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【随筆】人生は苦難から学びを得る

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ようやく手に入れた心穏やかに暮らせる日々。それまでにはいくつかの苦難があった。現在の私はそれを乗り越えてきたことで存在する。ありふれた話かもしれないが、何処かにいる、誰かに届けば…
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#事故

【随筆】因果

母の許に引き取られ、父と一つ上の姉と三人で暮らした家から出ることになった。 胸から抜け落ちる感情と、新たに湧き上がる感情とが渦を巻く。 姉が心配であった。 家を出たとはいえ母と暮らす町は隣町。 会おうと思えばいつでも会うことが叶う距離ではあるのだけれど、心の中から父への想いは日毎薄れてきている。 本当ならば今も一緒に暮らしているはずだった姉は、父が一人になると可哀想だからと父の許に残った。 父は仕事から帰ると酒を飲み始め、酔ってくると二人を部屋から呼び出して怒鳴り始める。

【随筆】悲痛

この度の令和6年能登半島地震、羽田空港での事故、年始の多数事件が起きた中で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご家族、被災された方々に、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。 新年一本目の記事。 もちろん祝いの言葉から書き始めるつもりであった。 少なくとも1日16時までは。 その時間、神奈川県では激しく揺れたわけではないが、船上で波に揺られるような、ゆっくりと広範囲に揺り動かされる感覚があった。 終わらない。 長い。 テレビを点けると震度7の文字。