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病院顧客の生涯価値(Life Time Value)を最大化させる話

病院の顧客って患者さんのことだけじゃない。
我々リハスタッフも地域の連携病院もメーカーさんも医師もみんな顧客なんです。その顧客の生涯価値をどのように最大化させるか考えた話です。

リレーションシップマーケティングとは

顧客との良好な関係を構築し、優良顧客になってもらうことにより、顧客の生涯価値(Life Time Value)を最大化するマーケティング方法です。この方法だけで組織運営や病院経営をうまくやっていくことはできませんが、よく言われている患者満足度、利用者満足度向上をさせる理由の一つとなる考え方です。
病院というものは、医療広告ガイドラインや倫理の問題もあり、サービスの市場シェアを高めるために沢山の患者さんを呼び込むことや、誘引することが出来ません。だからこそ、顧客との関係性を深めることに大事にして、関係性を構築することで病院として選んでいただいたり、知り合い同士のつながりによる評判の拡散を狙って行く必要があります。このように考えると人気のある小さい病院の秘密がわかってきます。

リレーションシップマーケティングは、1983年にレナード・ベリーにより提唱された考え方です。「売上の80%は上位20%の優良顧客が生み出している」という「パレートの法則」が考え方の背景としてあるとされます。
もちろん新規顧客の開拓に力を入れることも重要ですが、新規顧客の開拓にはコストも労力もかかります。リレーションシップマーケティングは、新規顧客開拓より、既存顧客との関係性をより深め、優良顧客になってもらうことにより売上を獲得していくという考え方です。

リレーションシップマーケティングのメリット

1. リピート(再来院)率のアップ・解約率(もう来ない)の低下
2. 顧客単価(必要な検査や指導を適切に提案される)のアップ
3. 口コミによる拡散(いい病院)
4. 顧客生涯価値のアップ(安心して生活)1. リピート率のアップ・解約率の低下

リレーションマーケティングにより優良顧客を生み出せば、顧客は定期的な検査や治療を好んで自医院に受診して来てくれるようになり、リピート率がアップします。これは無駄な検査を生み出すという事ではなく、病院として選ばれるという意味です。
再来院率のアップがあると、コストや労力を使った新規顧客開拓の労力が軽減されます。

2. 顧客単価のアップ
リレーションシップマーケティングにより優良顧客が生み出されると、顧客と信頼度が高まり、必要な検査や治療の提案に対して好意的な回答が返ってくるようになり(不安で拒否したりしない)、顧客単価がアップします。
また、病院にたいする信頼が高まるため、「消化器の病気で通院していたけど眼科や歯科にもこの病院でかかろう。」と関連する科やサービスをうける可能性も高まります。診療報酬改定等の影響はうけますが、顧客単価がアップすれば、顧客の数が少なくても売上を上げることができます。

3. 口コミによる拡散
リレーションシップマーケティングにより生み出された優良顧客は、病院の機能や雰囲気、対応について様々な場面でを口コミで拡散(おすすめ)する傾向が強まります。
実際に通っている優良顧客の口コミには真実味があるために、口コミを受けた新規顧客が前向きに購入を検討する可能性が高まります。現在ではインターネットの本当に行ったかもわからない人の口コミを信じて多数の人が誘導されるくらい口コミの力って強いんです。
このように、リレーションシップマーケティングは、自院が外向きにコストや労力をかけることなく、顧客の新規獲得もできることになります。

4. 顧客生涯価値のアップ
リレーションシップマーケティングは、再来院率のアップ・来なくなる事の低下、顧客単価(検査や治療)のアップ、口コミによる拡散をもたらしていきます。
結果として、安心して病院と関係を気づき信頼できるパートナーを見つけ右rこととなり顧客生涯価値は大きく高まることになります。

リレーションマーケティングの基本は難しくない

リレーションマーケティングは、難しく考えず要は患者満足度向上の事です。片肘張らずに真摯に向き合えばリレーションマーケティングの実践し組織に貢献することが出来ると考えます。

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