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探究 - PUBLIC DESIGN LAB.

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公共とサービスデザインに関する調査、研究、論考を紹介します。
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デザインを「道具観」から考える

ここ最近は「庭師としてのデザイナー」のあり方をずっと考えているわけだが(詳しくはこちらの記事参照)、先日ある議論をしていてふと、そのカギは「道具」にあるのでは? と思い至った。正確に言うと、道具に対するスタンスや価値観みたいなもの(ここでは「道具観」と呼ぶことにする)である。 デザイン思考には、さまざまなメソッドを集めた「ツールボックス」という概念が根底にある。私が初期にデザイン思考を学んだ書籍の一つに、奥出直人さんの「デザイン思考の道具箱」があるが、思えばこの頃から、「デ

「庭師としてのデザイナー」を深読みする

突然だが、ブライアン・イーノがこんなことを言っている。 これは、スウェーデンのイノベーションラボであるVinnovaのダン・ヒル氏(当時)が、ブライアン・イーノ氏とのコラボレーションによってまとめた「Design Principles for the street(ストリートのためのデザイン原則)」の1つめの項目として書かれているものだ(久しぶりに見たら有料記事になってた。前は無料で見れたんだけどな…)。 この言葉がけっこう印象的で、1年ほど前からちょくちょくいろんな人に

「シビックサービスデザイン」のすゝめ

6月から、豊岡市で「シビックサービスデザインゼミ」という活動を始めました。地元の中間支援組織や行政職員、大学生などの有志が集まって、サービスデザインをともに学び、実践する活動です。今回は、この活動に至る背景をご紹介し、「シビックサービスデザイン」が持つ可能性について考察します。 きっかけは豊岡の中間支援組織「ちいきのて」ことのきっかけは、豊岡で地域コミュニティの活動を支援する「ちいきのて」の青柳さんからいただいた相談でした。青柳さんとは昨年から豊岡のプロジェクトでご一緒して