双子の姉と双子の妹 第752話
【お散歩】
菜緒)夜中にどこ行くんや?
時刻は20時、玄関で靴を履く〇〇にそう聞いた。
〇〇)散歩だよ
菜緒)え、今から行くん??
〇〇)うん
〇〇)最近運動不足だったしね
そう言うと、菜緒が腕を組む。
菜緒)うむ…
菜緒)なおも行くわ
そして、こう言ったのである。
〇〇)え…
菜緒)何嫌そうな顔してんねん
〇〇)だって菜緒姉ちゃんが歩いてるイメージ無いし
菜緒)歩くの嫌いやもん
〇〇)じゃあ何で来るのさ…
それに対する答えは
菜緒)何か楽しそうやん?
菜緒)後、〇〇と2人なの最近無かったし
菜緒)んじゃ、着替えて来るから待っとけよ
これで、2階に上がって行ったのでした。
◇
菜緒)結構涼しいな
帽子を被った菜緒がそう言う。
〇〇)最近の夜はもう暑く無いよ
〇〇)クーラーつけなくても涼しいよ
菜緒)ほおー
菜緒)窓開けやんから気付かんかったわ
伸びをしながら欠伸をする。
菜緒)眠なって来た
〇〇)歩き始めたばかりだよ
菜緒)まだ耐えれる
菜緒)寝たらおんぶして運んでな
〇〇)置いてくよ
何て事を言いながら〇〇が聞いた。
〇〇)最近ゲームとかしてるの?
菜緒)漫画ばっか読んでる
〇〇)ほんと好きだね
菜緒)漫画はなおの癒しやからな
〇〇はと菜緒が聞き返す。
〇〇)僕も本ばっか読んでるよ
菜緒)小説か
〇〇)うん。美玖姉ちゃんとかひなのちゃんと同じ
菜緒)かー、漫画を読め漫画を
〇〇)菜緒姉ちゃんも小説読みなよ
菜緒)嫌や。賢くなってまう
〇〇)姉ちゃんはその程度じゃ賢くなれないよ
菜緒)どう言う意味じゃ
漫画は陽菜とひよりが良く読んでいる。
菜緒)陽菜は途中で飽きて読まんくなんねんな
〇〇)集中力が短いからかな
菜緒)わからん
菜緒)ひよりはよーなおの部屋で読みに来るわ
最近はひよりが菜緒に懐いていた。
〇〇)確かに、よく見るね
菜緒)漫画買っても置く場所ないから勝手に置かれる
〇〇)あぁ…。笑
〇〇)未だに2人で1部屋だもんね
菜緒)もう空き部屋ないからなあ
菜緒)前、ひよりが寝れんって言ってなかった?
以前、陽菜の寝相の悪さに悩まされていた事がある。
〇〇)1ヶ月くらい僕の部屋で寝てたよ
菜緒)知らんうちに戻ってたな
〇〇)陽菜が寂しいって呼び戻しに来たんだよ
〇〇)それで、仕方ないからって戻ったの
最近は寝相の悪さもマシになったらしい。
菜緒)ま、仲良いから当分は平気か
〇〇)誰か家を出たらだね
菜緒)誰も出させません
〇〇)もお…。笑
陽菜と同じで、姉も寂しがり屋なのでした。
◇
菜緒)喉乾いた
〇〇)もう直ぐ自販機見えて来るよ
30分ほど歩き、菜緒が自販機を発見した。
菜緒)あった
菜緒)何か買お。〇〇のも買ったんで
〇〇)良いの?
菜緒)おん。お姉ちゃんの奢りや
2人で自販機の前に立ち、品揃えを確認する。
菜緒)コーラにしよ
菜緒)〇〇は?
〇〇)このサイダーが良い
菜緒)ええよ
お金を入れ、菜緒が2人分を購入して手渡した。
〇〇)ありがと菜緒姉ちゃん
菜緒)ええよええよ
菜緒)ん。…あぁ、コーラうま
乾いた喉に良く染みる。
〇〇)美味しい
菜緒)サイダーちょっとちょーだい
〇〇)良いよ
菜緒)コーラあげる
交換して2人で飲みながら家路を歩く。
菜緒)うま。…あ、てかこれ間接キスやん
〇〇)そうだね
菜緒)照れた?
〇〇)照れるわけないじゃん
菜緒)可愛くない奴め
頭を撫でながら笑う。
菜緒)家帰ったら寝よかなー
〇〇)明日仕事?
菜緒)仕事の話をするんじゃない
〇〇)ふふ、…いつもありがと
何て言葉に、菜緒が微笑む。
菜緒)何やねん急に。笑
〇〇)別に、日頃の感謝をしただけだよ
菜緒)ふふ
菜緒)そーゆーとこは、昔から変わらんな。笑
夜の散歩も悪くないと、そう思えた日なのでした。
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