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レーンの最上流から聞こえるのは最上位パートタイマー女性がこぼす愚痴のたぐい。最近は基本ガーシー。なんかNHK党の立花さんとタッグを組んで国政にぶちかますんだと息巻いているらしい。
「あの人らはな、別に政治のこととか詳しくなくてもええわけよ。少子化とか。わからんでも。ただ単に、岸田首相に『どうなんですか』って問いただすだけでええねん」ワンイシューのことを言ってるっぽい? なんか、ワンイシューとかいうより、こういうふうに喋ってる時のここちよさも大事よな、と思う。
ワークソング。
愚痴。ガーシー。
わたしはワークソングを歌わない。歌う人がいない。心の中で流れてたり、考えたりすることはあるものの、その場で外に出すことはない。
空気に触れさすこともないし、空気をふるわすこともない。
まあそういう人もいっぱいいるし、それでいいかどうかは別にして、
自分は今はそうしたくないし、
できない。
できないんだなぁ、最上位パートになってくると今日は帰ったら絶対旦那とやる!と宣言したりできるのだが、わたしにはそんなことはできない。ここちよさとひとみごくは紙一重だと思う。
みんなが聞いてくれている、みんながのぞんでいると思ったらハシゴをはずされるなんてこと、よくある。
「みっけんみんしゅ? なんやようわからん。そこがAV…」
少し口籠る。AVは行き過ぎだったのだろうか
「アダルトビデオの法律反対してるからガーシーが『じゃあAV女優出馬させましょうか、紹介しますよ』って」なんかそんな感じのことを言ってた。
Twitterで立憲民主がAVでセックス(本番)させたくないらしいので、そこにNHK党がAV女優をぶつけてくるみたいな話らしい。
どこまで実現するか知らないが、
帰り道、塀に変な繭?があった。ドーム状の枠だけ作って中に力尽きたような毛虫がしの字型でいる。生死不明。糸が黒。ダーク蚕。なんか中途半端だが、これはこういう繭で完成形?ということでよろしいでしょうか
なんかブラマヨの小杉の頭みたいな感じである。
小杉の頭を見ると毎回餓狼伝説のラスボスの必殺技を思い出す。
あとは「形骸化」という言葉や、宮沢賢治春と修羅の「有機交流電燈」?も思い出す。光はたもち、みたいなあれである。小杉の頭は電球のガワだけが残って光が失われているのである。それでも確かに小杉の頭は保たれている。何が保たれているのだろうか。何が倒れると、小杉の頭は保たれなくなるのだろうか。
気づけばツツジが咲いていて、若いつばめも「とべるでしかしー」みたいな感じで交差点にかかる電線を飛び交ってる。昔はもうちょっとぼんやり生きてても観測できててた気がするが、このごろはまったく「気づくと」ツバメはもう飛んでる。それだけ外に出なくなったってことかもしれない。
定点を失って、精神的に島流しにあってる。係留されているのは仕事っていう細いロープだけ。でもこれも結構だいじ。これ失うと俺ほんと精神が島流しにされる。でも、時々、こっそり夜明け前にロープをカッターでぎゃりっとやることがある気がする。
この工場も、なぜまだ機械に置き換えず、これだけの人を雇っているのだろうか、とは思う。忍びないのだろうか。バランスというよりは、釣り合いだろうか。
「わたしたちがいなくなるまで」と「機械に置き換える踏ん切り」との釣り合いが取れていない。徐々にわたしたちがいなくなってくると、機械にすることもやぶさかではないって感じになっていって、そっちに舵を切っていく。能動的に立案して、世の中をこっち側から回転させていくという気はなく、あくまで世の中をみながらそっちに合わせて回転しようとする。結局それが遅れにつながる。で、この遅れは常に妥当でしかなく、ドラスティックなものごとは個々人と天災に押し込められ、中間にある法人は積極的にその役を成さない。じゃあ何をしているのかというと再分配と微調整であって、つまり雇えるところまで雇い、減ってきたところでちょっとずつ機械に置き換えていくっていうことである。で、この発想でいくと、死人に口無しの逆バージョン、生まれてない人に対しても同じことがいえ、そのせい(このような置き換えかたで手続きを行っていく社会のかたちのせい)で少子化が進んでいるのではないかとも思わなくもない。
啓蒙というのはイグニッションで、それはある意味経営者というのか、個人と世間のあいだにある存在の担当なのだが、今日本ではこのあいだにある存在というのがことごとく不等号の山に収まるようにしか動かないというのか、収斂するばかりで、発そうとしない。自分から何か働きかけたり、動かせるという意思や希望がない。トマスクック的な?
今日はずっときゅうり担当だった。輪切りきゅうりをコインのように手の中にセットし、親指で一切れずつ押し出して正方形のパンの上に置いていく。サイコロの5の目のように、5つ。これを5〜6秒以内におこなう。
レーンはずっと続いているので、多少遅れても体をのばして時間を稼ぐことは可能だが、後ろにもハムの人などがつづくので、あまりそこまでいくと、ハムの人の時間がなくなってくる。
きゅうりを構えてるときのおれはまるでゴトーさん(HUNTER×HUNTER)のようである。あのヒソカを迎え撃つときの、あのゴトーさんである。このきゅうりがぎゅるぎゅるぎゅるとか回転がかかるわけではないが。
きゅうりに回転がかかってパンがぐちゃぐちゃになったり、ハムの人の腕がぎゅるぎゅると捻れたらそれはそれで。ハムの人が足のバンジーガムを解いて急に天井に飛んで消えたらそれはそれでおもしろい。
帰宅して、朝のニュースをみると海外旅行は今月中に申し込むと安いらしい(サーチャージがどうのこうの)ので、とりあえずスマホでHISをみてみる。海外。行きたいか? どこへ? なんかポトスライムの舟みてえだなー、おれ
おれ
つらい
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