第1回ルールでっち上げリレー

ルールでっち上げリレーというのを思いつきました。

ルールでっち上げリレーとは

・問題を作る
・作った盤面が唯一解になるような、別のパズルのルールを考える

以上を繰り返してつなげていくという遊び。

試しにやってみます。

1-A

ビルディングパズルからスタート。

ビルディングパズルのルール

・すべての白マスに数字を入れる
・すべての列に1~N(盤面の辺の長さ)がひとつずつ入る
・数字を「ビルの高さ」とみなす
・周囲の数は、その方向から水平に見たときに見えるビルの個数を表している


最初なので、でっち上げやすいように、4×4の小サイズでいってみる。

上下左右に1つずつヒントが入って、1~4のヒントがひとつずつで、余剰ヒントなし、くらいの制約で作ってみようか。



できた。

画像1

ぱずぷれで解く

・・・既出問題だろうなぁ、これ。
オリジナリティは追及しない。作問フェイズでも創作ルールフェイズでも。

1-B

できた。

画像2

Magic Order

・各列に1~4の数字をひとつずつ入れる。
・タテ列に入った数字を上から下に読むと、4ケタの数として読める。同様に、下から上に読んでも、4ケタの数として読める。
・ヨコ列に入った数字を左から右に読んでも、4ケタの数として読める。右から左に読んでも、4ケタの数として読める。
・このようにして、4ケタの数が16コできあがる(上下左右それぞれ4列ずつ)。この16コの数は、すべて異なる数になっていなければならない。
・16コの数を小さい順に並び替える。周囲の数は、その方向から見た「4ケタの数」が、小さいほうから数えて何番目になるかを表している。


Penpa-edit で解く
https://opt-pan.github.io/penpa-edit/?m=solve&p=bY85CwIxEIX7/Iypp9gcuytpPSqx8EAkBLEQG3E9sDBh//tO3hbbyPC+hI/MDPm8vpf3lRspO+OKtZRpGkQ7V6JCkVJRBdLEZCSaospp63M6+xB7TofpuvNZuPGZTE0ePRodTM4U4SZRt0XYSbSuCFkxChmkMe4ErkAD7mUbJwsuwKqQnt39d+seMkbUGk+X4BGcg07YKxWsHf/G7f8zDg==&a=RY3NCYQhFAN78ZzLfvlpRuy/DTUeFh6EGUacc+F/g8Q3MCjwjvG7E+iMWJIeuaXS0qy0Ku0n0wdhKXrklskp76drAw==

試行錯誤の必要もなく、一発ででっち上がった。

2-A

Magic Order は、Melon's Puzzles にある問題がお気に入り。

自分で Magic Order を作ることは考えたことがなかったなぁ……、どんな問題にしようか。



できた。

画像3

Magic Order

・各列に1~5の数字をひとつずつ入れる。
・タテ列に入った数字を上から下に読むと、5ケタの数として読める。同様に、下から上に読んでも、5ケタの数として読める。
・ヨコ列に入った数字を左から右に読んでも、5ケタの数として読める。右から左に読んでも、5ケタの数として読める。
・このようにして、5ケタの数が20コできあがる(上下左右それぞれ4列ずつ)。この20コの数は、すべて異なる数になっていなければならない。
・20コの数を小さい順に並び替える。周囲の数は、その方向から見た「5ケタの数」が、小さいほうから数えて何番目になるかを表している。


Penpa-edit で解く
https://opt-pan.github.io/penpa-edit/?m=solve&p=jY89C8IwEIb3/Iybb0ia2tasfkzi4AciIYiDuIj1AwcT+t/75gp2lbf3cDzcXej7+Tm/LlwjtmHNBrG6lKo0PuWzQoLyZIipQBkKKsWNS/HkfOg47sd26xK4domKmpynkrCdN5gmIppRVDYLo0czHcxvBqeMHDwKl8JCuMN7HK1wLtSZ9Ghv32t7xx2olYwuhAfhTFiCnVLeVsPfIfV/XegB&a=RY7LCcAwDEN3ydmHxP/OUrr/Gq2lQyEgLL0Hue9H/rcsxZcsK7GJljNxSXzhW3SieDVIv0AGtzgQonnRyw0yuaVCSHq1UdaBUAqyDF5za26tLA1e+0fOn58X

こういう無茶な配置のヒントでも唯一解になってくれるのは、このパズルならでは。

2-B




もしかして詰んだ?

画像4

どうすんだこれ。まさか自分自身に無茶ぶりされるとは。

こういう無茶な配置のヒントでも唯一解になってくれるのは、このパズルならでは。

ホントだよ!!

素朴なラテン方陣では絶対に唯一解にならない。
ヒント数字が合成数だから、積をテーマにしたくなるところだが……。
白マスに数字を入れるルールで、手前数マスの積を表す……? いやしかし、各列に1~5がひとつずつとはいかない……、白マスに自由に数字を入れていいルールだと、ヒントのない列がどうにもならない……。
四角形の面積? いや18がどうにもならない……?
4=2×2、8=2×2×2、10=2×5、18=2×3×3、因子の合計が25になって盤面サイズと一致するから、このテーマでごり押せるか……??



(後日)



できた!

画像5

右折プレース

・盤面のいくつかのマスに丸を入れる。
・数字のところからスタートして、矢印の方向に歩いていく。なにもないマスでは直進し、丸のマスでは右折する。
・数字は、盤面の外に出るまでに通るマス数を表している。同じマスを何度も通るなら、通るごとに毎回カウントする。


Penpa-edit で解く
https://opt-pan.github.io/penpa-edit/?m=solve&p=jZA9a8MwEIZ3/Yybb9CHbTka+5EuoUM+CEEI46FkKXXrUkok/N99OuManKW81oN4kN5D/v76afs3tBRTo0RFMbLgVUn6hM+KEoQHBQialoIgUty7FBvnw4DxtGwPLhFfXQJtwXkogG7nGwgli3oRlclCycVsJvN3hqoUF17mQovQ9n332zw0L4B6ri3vNJdTy0rzBLPSNGDLYzTzSE/BaJhPTJkJn9377dp9UAGpHR99Zp6Zj8yCOAjhTTX9OIr93y6M&a=Vcg9CsBACITRu1hbxKx/KXOOxftfQ4KzRWDg8c3exb/RcpaXmPSCz2hok9HRjg50nL7HxJ8L6mdVAw==

たぶんオリジナルルール。激作塾の時代に存在しててもおかしくないルールだけど、どうなんだろう。

こういうルールは、「右折 or 左折」「マス数のカウント or 距離」などの細かいルールを調整できるので、意外と唯一解になりやすい。

とはいえ、このシンプルなルールで唯一解になったのは、かなりの幸運だったと思う。
「どの丸も、少なくとも1回は踏まれる」というルールは絶対必要だと思っていた。実際、似たルールの稲葉パズル「インヴェーダー」は、そのようなルールをもっている。

最悪、「丸の個数は必要最小限にする」というルールにしようかとも思っていたくらいだ。「必要最小限」のようなルールは強引に唯一解に導くパワーを持っているので、でっち上げ界では禁断の技とされている。

3-A

「どの丸も、少なくとも1回は踏まれる」というルールは絶対必要だと思っていた。

そうなんだよなぁ……、そのルールなしではなかなか唯一解にならないだろうなぁ……。

さて、どう作ったもんかね。



できた。

画像6

盤面の中にヒントを置いてみた。そのため、ルールの表現が一部変更されているので注意。

右折プレース2
・いくつかの白マスに丸を入れる。灰色マスには丸は入らない
・数字のマスから、矢印の方向に歩いていく。丸のあるマスでは右折し、それ以外のマスでは直進する(灰色マスは直進)
・数字は、スタートしてから盤面の外に出るまでに通るマス数を表している。同じマスを何度も通るなら、通るごとに毎回カウントする。
スタートの次のマスから数え始める

Penpa-edit で解く
https://opt-pan.github.io/penpa-edit/?m=solve&p=bZDPSscwEITveYw976GbtNDm6k9P4sE/iIRQeihVEKtVERP67p1uDR6Uab4N08k09P3tc1hGriHXcsWyq8PE6gSPCRVsKJpAQkwWSyianK59Tr0PceV097u98ZlsS94xuQYD1tWPhQKcFj1/vIVTFwdB8Rl8KPHyaZXgCkzDssxf/fg0PX4Q29KiQQSK/gZRe6HlVnmLu3JyypOy2kmv8/P3NL+gEtalRs+V98ozZQ2uxgRpj9/Fzf8zbg==&a=VcjBCcBACAXRXjx7+asJu8fUIfbfhoTMJTDwYKraf5m26zE3nc8lvJEfifwM5Of12j0=

3-B

画像7

無題

・すべての白マスに、1~4のいずれかの数字を入れる
・同じ列に同じ数字を重複して入れてはいけない
・灰色マスの数は、そのマスと上下左右に隣接する最大4つの白マスに入る数字の合計を示している
・矢印は、灰色マスから上下左右4方向を見比べてみたときに、白マスに入る数字の合計が最も大きくなる方向をすべて示している


Penpa-edit で解く
https://opt-pan.github.io/penpa-edit/?m=solve&p=bZDPSscwEITveYw976GbtNDm6k9P4sE/iIRQeihVEKtVERP67p1uDR6Uab4N08k09P3tc1hGriHXcsWyq8PE6gSPCRVsKJpAQkwWSyianK59Tr0PceV097u98ZlsS94xuQYD1tWPhQKcFj1/vIVTFwdB8Rl8KPHyaZXgCkzDssxf/fg0PX4Q29KiQQSK/gZRe6HlVnmLu3JyypOy2kmv8/P3NL+gEtalRs+V98ozZQ2uxgRpj9/Fzf8zbg==&a=RY1BCgAhDAP/0nMOW5vV9S3i/7+hbQ4LhWFCQtfa+M/8QxjMJ/yiPWgJBxNdNmSzmsGy6LJROzYhKqQqfO883+wD

今回は、「盤面→ルールでっち上げ」の順番ではなくて、先にルールを用意してから Dual 問題をつくっていた。
リレーを次につなげるための布石のつもりで、人工的なルールにしてみた。

4-A

数字なしで作った。これで次のでっち上げがラクになるぞ。

画像8

無題

・すべての白マスに、1~4のいずれかの数字を入れる
・同じ列に同じ数字を重複して入れてはいけない
・矢印は、灰色マスから上下左右4方向を見比べてみて、白マスに入る数字の合計が最も大きくなる方向をすべて示している
・(灰色マスの数は、そのマスと上下左右に隣接する最大4つの白マスに入る数字の合計を示している)

Penpa-editor で解く
https://opt-pan.github.io/penpa-edit/?m=solve&p=jY8/SwQxEMX7fIypp0hmd+VMe2olFv5BJITjELERo1lETLjvfm9mD2wWkdn8Jsy+vLzMn1/7+sITatiw54AS2dgaPT6XPMao7BIFYhKsQNn1dht728WUD9wefrd3sZN4igPTIEs7tzYu7Uz/QXcTOxiMT6czyS5Dhsy0r7V8755rmWdiwUDdUgqnNGsCXKAO+oZVgSZQB/NYE2i2PwRIemV5xXiPB3MbjBdGr6SP8vbzWt5hhdG1SS+Nj8atcQQPziVZ8mpN/9vlIw==&a=RY7BCUUhDAR78ZyDZpOv1iL234Y/u4cHgSGTETzn2jfNh6FZczcvwKIQNgqbQKeESoAlFrfoTGJQhrOMKSzKVJJ6nj/JKblY5v7f6kP3AQ==

4-B

できた。

画像9

隣接禁止の Pointing at the Crowd

・いくつかの白マスを黒く塗る
・黒マスは縦横に隣接不可
・矢印は、上下左右4方向を見比べてみたときに最も多くの黒マスが入る方向をすべて示している

Penpa-edit で解く
https://opt-pan.github.io/penpa-edit/?m=solve&p=jY8/SwQxEMX7fIypp0hmd+VMe2olFv5BJITjELERo1lETLjvfm9mD2wWkdn8Jsy+vLzMn1/7+sITatiw54AS2dgaPT6XPMao7BIFYhKsQNn1dht728WUD9wefrd3sZN4isI0yNLOrY1LO9N/0N3EDgbj0+lMssuQITPtay3fu+da5plYMFC3lMIpzZoAF6iDvmFVoAnUwTzWBJrtDwGSXlleMd7jwdwG44XRK+mjvP28lndYYXRt0kvjo3FrHMGDc0mWvFrT/3b5CA==&a=VcfBCQBBCEPRXnL2MnGWxVqC/behOQ58HnwJPAgwTS3pvTT/8hU69NQD

ハニカム盤面で作ると、隣接禁止ルールが活きるかもしれない。
残念ながら自分は Excel で作問する人間なので、ハニカムには非対応。

隣接禁止ルールが気に入らないので、もう一個でっち上げる。



できた。

2つ見えるビルディングパズル

・すべての白マスに、1~4のいずれかの数字を入れる。
・同じ数字が同じ列で重複してはいけない。
・数字をビルの高さとみなす。灰色のマスから水平に矢印の方向に見たとき、ビルが2つ見えるようにする。ひとつのマスに複数の矢印があるときは、それぞれの方向で2つずつ見えなければいけない。


Penpa-edit で解く
https://opt-pan.github.io/penpa-edit/?m=solve&p=jY8/SwQxEMX7fIypp0hmd+VMe2olFv5BJITjELERo1lETLjvfm9mD2wWkdn8Jsy+vLzMn1/7+sITatiw54AS2dgaPT6XPMao7BIFYhKsQNn1dht728WUD9wefrd3sZN4igPTIEs7tzYu7Uz/QXcTOxiMT6czyS5Dhsy0r7V8755rmWdiwUDdUgqnNGsCXKAO+oZVgSZQB/NYE2i2PwRIemV5xXiPB3MbjBdGr6SP8vbzWt5hhdG1SS+Nj8atcQQPziVZ8mpN/9vlIw==&a=RY7RDQAhDEJ38bsftrR33izG/dcwhY9LTAjwFPc+9p8Rbhg2IixbYNGS5i0fO0w6ODuAJBbDnETSGWYQyVdu0ZWul4bqUSik9Er1UH/oXA==

うーん、「2つ見える」ってのが、どうにも恣意的だ。

ビルディングパズルにはじまり、ビルディングパズルにおわる、ということで、短いですがここでいったんおしまいとします。

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