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校長の反対を乗り越える7つの戦術【前編】


PTA改革なんて無理ー!
PTA改革で無理をしたら反動が起こる!
周囲とのバランスを考えて時間をかけるべき!

私もPTA改革に数年間かかりました。

PTA改革は最低でも1年、外部団体などの調整を考えたら数年かかるのが一般的と思われています。

しかし状況は変わってきてます。「短期間でPTA改革はできない」そうした過去の常識を考え直す時期にきてる気がします。


コロナ禍による活動休止、入退会自由の周知の拡がり、個人情報保護法の改正、非会員の増加など、PTAを取り巻く環境は大きく変わっています。PTA改革をしやすい環境になってきてると思います。

もちろん地域によって差はありますが、過去の常識を一旦脇に置いて、考えてみるのもいいと思います。

もしかしたら、短期間で改革ができるかもしれません。


🟦変わり始めた上部団体・上部組織

🔵相次ぐ日本PTA全国協議会からの退会


さいたま市PTA協議会が、上部団体の日本PTA全国協議会(以下、日P)から本年度末に脱退することを2023年12月20日の理事会で決定しました。


3月にも東京都小学校PTA協議会(旧都小P)が日Pを退会したばかりなので、これで2団体目になります。


昨年(2022年)は、退会までは至らなかったけど、京都市PTA連絡協議会が日Pからの退会の検討が話題になりました。


PTAは日Pを頂点としたピラミッドのような構造をしています。その上部の部分の退会が発生したことになります。

地区Pが無い所や都道府県と市町村の間にある所もあります


🔵市町村P協の退会や解散も…


松山市小中学校PTA連合会が愛媛県PTA連合会を退会。


高知市小中学校PTA連合会が高知県小中学校PTA連合会を退会。


横須賀市PTA協議会が神奈川県PTA協議会を退会。


他にも、奈良市PTA連合会や徳島市・名東郡PTA連合会、岡山市PTA協議会、倉敷市PTA連合会、尼崎市PTA連合会など多くの市町村P協が、都道府県P協を退会しています。


藤沢市PTA連絡協議会草津市PTA連絡協議会のように解散したP協もあります。


都道府県P協を退会すれば、同時に日Pの退会になります。


🔵市町村P協内部でも退会や解散も…


神戸市中央区小学校PTA連合会の退会。(2020年)

北海道厚沢部町PTA連合会解散。


これから更に各階層で上部団体の在り方が見直されるでしょう。上の階層からの退会が増えて行くでしょう。それは同時に下の階層に退会できることを伝えることになります。


🟦単位PTAを取り巻く環境の変化


単位PTAを取り巻く環境の変化には様々なものがあります。中でも、PTAの在り方に直接関係のある「入退会自由の周知の拡がり」と、それによる「非会員の増加の流れ」は、PTAの在り方そのものを変える大きな変化だと思います。

これまで強制加入を前提として運営していたPTAが、任意が前提になります。前提が変わるので、当然運営のあらゆることに影響します。


🔵入退会自由の周知の拡がり

入退会自由の周知が拡がっていくことで非会員が増えてきます。

また、退会が任意にできるので、委員や役員選びもくじ引きや一人一役、ポイント制など強制的な選び方が難しくなり変更していくことになります。


🔵各地で非会員が増加

入退会自由の周知の拡がりによって非会員の数が増えて行きます。その非会員がSNSなどで更に拡散させるので、非会員数はどんどん増えて行くでしょう。

加入率低下が進むPTAも増え、上部団体退会やPTA解散なども増えます。


🔵コロナ禍での活動休止の体験

コロナ禍での活動休止は、PTA活動が無くても問題ないことを多くの人にさらしました。PTAは不要だと思う人が増えてきました。

またコロナ禍によって、書面総会や会議のオンライン化、活動の削減や軽減などが進み、PTA改革の機運が高まりました。


🟦第三者提供を原則通り禁止するとした通知


学校からPTAに対して、個人情報の第三者提供を原則通り禁止するとした通知を出す教育委員会が増えてきました。

こうした"保護者の個人情報を守る流れ"は拡がっていき、加入申込書(入会届)で独自に名簿を集めるPTAが増えてくるでしょう。


🔶PTAが入会届で独自に名簿を集める流れになって行きます🔶



🟦各地の議会でPTA問題が取り上げられる


数年前は、議会でPTA問題を取り上げる議員は少数でしたが、PTA問題がマスコミで取り上げられ社会問題化しP`TA問題を取り上げる議員が増えてきました。


🟦休会や解散を選択するPTAも


加入率の低下や、役員の成り手不足によって、休会や解散を選択するPTAも増えてきました。

運営する人がいないなどのネガティブな解散もあれば、会の目的達成というポジティブな解散もあります。

今まで強制で無理してでも継続されてきたPTAが、任意の周知が拡がったことによって、それまでタブーに近かった解散も、選択肢の一つとして扱われるようになりました。

解散のイメージが変わろうとしてます。


🟦非会員の増加は止まらない

もうやってきてる所もあります

PTAを取り巻く環境は、上部団体から単位PTAまで大きな変化がやってきています。

中でも非会員の増加は、全員加入を前提としたPTA運営を変える力を持ち、活動削減や上部団体の退会等、階層化・組織化されたPTA体制を変えていくでしょう。

足並みを揃えていればどうにかなってた時代は過去のものであり、これからは、それぞれのPTAが主体的に運営の進路を決めて行く時代に突入するでしょう。


🟦会長・役員以外からのPTA改革


入退会自由の流れは、今までPTAに加入することがあたりまえだと思っていた保護者・教師の意識も変えていきます。

PTA改革は会長・役員が中心となって行うもの(以下、中から改革)が普通でしたが、役員以外による"外からの改革"も増えてきます。

中からの改革は、改革の時に以下の障壁があり、改革に時間がかかります。

①学校を含めた外部団体との調整
②前年や過去との調整
③期待や役割の変更(PTAをあてにしてる外部団体の存在)

それに対して、外からの改革は調整が不要なので、中からの改革より短期間でPTAを変えてしまいます。

外からの改革は、しがらみが無い分3ヵ月~6ヵ月くらいでできる場合があり、改革の早さで中からの改革を上回っています

PTA改革を中からする前に、外から改革されることもあります。


🟦PTA改革の二つの方向

PTA改革は方向が大事です。大きく分けると二つの方向があります。

上部団体等と足並みを揃えて組織的なPTA体制を維持する方向と、その体制から脱却し自校だけで完結していく方向です。

どちらの"方向"に向かってPTA改革をするかで大きく変わってきます。

PTA体制維持の方向は、学校や上部団体等から理解を得やすいのですが、下請け体制に組み込まれてるので、非会員が多数になるほど運営は難しくなります。

反対にPTA体制から離脱の方向は、下請け的な活動を削減することができ活動負担を大幅に減らせます。そのため非会員が多数になれば、その状況に合わせればいいだけです。


🔵PTA体制から離脱する改革の課題は、周囲の反対をどう乗り越えるか


PTA体制から離脱する方向の改革は、学校、P協、地域、OBOGの理解や賛同を得ることが難しいという欠点があります。

しかし、PTAを取り巻く環境は大きく変わり非会員が急増(会員数が減少)しており、PTA体制そのものも大きく崩れだしています。

足並みを揃えることよりも、下請け構造から脱却して運営の主体性を取り戻すことが大事と思います。


🟩変わるPTA体制~それでも体制維持の改革をしますか?


記事の最初の部分で紹介したように、PTAを取り巻く環境は大きく変わってきてます。

任意性の周知が進めば当然非会員は増えてきます。非会員が増える度に、「非会員にならないでー、困るー」では、任意性の周知と逆行します。

まだ加入を義務と思ってる人が多いから、加入率を維持することができても、任意(義務でない)の周知・理解が拡がっていけば加入率は下がって行くでしょう。


🟩入退会自由は、組織が変動的になるということ

入退会自由に移行するという事は、組織が変動的になるという事です。会員数や会費収入、活動に参加する人数などが大きく変動してきます。

下請け構造に組み込まれている限り、外部からコントロールされるので、主体性のある運営はできません。

外部から固定された活動が降りてくる状態を維持したまま、非会員が増えてくる状況を乗り越えられるでしょうか?

かなり難しいと思います。

これまでPTAは、強制加入で会員を固定(全員加入)してきました。だから外部団体の活動が固定されていても対応できました。

会員数を固定できた強制加入と違って、変動が大きい入退会自由で運営するには、固定化された行事・活動をなくして行く必要があります。

下請け構造から脱却する最も大きな理由は、変動する組織では下請けは無理だからです。


🟥PTA改革のポイントはどこ?

ズバリ言うと「周囲の反対を乗り越えれるかどうか」です。

※ボトルネック・・・停滞を招いている工程・箇所のこと

周囲の反対を乗り越えれたら改革しやすいですよね。あとはゴールに向かって行くだけです。

反対に、周囲の反対を乗り越えれなかったら、運営側からの改革は難しいと思います。これまでの運営を継続することになります。


🟥周囲の反対を乗り越えるには

PTA改革に反対する人はたくさんいます。

校長・教頭などの学校関係者、P協や他校PTA(近隣PTAや中学校PTAなど)、地域、OBOG、役員、活動削減に反対する会員(活動したのに不公平等)などです。


この記事では、いろんな反対のケースの中から、校長の反対を乗り越える戦術について書きます。校長の反対が無くなれば、反対してた人たちも減って状況が大きく変わるからです。

また、反対の内容は「入退会自由へ移行すること(入会の意思確認)に対しての反対」に絞って書きます。

他にも、P協の退会や、家庭教育学級の廃止などに反対する場合がありますが、この記事では取り扱いません。ただし、共通することも多いので活用できると思います。

こうなるといいですね


後編は、ブログの方になります。



※PTAの構成は保護者と教師でどちらも入退会自由です。記事では、保護者問題の要素が強い部分は保護者だけで書いています。

PTAは地域や構成する人等、様々な状況の違いがあります。この記事はPTA改革を保証するものではありません。あくまで参考としてお考え下さい。


記事を読んでいただきありがとうございます! これからもPTAに関連する情報を発信したいと思います!いただいたサポートは強制PTAをやっつける活力にしたいと思います。よろしかったら応援よろしくお願いします。