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「双極性障害」からの回復

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定期通院・服薬を終了した当事者の回復記録。 回復に役立った事柄を中心に、現状、症状、薬の情報、通院などをまとめます。
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#回復

「双極性障害」からの回復15 おわりに

このマガジンは治療終了1ヶ月後の2020年5月から書き始めましたが、今回で終わります。 最初の記事に書いた、私が楽に生きるために実行した事柄については、9つの記事で紹介しました。全て個人的な記録ですがまとめることができてほっとしました。 書き始めた当初は半年くらいで終わる予定でしたが(見通しが甘すぎる…)、約4年という長い時間をnoteで向き合うことになりました。半年で終わっていたら書けない記事もあったと思うので、個人的には良かったかなと思います。 読んでくださった方、

「双極性障害」からの回復14 大きな転機

(2024.1.12 記事公開、1.29 大幅な加筆修正) 通院や服薬が終了してからもうすぐ4年が経ちます。マイペース過ぎる記事更新でしたが、次回で終わります。 今回は私の「双極性障害Ⅱ型」が劇的に回復するきっかけになった転機について書きます。 転機のはじまり それまで自分なりに頑張って生き残り続けてなんとか進んでいたものが、またどん底に突き落とされるような出来事があったのは2018年の初夏でした。 初診から10年が経っていました。 前年から無職になったので、この機会

「双極性障害」からの回復13 私を変えた本

そもそもを形作ってくれたもの 子どもの頃から漫画が大好きです。 主に少女漫画や青年漫画が好きで、最近集めているのはヤマシタトモコ『違国日記』、水凪トリ『しあわせは食べて寝て待て』(←こういう漫画って少女漫画っていうのだろうか?女性漫画?)。 父が漫画や本好きだった影響で家に書斎があり、子どもの頃から『ガラスの仮面』『がんばれ元気』『ブラックジャック』『家裁の人』などを読みまくっていました。姉達からの影響もあり『動物のお医者さん』『笑う大天使』『ぼくの地球を守って』『ban

「双極性障害」からの回復11 自分軸と他人軸

この数ヶ月、仕事のストレスと家族関係のストレスと自分の趣味の大きな変化が重なり、気持ちや身体を保つのが中々大変な時期でした。 そういうときこそ、自分自身に「いまどうしたいの?」「どうありたいの?」と常に問いかけることで「自分軸」に戻り、人生を主体的に考えることが大事だなぁと改めて実感しています。 私が「自分軸」「他人軸」という言葉を知ったのは、就労支援デイケアに通いだし、その生活リズムに慣れてきた2018年春頃。いつものように気持ちが辛くなりインターネットの海を彷徨っている

「双極性障害」からの回復⑧ 病識をつけるということ

病識とは、、 自分はこういう症状があり、診断された病名があり、これに困っていて、この時に症状が出やすい、、など自分がいまどんな状態なのかを知っていることかなと思います。 2017年春に症状悪化で何度目かの退職をしてから半年くらいは、ほぼ寝たきりで引きこもりでゲームやネットしかしない自宅警備員として、家族に甘えながら生き長らえていました。辛く苦しい中で僅かなエネルギーを溜めている期間というか。 それまで色々な葛藤の中で仕事をしてきて、限界を迎えたら症状が悪化し突然の退職。何

「双極性障害」からの回復⑦ 体調のモニタリング

モニタリングを始めたきっかけ初めて教えてもらったのは1ヶ所目のカウンセリングでした。もう8年前のことなのでうろ覚えですが、このときは午前・午後・夜の3つに分けて気分を1〜10の10段階で表し、後は睡眠時間、活動時間(活動量)、頓服薬(抗不安薬や睡眠薬など)を記録。1日ずつ何をしたか(行動)を書き出し、その日の感想みたいなものも書いていました(感想を書いたのは私の趣味です)。 そしてそれらを1ヶ月分まとめて、月1回のカウンセリングで説明する流れだったように思います。全部手書きな

「双極性障害」からの回復⑥ ちゅうかんに

このマガジンの一番最初に「はじめに」を書いたので、最後は「おわりに」を書いて締めようと思ってたんですが、書くのを休んでるうちに色々思うことがあったので「ちゅうかんに」を書くことにしました。 まず、これまで私の記事を読んでくださった方、スキをくださった方、フォローしてくださった方、コメントを書いたり紹介してくださった方、(予想外でしたが)サポートをくださった方、本当にありがとうございます。 いままで詳しく説明せず記事を書いてきたのですが、そうせずとも私の意図を受け取り、さら

「双極性障害」からの回復 ③今までの経過

発症から治療終了までの経過手元にある「おくすり手帳」を軸に、おぼろげな記憶を掘り返してみます。 2007年夏 不安・焦燥・憂鬱・動悸などの症状が出て出社不可能に。休職のち退職。自殺願望。「精神疾患」への私自身の偏見が強く、医療機関に受診せず。2008年春 転職早々に症状悪化。初診で「うつ病」診断。抗うつ薬など服薬開始。治療しながら仕事を継続。 2009年秋 退職を機に治療中断。頓服薬のみ服用。症状が出ているまま、引っ越し、旅行、職を転々など動き回る。意地でも通院拒否。

「双極性障害」からの回復  ②治療終了

現在の状態いま現在、定期的な服薬と通院は終了し、仕事も私生活も楽な気持ちでできています。減薬や通院終了までの道のりを大まかに記録すると、以下の流れになります。 (注: 減薬・断薬は必ず医師と相談の上で行いましょう。私は一度自己判断で断薬し、離脱症状でえらい目に合いました。その時はもちろん断薬も失敗しました。) ・2019年6月 気分安定薬「リーマス」減薬開始 ・2020年1月 「リーマス」服薬終了 ・2020年2月 抗不安薬「ソラナックス」減薬開始 ・2020年3月 睡眠薬

「双極性障害」からの回復  ①はじめに

私は「精神疾患」と一緒に、20代から12年間生きてきました。最初の診断は「うつ病」でしたが、抗うつ薬を飲み続けていたら躁転し、「双極性障害(Ⅱ型)」と診断され、治療を続けてきました。 「双極性障害」は症状を安定させるため、また再発予防のために、一生、薬(気分安定薬)を飲まなければならないと言われています。このことは治療中の私を絶望させ、診断を受け入れるのに長い年月がかかりました。少しでも楽になりたくて、ネットの海を探しまわっても「服薬・通院を終了し、日常生活を楽に過ごしてい