「旧国名+谷」を調べてみた

 仕事中、ふとある書類に目が留まった。そこには、「旧国名+谷」からなる名字が記載されていた。それはかなり珍しい名字で、それから以前同僚とした会話が思い出された。

 それは何かの書類に「越前谷」さんという名前が記されていたときのことだ。
「本当に越前谷さんなんて名字があるんだね」
「ウチの町に越後谷さんいますよ」
「……越中谷さんはいるのかねえ?」

 名字と言えば名字由来.netだ。さっそく調べてみると、やはり越中谷さんはいた。

 そのときの会話では適当に思いついた旧国名に谷をつけて検索をしたのだが(その前に仕事をしろ)、今日は網羅的に調べることにした。ちなみに旧国名に関しては筑摩書房さんの「旧国名・都道府県名対照図」を参考とさせていただいた。この際、明治に入ってから生まれた陸中、陸前、磐城、岩代、羽前、羽後は除外した(それらの国名+谷の名字はいずれも0人だった)。また、北海道の各国名も除外した。
 人口のデータはもちろん名字由来.netを出典としている。

調査結果

 このうち、上野谷さん、下野谷さんに関してはこうずけ、しもつけとは読まないので、旧国名の上野、下野とは関係がないのかもしれない。

 ここでちょっと面白いことがわかるのだが、

道別人数

北陸道の国名+谷が、圧倒的に多く、西海道の国名+谷は全体で100人もいないと見積もられているのだ。北陸道の国名+谷は圧倒的多数の加賀谷さんを除いたとしてもやはり北陸道が1位になるほど多い。

 これには何か理由があるのだろうが、そういう深い部分の考察はどなたかにお任せするというか、多分もう誰かが調べているだろう。

 以上だ。


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