、本人確認を行った上で一人につきアカウントは1つに制限するなどの対応も要求されるでしょう。

このままではBrainは「嘘のレビューの温床」になる可能性が高くなります。開発者の方には良い選択を求めたいところです。

なお私がこの記事で批判している「稼ぐ系」の人たちとは、以下のような詐欺まがいの方法で金集めをしている人たちです。彼らの手法を理解して騙されないようにするため、よければご一読ください。

またネットの詐欺師の具体例や手口を知りたい方は、以下の記事を読んでみて下さい。こちらには私がこれまでに発見したネットの嘘つきや詐欺師の具体的な事例を10個、載せています。有名な方も含まれていると思います。今後も発見次第事例を追加していく予定です。


年収や月収を偽ってnote、brain、サロンやその他商材で金集めをするのは立派な犯罪です。みなさん絶対にやめましょう。そしてつまらない「稼ぐ情報」に引っかからないように充分ご注意ください。

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