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造血幹細胞の分化

造血幹細胞の分化図

国立がん研究センターHPより

造血幹細胞 (Hematopoietic Stem Cell, HSC)

  • すべての血球の起源となる細胞であり、自己複製能と多能性の分化能を持つ。

  • 骨髄内に主に存在し、体内の需要に応じてさまざまな血球へ分化する。

分化の過程

  1. 多能性造血前駆細胞への分化

    • HSCは最初、二つの大きな分岐へ進む。

      • a. 骨髄性系統: 赤血球、血小板、および一部の白血球を生成。

      • b. リンパ系統: リンパ球を生成。

  2. 骨髄性系統の分化

    • 前駆赤血球=赤芽球: 赤血球へ分化。過程で核を失い、ヘモグロビンを豊富に持つようになる。

    • 巨核前駆細胞=巨核球: 血小板へ分化。細胞は大きく成長し、その後細胞膜から多数の血小板へと分片化する。

    • 顆粒球・単球前駆細胞:

      • 好中球、好酸球、好塩基球へ分化。

      • 単球は分化して末梢の組織へ移動し、マクロファージとして機能する。

  3. リンパ系統の分化

    • 前駆T細胞: 胸腺へ移動し、そこで成熟してさまざまなTリンパ球へ分化。

    • 前駆B細胞: 骨髄で成熟し、抗原に応答して抗体を産生するBリンパ球へ分化。

    • 前駆NK細胞: NK細胞(Natural Killer cell)へ分化し、免疫監視の役割を果たす。


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