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2021年3月現在のシンガポールの状況と入国事情

2021年2月24日の
 福田萌が驚愕…住む場所がない!「シンガポール移住」直前にまさかの大事件の記事の影響なのか、
記事が掲載された後の2,3日間は、
当社のサイトのアクセス数が通常の3,4倍になりました。
マスコミの影響って本当に大きいですね。


記事に書かれていることに関しては、
シンガポールで移住サポートのお手伝いをしている私からすると、
「そんなこと、あるわけが無い!」とツッコミを入れたくなりましたが。

でも、きっと日本に住んでいる人は、
あの記事を100%信じてしまうのだろうなと、思ってしまいました。

現在のコロナ渦の状況下、
日本で収集できるシンガポールの情報って、
一体どんなものがあるのだろうと思い、
調べてみたところ、かなりいい加減なものが多いことが判明。

皆さんの誤解を解くために、
そして、シンガポールへの移住を近々検討されている方のため、
今回は、シンガポールの現在の状況を説明しているサイトをピックアップ。

その中の ”ここが変だよ” というものについては、
私からの説明を加えてみました。

やっぱり大使館情報は信頼できる!

「シンガポール入国情報」でググって見ると一番最初に出てきたのは、
在シンガポール日本国大使館 - Embassy of Japan in Singapore
さすがにこちらの情報はかなり正確。

1 現在、シンガポールの長期滞在パス(労働パス及び帯同者パス(EP,S Pass,DP等)を含む)を持っている方以外、日本からシンガポールへの入国はできません。

ただし、上記の情報は少しだけ異なります。
入国できるパスの中に「スチューデントパス」が抜けていますね。

通学予定の学校から移民局(ICA)にスチューデントパスを申請。
申請が通ればシンガポール入国の許可を申請する事ができます。

また、スチューデントパス取得予定のお子さんが小さい場合、
保護者の入国はMOEへ申請することで認められます。

そうです。
入学希望の学校がスチューデントパスの申請をしてくれて、
申請が通れば、
シンガポールへの入国は可能なのです。

あと、長期的なパスを所持していなくても入国できる場合はあるので、
この書き方はちょっと正確を欠くのかもしれません。
ただ、本当に記述の仕方って難しいので、偉そうな事は言えません。

一番気をつけなくてはいけないのは、
たとえ、入国の条件が整っていても、
必ず事前に政府の関係官庁から
事前承認を取り付ける必要があるという事。

大使館のページにも、
はっきりと下記のように注意事項が記載されています。

承認を得ずにシンガポールに到着した場合、滞在パスの永久剥奪等の処分の対象となります。

日本のように法的拘束力の無い、ゆるゆるコロナ対策と違い、
シンガポールのそれはとても厳格です。

そのあたりはきちんと理解しておく必要があるでしょう。

ただし、それを拡大解釈して、
いい加減な情報を流している所もあるので、
注意が必要です。

大使館のページ最後の方まで読んで行くと
・Student’s Pass, Long-Term Visit Pass保持者の(再)入国承認について
という項目がありました。
スチューデントパスの記載を、忘れていたわけではないのですね。
ただ、ちょっと見つけづらいかもしれません。

あと、Long-Term Visit Passはシンガポール入国後に申請が可能です。
保護者の方がシンガポールへ入国するときは、Long-Term Visit Passホルダーとしてでは無く、あくまでもお子さんの付き添いというかたちになります。
お気をつけ下さい。
大使館のページの書き方だと、ちょっと誤解を招くかもしれません。

でも、他のサイトに比べると、さすが大使館。
最新の情報が載っているので、こちらを参考にするのが一番ですね。

シンガポール航空と、シンガポール観光局のページ


では、次に大使館以外のサイトを見ていきましょう!

私のPCで2番目と3番目にヒットしたのは、
シンガポール航空のページシンガポール観光局のページです。

シンガポール航空のページ

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当たり前と言えば、当たり前すぎることが書いてあります。

でも、きちんと最新の情報。
しかも、日本在住の日本人には直接関係無い事も、
日本語できちんと情報提供しているのはさすがです。

今回のコロナ渦で、
創業以来の逆風にさらされているシンガポール航空。
頑張れ!

入国制限について
最終更新日 2021年2月16日 09:15(GMT+8)

多くの国では、新型コロナウィルス感染拡大防止のために、入国条件と入国制限が実施されています。 ご旅行を予定されているお客様は、旅程のすべての国の渡航情報を確認し、最新の条件を満たしていることを確認してください。以下の項目に該当するお客様は航空機へご搭乗いただけません。必ず医師の診察を受けてから旅行を再度ご検討ください。:
次の症状のいずれかに該当する:発熱、咳、鼻水、喉の痛み、無嗅覚症、または息切れ。
過去21日間にCovid-19と診断された、または疑いがあった。
過去14日間にCovid-19濃厚接触者と接触した。


シンガポール観光局が発信する、新型コロナウイルス最新情報のページ

”最新” と謳ってはいるものの、
更新日が2020年9月なのは、ちょっと残念ですが、
それぞれのリンクは最新のページに飛ぶので、
そちらから情報収集する事はできます。

ページの最後にコロナ関連の保険のリンクが張ってあったので、
さすがシンガポールと思ってしまいました。

一日も早くこのページが更新される状況になること、
祈らずにはいられません。


ちょっと違うかなと思った、日本語のシンガポール事情

さてさて、前置きがものすご~く長くなってしまいましたが、
ここからが本題(?)です。

正確そうに書いているけれど、ちょっと違うよ
というページをご紹介。

シンガポールにはいつから行ける?|コロナ時代の海外渡航 ...
「新型コロナ × 海外旅行・海外出張情報サイト」編集部️がアップしているサイトです。

政府系のサイトと違って、
視覚的にとても見やいし、理解しやすいのですが、
最新更新日が2021年3月1日となっているのに、(この記事を書いている時点)情報事態はそれほどアップデートされていない様子。

特に下記の記載では、現在も日本とのビジネストラックがあるかのような書き方をしていますが、日本側が2020年の年末からの国内感染者増加を受け、いきなりビジネストラックを中止したので、シンガポール側もそれに準じて現在は中止しています。


例外的な枠組みとしてビジネス目的での往来を可能にするビジネストラックが運用されており、ビジネス目的での入国は可能。

記載が不明瞭

緊急事態宣言が解除されるまでの間、全ての国・地域からの外国人の新規入国は、ビジネストラック・レジデンストラック等の特別措置を含め一時停止しています。

この書き方では、ビジネストラックとレジデンストラック(という言い方するのか?)以外は全面禁止のような記載ですが、正確にはそれ以外の人も入国は可能です。
ただし、入国には必ずシンガポールの政府の許可必要となります。

これは、完全にシンガポール事情を知らない人が二次情報を手がかりに記事を書いているというのがわかりますね。

表は見やすいのに、ちょっと残念!

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特に私が残念だなと思ったのは、”シンガポールでの滞在情報” という表に記載された内容です。

「ソーシャルディスタンス」の記載で
ホテル、カフェ、レストラン、ナイトクラブには規制が無いと書かれています。

そんな訳あるはずが無い!

ついこの間も、日本食レストランがソーシャル・ディスタンスを守らなかったという事で、罰則を受けています。

規則を違反したお店や人々に対しての取り締まりは、
シンガポールは市中感染者がほぼ0になった現在でも、厳しいです。

間違った情報を広めないためにも、
ここだけは是非とも、すぐに修正してもらいたいです。

日本だけで無く、世界の情報もかなり事実と違うことを発見!

日本のシンガポールに関する情報は、コロナ渦に限らず、
英語の一次情報を直接日本語に訳しているものが少ない事から、
以前から、かなりあやふやのものが多かったのですが、

コロナになってびっくりしたのは、
英語メディア、しかもかなり有名なメディアが間違った情報を世界的に発信していることです。

あまりにもひどすぎるぞ、ウオールストリートジャーナル!

この記事が出た2020年10月は、シンガポールが
フレーズ2といわれるロックダウン解除後の次の段階へ以降して、
3ヶ月が経過した頃。

市中感染者は減ってきたものの、ロックダウンが解除されただけで、
まだまだ平常時には遠いと感じていた頃です。

そこに飛び込んできた、
”リッツカールトンで封鎖:隔離ホテルの抽選で勝利”
というなんかふざけた感じのタイトルの記事。

https://www.wsj.com/articles/locked-up-in-the-ritz-carlton-winning-the-quarantine-hotel-lottery-11599503831

内容を読んでびっくり!

ものすごく意訳をすると、
運が良ければ、最高のホテルライフを無料で送ることができるから、
宝くじを買うつもりになって、シンガポールに行ってみてはいかが?
というような、まだまだ神経質な状態であった私にとっては、
ちょっと気分が悪くなるようなものでした。

This is Singapore’s quarantine lottery,
ですよ~!

この記事には、完全に事実無根の内容がてんこ盛り!
海外からの入国は、現在と同様に制限されていたので、
誰でも入国できたわけではありません。

それに、当時も2週間の隔離期間の費用はもちろん本人負担で、
決して無料ではありませんでした。

はっきり言って、
なぜシンガポール政府が文句を言わなかったかというレベルです。
記述が正しくなくても、悪いことは書いてなかったからでしょうか?

後日訂正の記事も無いまま、
「コロナの今なら、シンガポールへ行くと、運が良ければリッツカールトンに3食付き無料で泊まれるぞ!」
という記事が世界中に広まっってしまったのでした。

この記事の存在を知ったとき、
日本のマスコミだけじゃ無く、外国の大手も信用はできないんだと思いました。

コロナをきっかけに、私のマスコミ不信はどんどん深くなります。

シンガポールへの入国条件は日々変更されるので、
役所の人でも把握していない?

シンガポールの政府は、国内の感染者を0に押さえつつも、経済が回っていくための政策を模索し続けています。

もともと資源を持たない小さな島国なので、他国との交流は必須です。

なので、正式な数は把握できませんが、海外からの入国者数も、以前と比べて、かなり増えていることは確かです。

安全を確保しながら、門戸を開く準備を行うため、状況に応じてめまぐるしくルールを変更。

中には役所の人も完全に把握していないのではという場面にも出くわします。

例えば、入国の条件も出国した国によって細かく分類され、
且つその分類も頻繁に変更になります。

隔離の期間が、入国直前の国によって異なる

「隔離免除国」
感染者が限りなく0に近く、その国がコロナ押さえ込みに成功していると見なした国からの入国者は、隔離は免除となります。

2021年現在隔離免除の国は下記の5カ国です。
オーストラリア
ニュージーランド
台湾
中国
ブルネイ

ベトナムも以前はこのカテゴリーだったのですが、
2021年の年明け頃から、感染者が新たに発見された&感染拡大の恐れがあるという事で、
2021年2月12日以降は14日間の隔離となりました。


「隔離7日間の国」
感染者数がかなり少ない国からの入国は、「通常14日間の隔離の期間を7日間に短縮」

現在隔離期間が7日間の国はマカオのみとなっています。

「21日間の隔離が必要な国」
一方、コロナウィルスの異変株が発見されたイギリスと南アフリカからの入国に際しては、
2021年1月18日から14日間のホテル等での隔離後、さらに自宅で7日間の隔離が義務づけられました。

シンガポールの規制は、このようにめまぐるしく変わります。

下記のように、"immidiate effect on 1 March 2021" =3月1日から実施。みたいな感じで即日新ルールに移行する事も頻繁にあります。

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また、ICA(移民局)とMOM(人材開発省)では、それぞれのグループの呼び名が違ったり、かなりややこしい事になっています。

頻繁にルールが変わるため、各省庁のホームページも複雑になっており、
ググってもほしい情報にすぐにはたどり着けません。
本当に政府の情報に目を光らせていなければいけません。

情報が多すぎるので、
これから少しづつ、整理して
シンガポールの入国ルールについて、ご紹介していきますね。

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