第2話 ホモ・デウスの読み方
全世界でベストセラーとなったユヴァル・ノア・ハラリの『ホモ・デウス』。
2018年に発売され、次作である『21Lessons』も2019年に発売されている中、取り上げるにはいささか遅すぎる気もするが、まだホモ・デウスを読んだことが無い人のために、今回はホモ・デウスの読み方を紹介していこうと思う。
世界的なベストセラーであるホモ・デウス。聞いたことがある人も、一度手に取ってみた人も多いだろう。しかし読破した人はそのうちの何パーセントだろうか。非常に少ないように感じられる。
理由として考えられるのは、その分量と概要把握の難しさの2点だろう。
分量は根気があれば乗り越えられるし、ホモ・デウス自体の内容は非常に面白いのでページ数が多くても本を読みなれている人にはそこまで気にならないだろう。
問題は概要把握の難しさだろう。
例えはライン作業を行っているとしよう。完成形が分からないまま、ネジを締め続ける作業を永遠に行うことは苦行である。
ライン作業に限らず、自分がなんのためにこれを行っているのかわからない作業は、退屈で、頭に入らず、すぐに飽きてしまう。
ホモ・デウスはまさにこれなのである。
冒頭の章で、飢饉と疫病と戦争の話をされたところで、その章だけは理解できても、全体の中の役割としてはなんのこっちゃという感じである。
この全体の把握できなさ故に、読むのをあきらめてしまう人が非常に多い。
そこで、今回は、ライン作業の人にネジを締める目的を教えるかの如く、ホモ・デウスが読み易くなるアドバイスをしたいと思う。
先に結論を述べる。
ホモ・デウスは「大きな問題提起」である。
上下巻、約500頁を通して、問題提起を行っているのである。
それは3つあり、本編の最終頁に記載されている。
全体を把握するためにおすすめの読み方は、この最終頁を先に読んで冒頭に戻るという方法である。
内容理解の速度が格段に上がると思われる。
では最終頁の3つの問題提起にたどり着くまでは何が書かれているのか。
それは、「その3つの問題を考えるために知っておかなくてはならないこと」である。
これがとてつもなく多く、細かい。
ライン作業に例えるならネジの数がとんでもなく多く、複雑ということになる。
また、そのネジ一つ一つが非常に興味深い内容になっているので、そのネジ一つを読んだ(理解した)だけで満足してしまって読む手を止めてしまうというパターンも考えられる。
しかし、この記事を読んでくれた方はもう、ネジ締め作業の目的を知っている。
雑多で、複雑で、ヘビーな一本のネジに怯まず、手を止めず、満足せず、最後まで読み進めていってほしい。
この本を読み切った時私は自分の考え方の広りを感じた。
まだ読んだことが無い人も、一度手を止めてしまった人も、これを機に読破を目指してほしい。
まとめ
①ホモ・デウスは問題提起
②書かれている内容は、提起される問題を考えるうえで知っておかないといけないこと
③最後の頁から読むのがおすすめ
第2話 終
・21Lessonsは構造的にもう少し読みやすいよ!
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