めも(斬撃のマンガ文化史)

現Xでちょくちょく見かけるのでやってみた。

よく仕事中にボケーと考えて途中で打ち切る妄想のたぐいである。
目次のメモは以下。順番ぐちゃぐちゃ。

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はじめに(メモ:呪術から始める(宿儺))
斬撃とは何か
切るとはどういうことか
切断、切り刻み、一刀両断、サイコロ
道具による斬撃、オーラによる斬撃
コラム:格闘ゲームの斬撃
見える斬撃と見えない斬撃
切れるものと切れないもの(物理と思想 ユーベル)
ドラゴンボール、ARMS、呪術(もっと類例をさがす! マンガ以外からも 追記:ユーベル(フリーレン) あと北斗とか?)
コマによる切断(メモ:"まんが"的切断、手塚 BJなど。たぶんある?)
斬撃の結果
不可避とは何か
コラム:弾幕シューティング
神回避とは何か
ダイジェスト回避(回避表現の精神性 ARMS)
人体はなぜ"不可避の斬撃"を避(よ)けれるのか
コラム:「人間はARMSに負けない」ARMSにみる二項対立(メモ:宿儺VS真希なども織り交ぜて 追記:ユーベルも)
耐える斬撃、喰らう斬撃
能力としての斬撃
表現としての斬撃(斬撃の表現史)
記号としての斬撃
斬撃の"みえる化"としての岩・コンクリ(メモ:大友などから)
面の破壊・線の破壊 マンガの"線"と斬撃
無理ゲーな斬撃(弾幕)と「ボス」への同一化
斬撃のアニメ化(表現と規制のはざまで)
斬撃対策
斬撃攻略のための理念、身体
斬撃のこれから(殺すために斬るのか? 斬ったあとの話。)
おわりに
あとがき
新書版あとがき

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以下、妄想断片。


これまで、マンガは「斬撃」に特別な地位を与えてきた。



どれだけフリーザが弱くなっても、斬撃だけはその威力(切断能力)を保っていた。一撃でデンデを焼き殺し、ベジータの胸を貫いた光線は、スーパーサイヤ人と化した孫悟空の顎にクリーンヒットしても大したダメージにならなかった。それでも、フリーザが放ったリモート機能のある斬撃は、そんな悟空をしても避けるしかなかった。

明らかに格下のクリリンが放った気円斬でさえ、ナッパが回避さえしなければ両断されていたはずだ。

マンガにおける斬撃は、攻撃の対象物か、その背景にあるものが切断または破壊されない限り表現できない。最も細い線によって表現される一閃と、それによってもたらされる効果の表現によって、斬撃はそこに存在することになる。

その切れ味は、常識において固いとされているものを、道具を用いない形で幾何学的、あるいは線形に切断することで表現されることが多い。斬撃のスピードは威力と反比例して「遅い」とされる場合もあるが、たいていマンガ上の表現と、読者の想像による間主観的な速度で行われる。

斬撃には見える斬撃と見えない斬撃がある。前者は気円斬に代表されるオーラを切断に適した形状に変形させたもので、これによって相手が切断・破壊されるもの。後者は切断・破壊といった結果のみが表現されるもの。

マンガ上での回避表現も、斬撃の目の細かさによっては、人体構造では明らかに回避不可能に思われるものもあるが、それらは回避する人物の能力あるいは信念によってすり抜けられる。


=====ここから以下はネタバレ含みます======

人物の斬られ方は、戦闘の終了や、死が確定する記号的表現となる。(フリーザの場合、五条の場合)

術式対象の拡張によって世界を斬る宿儺
術式対象の拡張された解(カイ)
ネットでは次元斬、世界斬と呼ばれている
呪力をもたないものと
呪力をもつものとを区別し、それぞれに適用される斬撃の種類が異なる
捌(ハチ)と解(カイ)

「ARMSは人間に負けない」という、たったそのひとことによって、人体では明らかにすり抜けることのできない斬撃の目はすべて回避されてしまう。

宿儺と禪院真希による、呪いの王と、呪力が全くないフィジカルギフテッドの相克。(この場合、ARMSが真希であり、宿儺は人間ポジになる。呪力がデフォの世界観だから)

理(ことわり)のようなもので、厳密な回避表現を省略することができる。

コマによる切断表現は、登場人物の耐久力が爆上がりし、血液描写がデフォルトとなった現代において、リアリティがなく、陳腐化してしまう。
マンガを読み進めるためのルールやテンポをかたちづくるコマを、メタに捉え直す工程が入り、コマの中で起こっている物語への没入度を低下させてしまう。
簡単にいえば、アイデアに感心しなくてはいけなくなる。
もうそのアイデアは古いし、戦闘中心のマンガにおいて、それは致命的にダサい。
ただし、それは相対的なものでもある。ふだんからマンガ表現を詰め込んでおけば、そういった表現は受け入れやすくなり、抵抗は相対的に低くなる。
戦闘において血や耐久力がインフレするほど、マンガ表現は硬直化するとは言えるのかもしれない。
といって、単純になんでも取り入れろというわけではない。
話の緩急、どこまでのリアリティを受け入れ締め出しているかを、読者に即座に理解させる能力が必要になる。冨樫義博の漫画など。

人体の切断や貫通、大部の欠損といった表現は、「戦闘の終わり」の表現として使われる。四肢の一部の切断である場合、大勢が決したと見せかける場面もある。

切れるものと切れないものの判別、術者の思想・イメージによって「ひっくり返る」=インフレバトルからの離脱

能力バトルの一種としての斬撃

気円斬、ベジータの「どういう技か見切れんのか」ぐらいしか解説がなく、それからずっと避けないと絶対切れる技として認識されていた
ここに思想やイメージによって切れるものと切れないものなどの対象を選択したり、相克する(心理的なものを持ち込む)漫画の余地が残されていたといえる。

ここでいう「斬撃」とは、主に物理的な斬撃ではないものを想定している。

見えない力による面の破壊から、線の破壊へ

佐藤秀峰、ブラックジャックによろしくなどにみられるスクリーントーンによる表現(精神状態を表現する"斬撃"?)
斬撃が到達するレイヤー(登場人物の肉体、精神、心理)、表現としての切り刻み(陰、コマ、線)

見えないもの(球状)による面の破壊、マンガで常に目にしていて、それゆえ隠れている"線"による破壊。リアルとメタの相克、リアルとメタと"まんが"化の回避。線の道具化を周到に避けつつシビアでリアルな線による攻撃を表現することこそが「斬撃」なのである(適当)

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