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ノーバディ


2020年。

コロナ禍で沢山のやりたい事や思っていたことが制限されていく中で、私は楽しく過ごせていたと思う。
そして何よりダイエットという、1つの成功体験と、継続体験が出来たことが大きかった。
勿論、大変な思いや辛い思いをされた方もいらっしゃると思うから、あまり騒げたものでは無いけれど。

その経験のおかげで、とても前向きになれたし、変わっていったように思う。
好きな人が出来た。
好きな人に伝えかったことが言えた。
人の縁や時間というものをとても大切に思えるようになった。
自分のことが少しずつ分かっていって、少しずつ大切に思えるようになった。

そう思うと。自分の心に蓋をしなくなったな、と思う。
それは良いことでもあり、悪いことでもあると思っていた。

自分の心に蓋をしているということは、蓋を作り、蓋の上で今まで生きてきた私が崩れてしまうことが少し分かってしまった。

そもそも蓋をしたのは、どんな意味を持つことであれ、そんな自分を見せたくなかったり、認めたくなかったからだ。
じゃなかったら、最初から蓋なんかしなくていい。

今まではそういう自分をずっと憂いていた。
抹消しようともした。
出てきたら怪我をしてしまうから。
クズ男に捕まったり、騙されたり、裏切られたりする事がよく分かっていたからだ。
でも。

私はいつしかそんな臆病な自分もなくてはならない存在になってしまった。些細なことに気づいてしまう自分も、他人の顔色ばかり伺ううちに感覚的に相手が求めることが分かる自分も、共感をしようと相手の事を考えてしまう自分も、臆病で弱くて、でもその臆病さが、今会いたい人と出会わせてくれた。

蓋の底で眠ってる自分は、とても明るくて、前向きな私なんだろう。その代わりガサツで、細かいことは気にしなくて、人の話を聞かない、楽観的な私だ。
分かる、だって昔の私はそうだった。
その自分が通用しなくなったから、新しく作り出したのが今の私だ。

でもその自分を欲しているのは、他ならない自分だ。

そして、その自分達のバランスをとるのが極端に下手だということを分かったのが2020年だった。  

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