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GMFMとは?【理学療法士国家試験】

第56回理学療法士国家試験午前の31問目にGMFMについての問題がありました。


学生時代に名前を聞いたことがあり、脳性麻痺の評価尺度であることくらいしか記憶になく、全く手も足も出ないで終わってしまいました。

解説も何もできず悔しかったので、調べてみました。


音声も投稿しました↓




概要

GMFM(Gross Motor Function Measure)は脳性麻痺児の粗大運動能力を評価する尺度です。

5領域、88項目を4段階で評価します。

健常5歳児であれば遂行可能な項目で構成されています。


この概要だけ知っていれば、第56回理学療法士国家試験午前31問目は正解できます。

ちなみに私の回答です。

※第56回理学療法士国家試験、第56回作業療法士国家試験の問題および正答について(厚生労働省)を加工して作成
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-08_09.html


Item Mapとは?

選択肢の5番目が正解だったわけですが、Item Mapとはなんでしょうか?


Item Mapは「項目難易度マップ」のことで、88項目中の66項目(どれかはわかりませんが)を専用のソフトに入力すると出てくるようです。

出てきた結果から、次に獲得を目指すべき項目がわかるようになります。

ちなみにItem Mapは、ある領域の項目を難易度に従って並べているもののようです。


少しだけ細かく

領域は、

A:臥位と寝返り
B:座位
C:四つ這いと膝立ち
D:立位
E:歩行、走行とジャンプ

の5領域です。


項目は、

A:17項目
B:20項目
C:14項目
D:13項目
E:24項目

の合計88項目です。


段階は、

0:全くできない(頭部が正中に保持されない)
1:少しできる(頭部の正中位保持が1〜3秒間である)
2:部分的にできる(頭部は正中位に保持されており、頭を回旋すると四肢は非対称性になる)
3:完全にできる(頭部を回旋しても四肢の対称性は保たれる)

の4段階です。

カッコ内は一例で、各項目によって詳細な基準があります。


類似する評価尺度

GMFCS(Gross Motor Function Classification System)という評価尺度があります。

同じ脳性麻痺児に使用する評価尺度であり、名前も前半は同じです。紛らわしいです。

こちらの事を聞かれる問題が出てもおかしくありません。
もしくは、GMFMとGMFCSの違いを聞かれるような問題が出るかもしれません。


GMFMは「粗大運動能力」を評価するのに対し、GMFCSは「粗大運動能力障害の重症度」を評価します。

この違いを覚えておくと役立つかもしれません。


2023.10.10投稿
GMFMとGMFCSの違いについて解説した動画を投稿しました。


まとめ

GMFMは脳性麻痺児の粗大運動能力を評価する尺度。

5領域、88項目を4段階で評価。

健常5歳児であれば遂行可能な項目で構成されている。

Item Mapで次に獲得するべき動作がわかる。

GMFCSという類似する評価尺度があるので、違いを覚えおこう。



最後までご覧いただきありがとうございます。未来の理学療法士、理学療法士の未来のため発信を続けて参ります。今後もよろしくお願いします!