UB Urza DeckGuide
★はじめに
初めましての人は初めまして、そうでない人はおはこんばんちは。クォーツと申します。今回自分の整理も兼ねてこんな記事を書いてみました。拙い文章だとは思いますが、このデッキに興味があるよー、というひとは是非読んでいただけると嬉しいです。
無料記事としておりますが、この記事面白いなー、と思った人の中でもし心優しい人がいましたら是非ご支援のほどお願いいたします。いただいた支援は変なデッキを作る足しになると思います。
★青黒ウルザってどんなデッキ?
モダンホライゾンで登場した環境屈指のパワーカード《最高工匠卿、ウルザ》を軸に打ち消し、除去、ハンデスなど、相手に干渉できる優秀な呪文に加えて、《飛行機械の鋳造所》と《弱者の剣》の通称「ソプターコンボ」や《神秘の聖域》と《剥奪》、《謎めいた命令》などのコンボなど、「ハメ技」もある非常にテクニカルなデッキです。コントロールよりのミッドレンジかつコンボデッキ、そんないいとこどりのデッキがこの「青黒ウルザ」です。「ディミーアウルザ」や「ウルザソプター」などとも呼ばれますが、後者は青黒赤で構成されるグリクシスウルザを指すこともあるようです。
「ソプターコンボ」を有していることからビートダウンデッキに強く、また相手に干渉する手段が多いため、コンボデッキに強いなど、様々なデッキと互角以上に戦える点が大きな強みです。
相手の妨害をしながら、隙を見て一撃必殺のコンボを狙うことが可能なコントロールデッキが好きな人には、特にお勧めのデッキです。
★今のモダン環境って?
2020年3月9日、《原始のタイタン》を擁するデッキやエルドラージトロンといった緑を含みクリーチャーをキーとするデッキを咎める形で、《むかしむかし》が禁止となりました。その影響からか、テーロス還魂記以降その猛威を振るっていたアミュレットタイタン、タイタンヴァラクートが減少、それに伴い、これらに対して不利なマッチアップを強いられていたバントコントロールや緑トロン、ウルザなどのデッキが隆盛してきています。
中でも緑を含む《最高工匠卿、ウルザ》デッキやバントコントロールは、テーロス還魂記で《自然の怒りのタイタン、ウーロ》という新戦力を補充し、中長期戦での圧倒的な制圧力を手に入れました。
★現在の使用リストと採用リスト
上のリストは実際に私がMagicOnlineでプレイしているものになります。クリーチャー4枚、呪文34枚(うちアーティファクトが16枚)、土地22枚の構成。
採用カードについて順に解説していきます。枚数の後ろの”()”は採用検討枚数です。環境や好みで調整しましょう。
■メインボード
《最高工匠卿、ウルザ》 4枚(4枚)
このデッキのキーパーツであり、最高の名に恥じないモダンホライゾン屈指のパワーカード。一度着地を許すと構築物トークンを置いてアドバンテージを稼ぎ、1ターン生き残れば5マナで確定アドバンテージの効果が戦況差をさらに広げます。
《精神を刻む者、ジェイス》1枚(0~2枚)
『神ジェイス』、実質第2のフィニッシャー。コンボパーツを揃えたり、反撃の目を潰せる神のカード。トータルでフェッチが10枚入っていることもあり、かなり強く使える1枚。ダブついてしまった土地や一時的な除去、不要な打ち消し呪文やハンデスを0能力でリフレッシュさせるなど、ほんとうにつよい。
《大魔導士の魔除け》 3枚(2枚~3枚)
打ち消し、インスタントドロー、コントロール奪取と八面六臂の活躍を見せる最高のカード。《死の影》を軸とするデッキや《僧院の速槍》などの1マナクリーチャーを用いる『果敢』デッキなどに有利をつけることのできるスーパーカード、3枚採用。対コントロールではハンド差を広げるために《神秘の聖域》で使いまわしながらドローを連打することが多いです。
《謎めいた命令》 2枚(2枚~3枚)
青いコントロールを定義付ける1枚。打てばアドバンテージを稼げるカード。モード選択にはコントロール使いの勘と経験とセンスが光ります。強いけど難しいカード。これと似たような動きができる1マナのカードがあるらしい。ほんとに????
《発明品の唸り》3枚(2枚~3枚)
デッキ内のアーティファクトを持ってこれるスーパーカード。《飛行機械のの鋳造所》と《弱者の剣》を揃えるし、相手のプレインズウォーカー着地スタックで真髄の針を持ってきたり、サイドインキーカードをシルバーバレットできるなど、こちらも八面六臂の活躍をするカード。プレイヤーのスキルが問われる。アーティファクト土地である《ダークスティールの城塞》をメインに入れておくとマナ加速なんかもできちゃいます。
《思考囲い》2枚(0~3枚)
《コジレックの審問》2枚 (0~3枚)
ハンドデストラクション、いわゆる「ハンデス」ができるカード2種。ウルザが2色目に黒を足す理由。ウルザ着地に際しての前方確認、《原始のタイタン》や《解放された者、カーン》など対処が難しい相手のキーカードを事前に安全に対処できるカード。ただし過信は禁物。先手1ターン目、相手のデッキがわからない状態でフェッチランドからギルドランドをショックインからの《思考囲い》は絶対にやめましょう。
《致命的な一押し》3枚(2~4枚)
わずか1マナで序盤の脅威を排除するモダン環境最強の除去の一つ。カラデシュはすごい、ほんとうにすごいんだ!(霊気紛争ですね)。《タルモゴイフ》や《死の影》などの打点の高い優秀な生き物にはタイミングを見て、《遵法長、バラル》や《献身のドルイド》などを「ヤバいヤツ」はサクッと押し倒そう。
《剥奪》1枚(0~1枚)
モダンでは貴重な2マナの確定カウンター、ウルザ着地直後の除去に合わせて唱えることが多い。神秘の聖域をバウンスすると非常にズルい動きになります。土地が十分に伸びていなかったり、ウルザが着地していないタイミングで唱えると取り返しのつかないテンポがつくこともあるので注意。《イリーシア木立のドライアド》などは後手3ターン目でも打ち消すのが吉の場合が多いです。
《アーカムの天測儀》4枚(4枚)
優秀なキャントリップ呪文、マナフィルター、即席の種になる、強い。序盤に唱えてもよし、後半引いてもうれしい。《神秘の聖域》でデッキトップに置いた呪文を回収するのにも使います。
《ミシュラのガラクタ》4枚(4枚)
序盤、土地や除去などを探すため、自分を対象にして《定業》のような働きをしたり、《神秘の聖域》と組み合わせて除去、カウンターを上手に使いまわしましょう。
《威圧のタリスマン》3枚(0~3枚)
採用しないリストもありますが、個人的には必須パーツだと思っています。破壊されにくい置物かつ、着地後ハンデスや《致命的な一押し》、《真髄の針》に繋げることができ、3ターン目に《最高工匠卿、ウルザ》や《精神を刻む者、ジェイス》の着地といったブン回りができるのはかなり魅力的。
《飛行機械の鋳造所》2枚(1~4枚)
《弱者の剣》1枚(1~2枚)
言わずと知れたソプターコンボの中核。《弱者の剣》は禁止カードに指定されていた経緯もある前科モン。通常は注いだマナの分だけ飛行機械トークンと1点回復を行うコンボですが、《最高工匠卿、ウルザ》がいると無限マナ無限ライフ、無限マナからのウルザ能力無限起動といった地獄が生まれます。
《真髄の針》1枚(0~2枚)
メインサイド合わせて最低でも1枚はほしいカード。《思考囲い》などで相手の手札を見てから適切なカードを指定して置けるという使い方が一番多いです。先手で《ミシュラのガラクタ》からフェッチランドが見えたならそいつを指定するというのもまた、すごく気持ちいいですよ。相手のプレインズウォーカーキャストに合わせて《発明品の唸り》からサーチすれば実質打ち消し(灯争大戦のPW?知りませんね)。手札に来たときはなるべく先手なら3ターン目、後手なら2ターン目までぐらいに唱えるようにしましょう。後半は《Mox Sapphire》になります。
《虚無の呪文爆弾》1枚(0~1枚)
メインで墓地利用デッキを牽制できる一枚。墓地に落ちた時のドローは自身の効果でなくとも誘発するので、相手が墓地利用デッキではない場合、《飛行機械の鋳造所》で生贄するのもあり。また能動的にドローできるカードなので、神秘の聖域との相性も良い。《湖での水難》をデッキに入れている場合は、むやみに相手の墓地を綺麗にしないほうがいいこともあるので覚えておきましょう。
《拘留の宝球》1枚(0~1枚)
万能なパーマネント除去、青黒に白をタッチする理由となる1枚。厄介なプレインズウォーカーを対処することができ、非常に優秀。特にエルドラージトロンなどが用いる《大いなる創造者、カーン》などを返しのターンで除去できる可能性があるのは大きな強み。お守り代わりの一枚、強い。
《汚染された三角州》など 10枚(9~11枚)
フェッチランドは、デッキ内ほぼすべての土地にアクセスできる青絡みのものを採用。いつ引いても強い。序盤、《ミシュラのガラクタ》による疑似占術、中盤は《精神を刻む者、ジェイス》や《神秘の聖域》サーチによる使用済み呪文の再利用、終盤はウルザの効果による当たりを増やしたり、フェッチランドの使いどころがこのデッキのプレイの肝となります。
《神秘の聖域》3枚(2~3枚)
デッキ内ほぼすべての土地を《島》にする最大の理由。《謎めいた命令》《大魔導士の魔除け》、《剥奪》を戻すのはもちろん、《最高工匠卿、ウルザ》を唱える前に《思考囲い》を戻すなど、器用な一枚。
《湿った墓》1枚(1枚~2枚)
2点のダメージと引き換えにアンタップインができる青黒の2色土地、通称ギルラン。黒マナを《島》のタイプを含むので青絡みのフェッチランドであればサーチが可能です。《アーカムの天測儀》や《真冬》のために氷雪土地が必要となるタイミングも多いので、サーチするタイミングはよく考えましょう。
《窪み渓谷》1枚(1枚)
基本土地を2枚以上コントロールしていればアンタップインできる青黒の2色土地、通称バトルランド。2ターン目までは意識して基本土地を置いたり、最序盤でフェッチランドからタップイン処理するなど、これのために意識するプレイは多いですが、ほぼノーリスクで2色のマナが出せるのは非常に強力。
《神聖なる泉》1枚(0~1枚)
白青のギルラン。メインデッキの《拘留の宝球》やサイドボードの《時を解す者、テフェリー》のための専用土地。青黒ウルザってなんですか。
■サイドボード
《時を解す者、テフェリー》2枚(0~2枚)
もはや説明不要、コントロールデッキとコンボデッキを殺す憎きハゲ。対策するならこちらも積もう、といったところは刷られてはいけなかったあの半裸の男と同様。とにかく強い。場合によってはメインに入れてもいいカードですが、テンポ重視でサイドにイン。
《夢を引き裂く者、アショク》2枚(2~3枚)
各種フェッチランドを使ったデッキや《召喚士の契約》などのサーチ呪文を使ったデッキ、ドレッジなどの墓地利用デッキが跋扈するモダン環境において、非常に強力な一枚。灯争大戦でモダン環境は大きく変わってしまったのだ…。マイナス能力をフルで起動できれば相手のデッキを20枚を吹っ飛ばせるというのも地味に強い。アミュレットタイタン全盛期にはメインに3枚とか積んでいるデッキがあったんじゃよ。
《儀礼的拒否》2枚(1~3枚)
トロンやアドグレイスに対して有効。しかし対エルドラージトロンの場合、《虚空の杯》の「X=1」で辛酸を舐めることもあるので過信は禁物。特に《難題の予見者》などは打点も高く、キーカードを抜かれるので天敵。モダンは無色のカードが幅を利かせているので特にこだわりがなければ2枚は採用したいですね。ほぼ必須枠。
《神秘の論争》2枚(0~3枚)
青を含む《石鍛冶の神秘家》デッキや青白コントロール、《最高工匠卿、ウルザ》デッキなどに有効。ウルザの着地補助や《時を解す者、テフェリー》、《精神を刻む者、ジェイス》など協力な青の呪文への対処にわずか1マナで対応できる優秀な一枚。サイド後はブラフのためにも常に青1マナを立てるようにしましょう。
《真冬》1枚(0~2枚)
《5C人間》や《エルフ》といった部族デッキのようね、横並びするデッキに非常に有効。《アーカムの天測儀》含めると全体ー5/-5修正ができることもザラ。大体最速で唱える場合は-2~ー3修正ぐらいが標準の修正値になります。アーカムの天測儀がない場合はフェッチランドで《冠雪の沼》を持ってくるなど氷雪カウントを増やすように意識しましょう。
《橋上の戦い》2枚(0~2枚)
赤単果敢やジャンド、エルドラージトロンなどクリーチャーでダメージを稼ぐタイプのデッキに有効。《集団的蛮行》を2枚入れるか、こちらを2枚入れるかの2択になるかと思います。《集団的蛮行》は《石鍛冶の神秘家》デッキを特別意識する場合に採用するのが良いですが、汎用性を求めるのであれば《橋上の戦い》に軍配が上がります。赤単果敢相手に追加の除去かつ延命となるのはもちろん、《騒乱の狂乱者》など《致命的な一押し》で捌くことのできないデカブツやエルドラージトロンの《現実を砕くもの》を処理できる数少ないカードになります。《ミシュラのガラクタ》をなるべく温存するなど、Xの値が大きくなるように意識しながらプレイしましょう。
《減衰球》1枚(1~2枚)
《発明品の唸り》からシルバーバレットできるメタ・アーティファクト枠。トロンやストーム、アミュレットタイタンや赤単果敢など、多くのデッキに対してクリティカルに刺さるユーティリティープレイヤー。こちらの展開を阻害する場合もあるため、置くタイミングは考える必要あり。まあ最悪《飛行機械の鋳造所》などで自ら退かすこともできます。とにかくトロンが憎ければたくさん入れましょう。
《墓掘りの檻》1枚(0~1枚)
《発明品の唸り》からシルバーバレットできるメタ・アーティファクト枠その2。墓地デッキに対処するのはもちろん、デッキからクリーチャーが出ることを咎められるので、《献身のドルイド》でコンボ行うカウンターカンパニーや、《スランの医師、ヨーグモス》を軸に「不死」や《異界の進化》を駆使して戦う「ゴルガリ・ヨーグモス(『ヨーグモス医院』とも呼ばれているらしい)」に刺さります。
《仕組まれた爆薬》1枚(1~2枚)
同コストのパーマネントを横並びに展開するデッキに有効なアーティファクト。トークンや《虚空の杯》といったXマナのアーティファクトを飛ばしたいなら《発明品の唸り》から「X=0」でシルバーバレットするのもあり。いわゆる部族デッキに対しては2枚目以降の《真冬》となることも。マーフォークや人間、フェアリーには「X=2」で、エルフには「X=1」でスピリットには「X=3」で置くと吉です。
《ゲトの裏切り者、カリタス》1枚(0~1枚)
追加のフィニッシャー兼、ドレッジ、カニヴァイン、まっとうなビートダウンへの対策カード。本人が絆魂を持っておりタフネスも4と高いためかなり信頼できる裏切り者。《真冬》と併用する場合は氷雪パーマネントをうまく3枚に調整できると非常にうま味が高くなります。
■採用を検討できるカード(メイン・サイド)
ここからはメインデッキやサイドボードで採用を検討するカードの一例をご紹介いたします。フェッチランドや《アーカムの天測儀》を用いることにより、様々なカードを組み込むことが可能です。ここでは過去の環境や調整の中で使用していたカードをいくつかピックアップします。
《湖に潜む者、エムリー》
産み出されてしまった新規の「親和」カード。アーティファクトを使いまわせる点ではかなり優秀で場に残れば恒久的にアドバンテージを稼いでくれる強力なカード。しかし現在のリストだと自分から墓地にいくアーティファクトが《ミシュラのガラクタ》程度しかなく、ただの伝説のクリーチャーとなってしまうこともあったため、不採用。そのくせ《最高工匠卿、ウルザ》を墓地に落としたりするので「なんだかなー」という一枚。ただ、間違いなく強い一枚ではあるので《仕組まれた爆薬》を複数枚入れるなど、構築に工夫をすればかなり強く使えるはずです。青黒ウルザの亜種のデッキには軒並み採用されてますしね。
《湖での水難》
打ち消しと除去ができる器用な1枚。追加の《致命的なひと押し》だったり、《剥奪》になったりする。フェッチを多用するデッキに有効ですが、《レンと六番》を擁するジャンドでは墓地枚数が1枚足りずといったことが頻繁に起こるので気を付けましょう。入れる場合は大体メインに1枚といったところ。
《涙の雨》
赤緑ミッドレンジやアミュレットタイタン、緑トロンに有効。楽園の拡散を重ね張りした《森》やアミュレットタイタンのバウンスランドを割れると非常に美味しい。一般的なリストと比べて採用実績が少なくオシャレ枠にではありますが、ソーサリー呪文のため《神秘の聖域》で使いまわせるなど、意外とヤレる1枚。黒のダブルシンボルになるため、サイドイン後の土地サーチは少し意識するようにしましょう。ちなみに黒の呪文のため、《夏の帳》で無効化されます。なんだそれ。
《霊気の疾風》
《原始のタイタン》を擁するヴァラクート系デッキ、赤単果敢や赤緑ミッドレンジに有効、着地してしまったパーマネントにも使用できるのがGoodポイント。使い心地は《差し戻し》にかなり近い。赤や緑のデッキ相手に1ターンを生き残る道をくれる優秀な一枚。相手のフェッチランド起動に合わせてパーマネントをどかすと、デッキのトップもしくはボトムに置いたカードがシャッフルされるので完全な除去になります。覚えておくとよい小テク。
《喉首狙い》
大型のドラゴンや、《グルマグのアンコウ》といった《致命的な一押し》で対処できないクリーチャーを黒を含む2マナで対処できるカード。《虚ろな者》をはじめとするアーティファクト・クリーチャーには対応できないので注意。
《ヴィダルケンの枷》
同デッキの5-0リストでたまに採用されているカード。先置きしておけばバントコントロールの《自然の怒りのタイタン、ウーロ》に対して大きな牽制になったりする?実はいまいち強さを理解できていないカード。いかんせんこのカード自体が3マナとモダン環境においては重く、追加2マナを払わないと効果が起動できないなど、劣勢を覆すにはいささか非力か。これについては有識者の方、教えてください…
《悪夢の詩神、アショク》
お前はいつから神になったんだ、というアショク。1年前に生まれていれば5マナテフェリーの再来といわれもっと高騰していたに違いない不運な人。イラストめちゃめちゃかっこいいと思うんですけど、どうですか。
+能力で自身を守れて奥義も着地から3ターン目に打てる青黒のカードとしては破格の性能を誇るプレインズウォーカー、生まれたタイミングが本当に悪かった。《夢を引き裂く者、アショク》との相性は抜群で、バントコントロール相手に《自然の怒りのタイタン、ウーロ》、《精神を刻むもの、ジェイス》、《ドミナリアの英雄、テフェリー》を並べたことも。
入れて20マッチほど遊びましたが、いかんせんオーバーキルなの「-3」の能力が受けに回りがちなこのデッキと合わず解雇。たぶん《精神を刻むもの、ジェイス》を足したほうが強いと思います。
《軽蔑的な一撃》
2コストで多くのフィニッシャーに対応できる優秀な打ち消し。現在のモダン環境においては、4コスト以上の多くのフィニッシャーが青、緑、赤、無色のいずれかのため、より汎用性が高くテンポ損の少ない《神秘の論争》や《霊気の疾風》、《儀礼的拒否》を優先させています。今後、仮に白や黒が隆盛する場合は、採用を一考する必要があるでしょう。ちなみに墓地から脱出する各種タイタンは対処できません、南無。
《罠の橋》
対クリーチャー戦において無類のロック性能を誇るアーティファクト。このデッキでは概ねパワー3,4以上の攻撃を止めることが可能。エルドラージや《原始のタイタン》の攻撃を止めることはもちろん、脱出タイタンの攻撃もシャットダウンすることができます。
強力かつ《発明品の唸り》からインスタントで持ってくることは可能ですが、自分の構築物トークンがアタックできなくなり、キルターンが大幅に遅れる点が大きなマイナスポイント。軽量の横並びの場合は《真冬》や《仕組まれた爆薬》のほうが欲しいこともあり、今回は採用なし。
エルドラージトロンのような直線的で《罠の橋》に対して有効な対応策がないデッキに対しては非常に有効、エルドラージトロンがかなりの数いると想定される場合は採用します。メインサイド合わせて1枚程度。概ねサイドボードに潜ませる形です。
《廃墟の地》
もはや説明不要、基本では無い土地を割れる偉い土地。対コントロールのマッチアップでは、ライブラリを強制的にシャッフルさせる特性を生かして相手の《神秘の聖域》に合わせて起動したりします。
《ダークスティールの城塞》
モダンでの存在を許された唯一の「アーティファクト・土地」。無色マナしか出ませんが、アーティファクトである特性を生かして《発明品の唸り》からサーチしたり、《最高工匠卿、ウルザ》から生み出される構築物トークンのパワーアップ、緊急時には《飛行機械の鋳造所》からソプタートークンを生むなど、意外と活躍するいぶし銀な土地。《溜め込み屋のアウフ》《大いなる創造者、カーン》が天敵。
この2種の土地はいずれも、リストに入れるなら白を抜いて《神聖なる泉》と入れ替えましょう。
★各デッキとの相性と戦い方
それではここからは実践編。各デッキとの相性やサイドボードを見ていきましょう。とはいえ多様性の暴力環境、モダン。すべてのデッキを網羅することはほぼ不可能なので、大会などで一定以上の成績を残している一部のデッキをご紹介します、悪しからず。
■バント氷雪コントロール
若干不利なマッチアップ。
最近の大会で高い確率で上位入賞をしている現状のトップメタ。かなり近いコンセプトのデッキにバント石鍛冶などもあります。
《氷牙のコアトル》のような隙を見せずアドバンテージを稼ぐクリーチャーや冒頭でも紹介した《自然の怒りのタイタン、ウーロ》といったアドバンテージ源に対してすべて対処することが難しく、長期戦となった場合、かなり難しい戦いを強いられるマッチアップです。《夏の帳》のせいで、サイド後はいくらか不利となるため、なるべくメイン戦で1本取りたい。相手の場に着地する《時を解す者、テフェリー》は顔も見たくないです。
メインは微有利、サイド後は不利といったマッチアップ。
サイドボーディング
in:《神秘の論争》2枚、《時を解す者、テフェリー》2枚、《夢を引き裂く者、アショク》2枚
out:《致命的な一押し》2枚、《威圧のタリスマン》2枚、《剥奪》1枚、《真髄の針》1枚
対コントロール最終兵器《時を解す者、テフェリー》を投入します。着地させることに成功すればかなりゲームを有利に進めることができます。そのほか、追加の勝ち筋かつ《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の「脱出」を阻止しつつライブラリアウトを狙うことのできる《夢を引き裂く者、アショク》、あとは説明不要の対青打ち消し《神秘の論争》をサイドイン。
サイドアウトは、腐り易い除去、長期戦で引きたくないマナファクト、テンポ損となりがち、かつ《廃墟の地》によって《神秘の聖域》の使いまわしが咎められてしまう《剥奪》、自分にも影響が及ぶ《真髄の針》を選択。
《致命的な一押し》は構築物トークンでライフを詰めに行く際《氷牙のコアトル》退かすのに必要となる場合があるためお守り的な意味もかねて1枚残しています。
サイド後はハンデスを使いつつ、《神秘の論争》を構えながら隙を見て《時を解す者、テフェリー》や《最高工匠卿、ウルザ》を唱えてマウントを取るのが勝ち筋になります。《夏の帳》はだめです。
■ジャンド
かなり不利なマッチアップ。禁止改定以降120戦のうち7戦して勝てたのはわずか1マッチ。
ハンデスで《最高工匠卿、ウルザ》を落とされるというのはもちろん、《レンと六番》や《ヴェールのリリアナ》といった序盤の干渉が難しいプレインズウォーカー群に加え、ちあみんこと《血編み髪のエルフ》といったコントロール泣かせの優秀なカードが多く苦戦を強いられます。
4ターン目以内にソプターコンボを成立させること、もしくは、4ターン目までにアーティファクトを3枚以上置いている状態で《大魔導士の魔除け》を構えながら《最高工匠卿、ウルザ》を唱えるのが数少ない勝ち筋になります。とにかくジリ貧になるとまず間違いなく負けるのでスピード勝負になります。前者は《ヴェールのリリアナ》によって《弱者の剣》を墓地に落とすことが可能であることを覚えておきましょう。
トップメタがジャンドとなる場合は、《飛行機械の鋳造所》と《弱者の剣》を1枚づつサイドボードに仕込ませるなどして対策を図りましょう。
現状は、環境に一定数いるものの、いくらか優先度は低い状況です。
サイドボーディング
in:《橋上の戦い》2枚、《時を解す者、テフェリー》1~2枚、
out:《思考囲い》2枚、《剥奪》1枚、《虚無の呪文爆弾》1枚
サイドインは追加の除去かつ延命装置でもある《橋上の戦い》、《タルモゴイフ》を退けながらドローでアドバンテージを稼ぎ、《血編み髪のエルフ》の続唱を止める《時を解す者、テフェリー》はとりあえず入れたいカードです。先手であれば《血編み髪のエルフ》を止められる《ゲトの裏切り者、カリタス》を入れる場合がありますが、こちらの優先度は低め。
ライフを大きく消費する《思考囲い》やテンポ損が致命的な《剥奪》は確定でサイドアウト。《虚無の呪文爆弾》は、メインで相手のデッキに《死の飢えのタイタン、クロクサ》の影が見える場合は残す場合もあります。
サイドボード後は、除去が1枚以上ある、《ミシュラのガラクタ》《アーカムの天測儀》といったアーティファクトが2枚以上ある、土地が3枚以上あるといった初手であれば概ねキープ。序盤は間違いなくハンデスが飛んでくるので疑似的なハンデス除けになる《ミシュラのガラクタ》は特に有効。ハンデスによって落とされたインスタントやソーサリーカードを《神秘の聖域》で回収することで序盤のクリーチャーを捌きましょう。
デッキの構成上、《島》を咎める《窒息》や《沸騰》は天敵です。対策としては最速で《威圧のタリスマン》を置き、島以外のマナソースを確保しつつ《最高工匠卿、ウルザ》を着地させるのがベストです。これが難しければ、あとは些細な抵抗として、《コジレックの審問》でハンデスしたり、フェッチランドをなるべく場に温存するなどしましょう。
■緑トロン
メイン、サイドとも若干の不利を強いられるマッチアップになります。特に後手に回った場合、3ターン目カーンや忘却石に対して為す術もなく追放領域の彼方に散ることになります。メインであれば、《思考囲い》と《真髄の針》をうまく当ててあとはトロンが揃わないことを祈るのみです。勝ち筋としては《大魔導士の魔除け》や《発明品の唸り》などを駆使して、4~5ターン目にソプターコンボの成立を狙うぐらいしかありません、もっともトロン側から妨害が飛んでくることはないので、落ち着いていきましょう。
また、3ターン目にウルザランド成立から何も脅威を投げてこない場合は、体感90%ほどの確立で次ターンに《絶え間ない飢餓、ウラモグ》や《精霊龍、ウギン》が飛んできます。《謎めいた命令》でウルザ土地をバウンスするなど、1ターン生き延びることを最優先に考えましょう。
サイドボーディング
in:《儀礼的拒否》2枚、《減衰球》1枚、《夢を引き裂く者、アショク》1枚
out:《致命的な一押し》3枚、《虚無の呪文爆弾》1枚
サイドボード後は可能な限りハンデスをできるハンドをキープ。加えて3ターン目まで打ち消し、先手であれば《発明品の唸り》を含め《減衰球》を3ターン目に着地させられるハンドであればキープ。
緑トロンの場合、《夏の帳》を構えている可能性があるので、相手が緑マナを捻出できる場合はハンデスや打ち消しを唱える前に一呼吸置いて考えるようにしましょう。基本的な戦い方はメインから大きく変わりませんが、サイドボードの《減衰球》を早い段階で設置できるように努力しましょう、具体的に言えばミシュラのガラクタを起動せず置いておくなど、《発明品の唸り》がX=2で唱えられるような工夫をしとこう、といった感じですね。
ちなみに《減衰球》を設置しても《爆発域》や《忘却石》で破壊してくることがあるので、なるべく《発明品の唸り》を《神秘の聖域》で使いまわすなどして、《真髄の針》も設置するようにしましょう、概ね《忘却石》を指定することが多いです。
■エルドラージトロン
メインは先手であれば微有利、後手の場合は不利、サイド後はいずれも微有利といったマッチアップ。
《むかしむかし》を失ったことで3ターン目にトロン土地が揃うことが少ないこと、緑トロンと比較した場合《絶え間ない飢餓、ウラモグ》といった一撃必殺が少ないことからこちらやりたいプランを通しやすく《飛行機械の鋳造所》でブロッカーを確保しつつ《最高工匠卿、ウルザ》に繋げることが容易です。
エルドラージトロンの大きな特徴は、メインデッキに《虚空の杯》を搭載していること。相手が《虚空の杯》を「X=1」で唱える前に1マナの呪文をすべて吐き出すようするのが吉。
《大いなる創造者、カーン》が天敵、常に警戒しましょう。
サイドボーディング
in:《儀礼的拒否》2枚、《橋上の戦い》2枚、《時を解す者、テフェリー》1枚、《減衰球》1枚、(後手の場合《仕組まれた爆薬》1枚)
out:《致命的な一押し》3枚、《コジレックの審問》2枚、《虚無の呪文爆弾》1枚、(後手の場合《ミシュラのガラクタ》1枚)
トロンと冠するものの、緑トロンとは大きく戦い方が異なります。対エルドラージトロンのサイドボードは、《虚空の杯》、《難題の予見者》、《現実を砕くもの》、《大いなる創造者、カーン》に対処できることが基本になります。そのため、これらに対処できない札を抜いて、対処できるものを足すという考え方になります。《ミシュラのガラクタ》は非常に優秀なカードではありますが、《虚空の杯》を「X=0」で置かれるとなにもできなくなるため、後手の場合は1枚抜いています。
《仕組まれた爆薬》は《虚空の杯》を破壊するためにサイドイン、《発明品の唸り》を「X=0」として出すこともできるので、小テクとして覚えておきましょう。
サイド後は初手に打ち消しとハンデスが揃っていれば文句なしでキープ。ただし1マナのカードが相手2ターン目までに使いきれない場合はマリガンしましょう。《虚空の杯》です。
■赤緑ミッドレンジ
メインは微有利(こちらが後手なら微不利)、サイド後は不利。
土地破壊や《月の大魔導士》(通称、月メイガス)を絡めつつ、《栄光をもたらすもの》や《反逆の先導者、チャンドラ》をはじめとした制圧力の高いフィニッシャーを投げ続けてくるデッキ、もちろん、「ちあみん」もいます。テーロス還魂期で《運命の神、クローティス》を得たことで大きく強化されたアーキタイプ。《原始のタイタン》全盛期時代にこれを絶対殺すマンとして誕生後、メタ上位に食い込み続けるデッキ。マナ加速、土地破壊といった戦略をとるため、先手時の勝率が高いのも特徴です。
相手がメインから採用する《月の大魔導士》や《血染めの月》、3点火力の《稲妻》が青黒ウルザに対して刺さりにくく、脅威となりにくいためメイン戦こちらが先手であればわずかではありますが有利なマッチアップ。デッキ特性上、ハンデスや打ち消しが有効に機能するのもグッドポイント。
サイドボーディング
in:《橋上の戦い》2枚、《仕組まれた爆薬》1枚、《真冬》1枚
out:《虚無の呪文爆弾》1枚、《コジレックの審問》2枚、《致命的な一押し》1枚
サイド後は、《燃えがら蔦》、《沸騰》、《窒息》、《削剥》の影に怯えながら戦います。ジャンドのサイド後に似たところはありますが、ジャンド以上に不利を強いられるゲームです。常に適切なポイントで打ち消しを打てることが勝利のカギです。打ち消し各種と《橋上の戦い》、《真冬》を最適なところで唱えられれば勝てる可能性があります。《霊気の疾風》を入れれば少しマシなマッチアップにはなります。その場合は《思考囲い》と入れ替えでサイドボーディングしましょう。
■ドレッジ
「マジック・ザ・ギャザリング ver.2」の呼び声も高いインチキデッキ。過去には、《信仰なき物あさり》をはじめ、多くの禁止カードを生み出した諸悪の根源。トロンと並んでロンドンマリガンの恩恵を享受しているデッキ。魑魅魍魎が跋扈するモダン環境といえど、4回マリガンしても勝てるのはドレッジぐらいでは。僕は先手で5回マリガンしたドレッジに《叫び角笛》から滅茶苦茶されて普通に負けたことがあります、ありがとうございました本当に。
ちなみに相性でいえばメイン互角・サイド有利です。
青黒ウルザの場合、《飛行機械の鋳造所》によってブロッカーを用意しつつライフ回復を行うことができるため、ドレッジのキルターンをかなり緩めることができます。体感的には妨害なしで3~4ターンのキルターンを6~7ターン程度に伸ばせているといった形です。加えて、メインデッキから《虚無の呪文爆弾》していることもあり、さらにこのキルターを伸ばすこともできます。サイド後はさらに《夢を引き裂く者、アショク》を積めるためライブラリーアウトを狙うことも可能です。ちなみにいずれも相手の上振れで2~3ターンキルとなった場合は為すすべなく散ることとなります、あきらめることも大事。
サイドボーディング
in:《夢を引き裂く者、アショク》2枚、《ゲトの裏切り者、カリタス》1枚、《墓掘りの檻》1枚、《橋上の戦い》2枚
out:《思考囲い》2枚、《剥奪》1枚、《致命的な一押し》3枚
後手番であれば、まずは2ターン目の《安堵の再開》を阻止すること、阻止した後アショクで蓋をすることが安定の勝ちパターンになります。そのほかには、2ターン目までに《飛行機械の鋳造所》《墓掘りの檻》《虚無の呪文爆弾》を設置できる、もしくは3ターン目で《夢を引き裂く者、アショク》、《威圧のタリスマン》経由で《最高工匠卿、ウルザ》《謎めいた命令》を唱えられることが可能なハンドをキープしたいところです。
■赤単果敢
《僧院の速槍》、《損魂魔道士》といった「果敢」を持つクリーチャーを軸に戦うデッキ。ラヴニカの献身で《舞台照らし》を、モダンホライゾンで《灼陽大峡谷》をはじめとした赤含むキャノピーランドと《溶岩の投げ矢》を得たことで、継戦能力と瞬間爆発力を兼ね備えたデッキ。インスタントタイミングの単体除去には弱いものの高い確率して3ターンキルを決められるといった強みを持っています。
青黒ウルザの場合、《致命的な一押し》による除去、《コジレックの審問》による後続クリーチャーの対処、《大魔導士の魔除け》による果敢生物のコントロール奪取など、かなり有利に立ち回れるデッキとなります。
サイドボーディング
in:《橋上の戦い》2枚、《減衰球》1枚、《仕組まれた爆薬》1枚、《真冬》1枚
out:《真髄の針》1枚、《虚無の呪文爆弾》1枚、《剥奪》1枚、《思考囲い》2枚
初手に除去を2枚以上もしくは、《飛行機械の鋳造所》を3ターン目までに出せそうであればキープです。ちなみに《大魔導士の魔除け》も除去としてカウントします。《霊気の疾風》がサイドにある場合は、《精神を刻むも者、ジェイス》や《コジレックの審問》あたりと適当に入れ替えましょう。
■アミュレットタイタン
《精力の護符》と各種バウンスランド(お帰りランド)を《迷える探求者、梓》や《桜族の斥候》で出し入れして一時的なマナ加速を行い、《原始のタイタン》を高速で着地させるデッキ。テーロス還魂記で新戦力《イリーシア木立のドライアド》を得たことで、土地は平地となり山となり島となりなんか滅茶苦茶なことが起きて、アミュレットタイタンに《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》が入ることに。
相性的にはメイン、サイドともに有利。ちなみに《むかしむかし》が健在な時代は微不利でした。
《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》は《イリーシア木立のドライアド》がいなければ噴火しないため、これと《原始のタイタン》を打ち消し、ハンデスで落とせば勝てます。これは山を含まず、アミュレットを含まない「タイタンヴァラクート」全般にも言えることですね。
サイドボーディング
in:《夢を引き裂く者、アショク》2枚、《減衰球》1枚
out:《虚無の呪文爆弾》1枚、《真髄の針》1枚、《威圧のタリスマン》1枚
序盤は、メイン戦同様《イリーシア木立のドライアド》を早期に処理することが絶対条件となりますので、まずはハンデスもしくは《致命的な一押し》、《拘留の宝球》あたりをはキープ基準としたいですね。中盤、《原初のタイタン》が着地する前に《夢を引き裂く者、アショク》を置けるとなお良いです。
■タイタンヴァラクート/タイタンシフト
ここでは《イリーシア木立のドライアド》に依存する(「山」を含まない)《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》デッキを「タイタンヴァラクート」、《イリーシア木立のドライアド》に依存せず、《風景の変容》を用いる《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》デッキを「タイタンシフト」と呼称します。
「タイタンヴァラクート」は緑を含む単色、もしくは2色から構成されます。アミュレットの爆発力を捨てた代わりに幾分「丸い」構成となっているのが特徴です。
「タイタンシフト」は順当に土地を置くだけで《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》からダメージを飛ばすことができるため、バントコントロールなど長期戦を強いることとなるデッキに非常に強くなっています。
両者とも土地サーチを多用するため、アミュレットタイタン以上に《夢を引き裂く者、アショク》の影響を受けやすくなっています。そのため、サイドボードから《不屈の追跡者》などでビートダウンプランを取ることが多いようです。
青黒ウルザの場合、コントロール寄りのデッキとはいえ、「ソプターコンボ」を有すことからライフを安全圏に持っていくことができ、キルターンも一般的なコントロールデッキに比べて速いデッキになっています。そのため《風景の変容》と《原始のタイタン》さえ処理できれば概ね勝てるマッチアップではあります。メインサイドともに有利です。
サイドボーディング
in:《夢を引き裂く者、アショク》2枚
out:《虚無の呪文爆弾》1枚、《真髄の針》1枚、
《イリーシア木立のドライアド》を処理するという点ではアミュレットタイタンと同様。異なる点といえば《減衰球》を必要としない点でしょうか。《威圧のタリスマン》をメインに残しています。
■青黒ウルザ/グリクシスウルザ
《最高工匠卿、ウルザ》をメインに据えたデッキは、この「青黒ウルザ」をはじめとして、様々な亜種が存在します。最近の大会では《湖に潜む者、エムリー》、《ゴブリンの技師》によってコンボ色を強くなっている「グリクシスウルザ」、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を擁する「ティムールウルザ(ウーロザ)」の3種が主なデッキとなっています。
ここではまず、戦術が似る青黒とグリクシスについて解説します。
「青黒ウルザ」(ミラーマッチ)は、ほぼ互角のマッチアップで、《発明品の唸り》によるシルバーバレットや《真髄の針》の指定など、このデッキに対する理解度によって勝敗を喫す形とはなります。ミラーマッチにおける《真髄の針》の指定は、頻度順でいくと《飛行機械の鋳造所》、フェッチランド、《湖に潜む者、エムリー》、《精神を刻む者、ジェイス》となります。まれに《最高工匠卿、ウルザ》を指定することもあります。
お互いかなり「待ち」の戦いになるため、《大魔導士の魔除け》による手札補充を意識して行いましょう。相手の《大魔導士の魔除け》を打ち消してハンドの枚数差をつけられれば、そのまま勝てる場合がほとんどです。
また《最高工匠卿、ウルザ》で産み出される構築物トークンは《大魔導士の魔除け》で奪うことができるので、覚えておきましょう。
「グリクシスウルザ」は、《湖に潜む者、エムリー》と《ゴブリンの技師》によって、墓地への依存度がかなり高くなっています。特に、《湖に潜む者、エムリー》は要注意。《ミシュラのガラクタ》の使いまわしや、《仕組まれた爆薬》による《飛行機械の鋳造所》の破壊から、再設置など2回、3回と効果を使われる度、修復不能なアドバンテージを稼がれることになります。可能な限り見たらすぐ《致命的な一押し》で処理したり、効果起動前に《虚無の呪文爆弾》で墓地をリフレッシュするように努めましょう。
サイドボーディング(青黒ウルザ)
in:《神秘の論争》2枚、《時を解す者、テフェリー》2枚、《夢を引き裂く者、アショク》2枚
out:《致命的な一押し》1枚、《剥奪》1枚、《コジレックの審問》2枚、《威圧のタリスマン》2枚
サイドボーディング(グリクシスウルザ)
in:《時を解す者、テフェリー》1枚《夢を引き裂く者、アショク》2枚、《墓掘りの檻》1枚
out:《コジレックの審問》2枚、《剥奪》1枚、《威圧のタリスマン》1枚
この2種のデッキの大きな違いは、「打ち消しの質」となります。グリクシスカラーの場合、コンボパーツにデッキの枠を割いているため、青黒に比べて打ち消しの量が少ないもしくはない場合もあります。あっても《金属の叱責》を1~2枚程度ですね。そのためグリクシスカラーでは打ち消し呪文の対策を最小限に、墓地利用と《湖に潜む者、エムリー》と《ゴブリンの技師》を咎める形のサイドボードとしています。
■ティムールウルザ(ウーロザ)
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を擁する「ティムールウルザ(ウーロザ)」は、《飛行機械の鋳造所》コンボを完全に廃した武闘派のウルザデッキです。《湖に潜む者、エムリー》は、《ミシュラのガラクタ》や《仕組まれた爆薬》を使いまわし、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》とシナジーを形成するデッキの屋台骨、これを《金属の叱責》などで除去から守りながらアドバンテージを稼ぎ、《最高工匠卿、ウルザ》で介錯する、とそんなデッキです。3色ながら《アーカムの天測儀》があることで無理のないマナベースを実現し、《血染めの月》を搭載するなど、様々なリストが大会で入賞しています。
青黒ウルザにとっては、メインサイドとも有利なマッチアップです。メイン戦、サイド後とも、兎角《湖に潜む者、エムリー》の効果を使わせない戦い方が必須となります。ダメージソースを《自然の怒りのタイタン、ウーロ》と《最高工匠卿、ウルザ》に頼る形となるため、《仕組まれた爆薬》によって《飛行機械の鋳造所》が処理されない限りはブロッカーを生成しこちらのコンボ成立までの時間を稼いでくれるでしょう。
サイドボーディング
in:《神秘の論争》2枚、《時を解す者、テフェリー》2枚、《夢を引き裂く者、アショク》2枚
out:《威圧のタリスマン》2枚、《剥奪》1枚、《コジレックの審問》2枚、《ミシュラのガラクタ》1枚
前述の通り、《湖に潜む者、エムリー》を処理することに徹する形でゲームを進めます。特に《夢を引き裂く者、アショク》は、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を機能不全に追いやることができるため、なるべく早期に押し込みたいカードです。ちなみに3マナのプレインズウォーカーをサイドインする場合は、マナカーブを考えて《威圧のタリスマン》を減らすことが多いです。1枚残しているのは《発明品の唸り》かサーチすることを考えて、といった形ですね。最もこちらが先手の場合は、上振れを狙って残す場合もあるのでそこは臨機応変にしています。
■デス&タックス系統(エルドラージ、白単、石鍛冶)
《レオニンの裁き人》、《スレイベンの守護者、サリア》といったいわゆる「ヘイトベアー」を大量に搭載し、相手の動きを制限しながら戦うデッキ。低い攻撃力を補うために《難題の予見者》などの各種エルドラージや、《石鍛冶の神秘家》を搭載するものが主流。最近だと白単や緑、赤などをタッチしたものもあるなど、使用者の環境への理解度が試されるデッキ。
青黒ウルザにとっては有利なマッチアップ。《致命的な一押し》などの軽量呪文で厄介なヘイトベアーを処理できることが大きな要因。サイド後はさらに《仕組まれた爆薬》や《真冬》を搭載できるといった点も追い風。
戦う際には《レオニンの裁き人》を警戒し、早々にフェッチランドを使うことを意識すると良いです。また《大魔導士の魔除け》で相手の《霊気の薬瓶》が奪うことができます。タックス系統の場合、カウンターを3でキープ場合も少なくなく奪ってから次のターンにノーコストで《最高工匠卿、ウルザ》を出すなど、決まると非常に気持ちがいいです。
サイドボーディング
in:《真冬》1枚、《ゲトの裏切り者、カリタス》1枚、《橋上の戦い》2枚、《仕組まれた爆薬》1枚
out:《思考囲い》2枚、《虚無の呪文爆弾》1枚、《真髄の針》1枚、《精神を刻む者、ジェイス》1枚
《スレイベンの守護者、サリア》について、ちょっとお得な話をしましょう。《仕組まれた爆薬》の「烈日」は《スレイベンの守護者、サリア》で増えたマナコストの色も参照することができます。追加コストを含む2マナで憎き熊たちを吹き飛ばしましょう。ちなみに《橋上の戦い》も似たような感じで、追加コストを「即席」で支払うことができます。マイナス修正の値は減ってしまいますが、タフネス1の《スレイベンの守護者、サリア》であれば大きな問題にはならないでしょう。
★おわりに
ここまでご覧いただきありがとうございました。質問等がありましたら、どうぞお気軽にTwitterのアカウント(@gyyby_mtg297)まで。「この記事面白かったよー」とか「参考になったよー」とかでも中の人は非常に喜びます。あまつさえnoteの支援とかいただけると天に舞うような気持ちになると思います。一定数支援いただければクソデッキを作って記事にするみたいなこともするかもしれません。なにとぞよしなに…
お相手はクォーツ(@gyyby_mtg297)でした、またどこかで!
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