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ここ数日よく聴いている音楽について

この記事は「2023 好きなこと・ものを書く Advent Calendar 2023」12月4日分として書いたものです。



この記事を読むにあたっての注意

注意1

 読みやすさを考えなるべく短く書こうと思っていたのに気が付いたら長くなってしまった。もちろん読んでほしいと思うが時間がない人は目次にある各曲を検索して聴くだけでも筆者としては嬉しい。ただ、大人になると(大人になるって何でしょうね)自分の興味のある音楽以外を聴く機会は減るような気がするのでこれをきっかけにして聴いてみてほしい。一番良いのは目次の各小見出しを読んで気になったもの、もしくはすべてを聴き、関連する曲も聴いてもらえたら筆者として満足である(そしてその感情を何かしらの形で共有してもらえらもっと嬉しい)。

注意2

 自分の性質・傾向として特定の音楽を聴くとそれに関連した音楽を(そのときは)集中的に聴いてしまうので、作曲家や時代、形式に若干の偏りがあるかもしれない。また機会があればいくらでも書くので、最近の個人的な流行りなのね、くらいに思って読んでほしい。

注意3

 関連する文献や映像を全部読みたい(見たい)し列挙したいのだがやりすぎなのでラフに書いている。Wikipediaを参考文献に書くのも気が引けるのだがまあnoteに書いているものだしね良いでしょう、ということで以下本題。

はじめに

この記事を書くにあたって

 この記事は、そのタイトルからわかるように書く内容をかなり限定的なものにしてある。理由は、①冒頭に書いた通りこの記事は「2023 好きなこと・ものを書く Advent Calendar 2023」のために書いたもので、一回で読み切っても違和感のない内容・分量にするため、②音楽は、聴くのも自分で演奏するのも大好きなので内容を限定しないと無限に書けてしまうから、である。
 さらに、年末ということもあるし、触れる機会も多くなる(いわゆる)クラシックに限定して書くことにした。本当は自分のためにももっと体系立てて整理して書いても良いのだけれど、それをやると来年になってしまうし、そこまでの需要はない気がするのでこれくらいにとどめておこうと思って書いていることを念頭に置いて読んでほしい。

簡単な経緯

 先日、テレビから流れてくる音楽をなんとなく聞いているときのことだった。その一部の旋律がどこかで聞いたようなものだったので一生懸命思い出していたらArcangelo Corelli(アルカンジェロ・コレッリ)の『La Folia(ラ・フォリア)』(後述)だということに気が付いた(実際は似ていただけでまったく別の曲だったのだが)。
 思い出したと同時に、この曲は演奏したことがあったのにその意味を知らない(覚えていなかった)ことに衝撃をうけた。演奏したのは小学生くらいだった気がする。もしかしたら教わったor当時調べたのかもしれないが覚えていなかった、あるいはそもそもそんなこと考えずに練習していたのかもしれない。
 良い機会だし、音楽について書きたかったのでひとまず、ここ数日聴いている音楽とその題名の意味や周辺の話をここにまとめることとした

ここ数日聞いている音楽

 以下がここ数日聴いている音楽(の一部)である。読みやすさを犠牲にすることになるが、できる限り原題と邦題および作曲者名と日本語での発音を記載した。自分の師匠からの受け売りだが、こういうところは結構重要な気がするので。
 どの曲についても自分で検索して聴いてみてほしい。普段聞かない人は尚更で、これを機会に聴くことが日常への良い刺激になると思う。ちなみにYoutubeなどからURLをもってくることも考えたのだが、いろいろなバージョンがあるし、著作権などの問題もあるので以降も含めて公式のものがある場合を除き掲載しないことにした。読者の負担にはなるが、ぜひ聴いてみてほしい。

『La Folia(ラ・フォリア)』(Arcangelo Corelli(アルカンジェロ・コレッリ))

 経緯で紹介した曲である。私自身はプレイしたことはないが、Ib(イヴ)というホラーゲームのBGMにも使われていたようである。まず、folia(フォリア、伊)はイベリア半島起源の舞曲で、「狂気」を意味し、もともとは騒がしい踊りのための音楽だったらしい。聴いてみるとわかるが、時代を経て比較的優雅な曲に変化していて、一つの主題のバリエーションが次々に奏でられていくといういわゆる変奏曲の形式になっている。
 作曲者のArcangelo Corelli(アルカンジェロ・コレッリ)はヴァイオリン協奏曲『四季』などで知られるAntonio Lucio Vivaldi(アントニオ・ルーチョ・ヴィヴァルディ)や『ハレルヤ(メサイアのハレルヤ)』で知られるGeorg Friedrich Händel(ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル)よりも20,30歳程上のイタリアの作曲家で、若いころからその才能を発揮し活躍し、成功している作曲家として賛辞を集めたようである。一説には理解あるパトロンがついて創作に集中できたらしい。うらやましい…。

『Violin Concerto No. 1 in A Minor, Op. 77 (ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 作品77)』(Dmitry Shostakovich(ドミトリイ・ショスタコーヴィチ)

 この曲はヴァイオリニストのDavid Fiodorovich Oistrakh(ダヴィット・フョードロヴィチ・オイストラフ)に献呈(作曲家がその作品を特定の個人に捧げること)された作品である。特に第4楽章のBurlesque(バーレスク)が好きで時々中毒的に聴いてしまう。Burlesque(バーレスク)はドイツ語だとBurleske(ブルレスケ)で、どちらも「滑稽な」「おどけた」という意味である。つまり、諧謔的な楽曲のことを指している。
 この曲の詳細や背景等はここではひとまず置いておくことにする。本当は重要なことなのかもしれないが、演奏者としての視点で聞いていたし、それをここに書くには荷が重すぎるので、ここでは演奏者に焦点を当てて紹介しようと思う。この曲に関してはぜひ聴いてみてほしいものがあって、先ほど紹介したオイストラフが演奏した音源がそれである。もちろん他の人が演奏したものも素晴らしいものばかりだし、比較して聴くのも面白いと思うが、オイストラフが演奏したものは必ず聴いてほしい。でも寝る前は興奮してしまうのでやめておいた方がいいかもしれない。
 もっと言うと、オイストラフは多くの作曲家からその作品を献呈されていてこの他にも音源が残っている曲があるのでこれを機に他の曲も聴いてみてほしい。例えば『仮面舞踏会』や『(ガイーヌの)剣の舞』で有名なAram Il'ich Khachaturian(アラム・イリイチ・ハチャトゥリアン)の『Violin Concerto in D minor(ヴァイオリン協奏曲 ニ短調)』は作曲者であるハチャトゥリアンが指揮でオイストラフが演奏したものが残っている。作曲した人が指揮をし、献呈された人が演奏している音源が残っていてそれを聴けることほど喜ばしいことはない。ちなみにこの曲はヴァイオリンではなくフルートにしたフルート協奏曲のバージョンもあるので関連してそれも聴くと世界が広がる気がする。おすすめはエマニュエル・パユ演奏のもの。

『Le Tombeau de Couperin(クープランの墓)』(Joseph Maurice Ravel(ジョゼフ・モーリス・ラヴェル))

 先にあげたショスタコーヴィチやハチャトゥリアンの曲を聴くと興奮してしまう(であろう)と思うので、少し落ち着ける曲をあげてみた。『クープランの墓』は『ボレロ』で有名なラヴェルの作品である。話は少しそれるが『ボレロ』はよく知られた有名な曲だし、何年か前に東急ジルベスターコンサートでバレエ界の天才シルヴィ・ギエムが躍っていたのを見ることができたのは本当に感動した(できるならば生で見たかった)。ちなみに今年の東急ジルベスターコンサートはチャイコフスキーの交響曲第5番第4楽章らしい。チャイコフスキーなら、、、(またいろいろ書きたいのをこらえながら話がとんでしまうのを防ぐためにEnter keyを押す音)。
 話を『クープランの墓』にもどす。この曲は第一次世界大戦で犠牲となった友人の追悼のために書かれた曲である。Prelude(プレリュード)、Fuga(フーガ)、Forlane(フォルラーヌ)、Rogaudon(リゴードン)、Menuet(メヌエット)、Toccata(トッカータ)の6つの曲で構成されており、各曲は特定の個人に捧げられたものである。ピアノ版と管弦楽版があり、クラリネットのアンサンブル版などもある。まずはピアノ版を聞いてみてほしい。個人的にはPrelude(プレリュード)とToccata(トッカータ)が好き。

『Daphnis et Chloé(ダフニスとクロエ)』(Joseph Maurice Ravel(ジョゼフ・モーリス・ラヴェル))

 これも先にあげたラヴェルの楽曲(バレエ音楽)で、ロンゴス著の同名の作品がもととなっている。初演はミハイル・フォーキン振付のバレエで、同時期にClaude Achille Debussy(クロード・アシル・ドビュッシー)の『Prélude à "L'après-midi d'un faune"(牧神の午後への前奏曲)』がヴァーツラフ・ニジンスキーの振り付けで初演されるとその裏に追いやられてしまったようである。なぜならニジンスキーによる『牧神の午後』の初演はスキャンダラスなものであったからである。詳しくは人を選ぶので書かないが、興味がある人はWebで漫画が読めるようなので『牧神の午後』(山岸涼子)を読んでほしい。
 先の二作を聴いてラヴェルに興味をもったなら、

  • 『亡き王女のためのパヴァーヌ』

  • 『ピアノ協奏曲 ト長調』

  • 『ツィガーヌ』

  • 『水の戯れ』

  • 『マ・メール・ロワ』

  • 『道化師の朝の歌(鏡(組曲))』

  • 『古風なメヌエット』

も聴いてみてほしい(邦題のみ記載)。『亡き王女のためのパヴァーヌ』は聞くたびに泣いてしまうような曲だし、『ツィガーヌ』はかっこよすぎる。『ピアノ協奏曲ト長調』の第3楽章は鞭の音があったり「ゴジラ」のテーマのもととなった楽しい曲なので一聴の価値ありである。

『Libra Sonatine(リブラ・ソナチネ)』(Roland Dyens(ローラン・ディアンス))

 なるべく幅広く紹介しようと思っていたのに夢中になって書いていたら偏ってきてしまったのでこの曲を紹介。クラシックギターで演奏されているがジャズやロックのような曲である。3.Fuoco(3、フォーコ)はかっこいい(興奮してこの記事を書いていたら疲れてしまったので語彙力が失われている)。作曲者本人が演奏しているものもあるが、村治奏一演奏のものが好きでよく聞いている。

その他

 ここまできて、関連したものを含めて書き出すといくつでもあげられてしまってキリがないので以下残りの曲を列挙するにとどめることにした。

  • Ab Ovo(はじめから)』(Joep Beving(ユップ・ベヴィン)

    • Ab Ovoはラテン語で最初から。ab(離れて、~から)、ovo(卵)で卵から→最初から。ユップ・ベヴィンは「優しき巨人」(身長が2m以上ある)とよばれ、癒しのピアニストらしい(この記事を書くために調べるまで知らなかった)。 

  • 『Canon a 3 Violinis con Basso c. / Gigue(3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調)』(Johann Pachelbel(ヨハン・パッヘルベル))

  • 『The Rite of Spring(春の祭典)』(Igor Fyodorovitch Stravinsky(イーゴリ・フョードロヴィチ・ストラヴィンスキー))

    • クラシックを聴いていると通る道だと思う。前衛的な音楽やバレエの振り付けは衝撃的なので必聴の音楽である。ついでに『火の鳥』や『ペトルーシュカ』も聴いてみよう!

さいごに

 これを書いているとき、何かを書くことに対して無限に時間をかけられるので制限時間を設けないと(そして内容を限定的なものにしないと)いけないなと反省した。と言いつつ何度も加筆修正してしまった。今回の記事はその対象を考えると(興味がない人が大半な気がするので)少し長すぎるかもしれない。noteで書くのにも慣れてきたので少しずつより洗練されたものを書いていきたい。

pruのFFさんでここにある曲を聴いて他にどんなおすすめの曲があるか興味を持った人(もしくはもともと興味のある人)は、X(旧Twitter)で聞いてもらえればいくらでも紹介できると思う(メンション、リプライ、DM等で)。また、何か書いてほしいテーマなどがある方がいれば教えてほしい。Adventarの残りに何を書くのか迷っているので笑。

※Adventarの各記事への個人的な感想は最後にまとめて書くつもりだが、簡易版としてここにまとめてある。


参考



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