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Glasgow Coma Scale(GCS)について

理学療法士国家試験で出てくる内容を解説。

今回は意識障害の評価スケールであるGlasgow Coma Scale (GCS)について解説しています。Japan Coma Scale (JCS)について知っている人は多くても、GCSを自信持って知っているという方は少ないのではないでしょうか?

動画でも解説しています。

ポッドキャストでも配信しています。聞き流しで学習できます!

この記事を試験勉強に使っていただけますと嬉しいです。


概要

・意識障害の評価スケール
・Glasgow大学で開発された
・E(開眼機能)、V(言語機能)、M(運動機能)の3要素を評価
・Japan Coma Scale (JCS)よりも難しい?

私自身、急性期の病院に勤務していたことがありますが、普段使いしていたのはJCSでした。なので、GCSはちゃんとわかっていなかったし、看護師さんでもわからない人がいたのではないかと思います。

なので意識障害の評価スケールで比較的メジャーだと思われるJCSをおさらいしておきましょう。


JCSをおさらい

JCSは基本は数値で評価しますが、「〜桁」で評価することもできます。
〜桁だと3段階で評価することができるので、とても簡便です。

・1桁:刺激なしでも覚醒している
・2桁:刺激で覚醒する
・3桁:痛み刺激を入れても覚醒しない

非常に簡便に使用できるため、覚えやすく使いやすいのだと思います。


1桁あたりに3段階あり、以下の表1の通り合計9段階で評価します。

表1:Japan Coma Scale

JCSを簡単におさらいしたところでGCSに移っていきます。


Glasgow Coma Scale

概要で述べた通り、以下の3つの要素を4〜6段階で評価します。

・E=Eye opening=開眼:1-4の4段階
・V=best Verbal responce=最良言語反応:1−5の5段階
・M=best Motor responce=最良運動反応:1−6の6段階

E,V,Mはそれぞれ英単語の頭文字になります。VとMは最初に"best"がつきますが、覚える必要はないと思います。Eye=眼、Verbal=言語や言葉、Motor=動作や動きとシンプルに覚えてしまうのがオススメです。

また、各要素で段階が1段階ずつ違います。これがGCSをややこしくする一つの原因とも思います。全部覚えられればそれが良いかもしれませんが、難しければ「どれが何段階あるのか」「一番良い状態はどういう状態か」くらいを覚えておくと試験で出ても対応できると思います。

以下の表2に全体をまとめます。

表2:Glasgow Coma Scale


理学療法士国家試験では・・・実際の問題を解いてみる

第58回理学療法士国家試験PM-28

私が問題を解いた時点で知っていたのは
①E,V,Mは何を評価するのか
②E=4段階、V=5段階、M=6段階

でした。

それを前提として解いていくと、
・問題2は一番良い覚醒状態なのでE4なので正しくない
・自信はなかったが、3と5も一番良い状態なので正しくないと判断。
・記憶が曖昧ですが、4は違うと自信を持っていた

消去法的に1を選択でき、問題には正解しました。


まとめ

・GCSはE=開眼、V=言語、M=動きの3種類を評価する。

・E=4段階、V=5段階、M=6段階

・全部覚える必要はない。一番良い状態を覚えておこう。


最後までご覧いただきありがとうございます。未来の理学療法士、理学療法士の未来のため発信を続けて参ります。今後もよろしくお願いします!