例の文化祭脚本、大公開。

コロナ禍で行われた、一度きりの祭りのために創作した物語。
凍てついた青春を、取り戻す。笑いあり、風刺あり、シュールありのるるワールド。

ここは開会式。何事もなく、いよいよ始まろうとしていたその時……。

委員A「閉式のことば。お願いします」
委員B「これにて、開会式を閉式いた」

コロナ「ちょおっとまったああ!!」

声の主は王のような装束に身を包んだ大柄なコロナウイルスだ。向こうから走ってきてあっという間にステージ上に駆け上がる。

B「えっ!?」
コロナ「ゔぁあああ俺様はCOVID-19だあああお前らを駆逐してくれるわあああ」
B「・・・・・・これにて、開会式を」
コロナ「まてええ!!!!」
B「はっ!?誰ですかあなたは!」
コロナ「・・・ゔぁあああ。俺様はCOVID-19だあああ」
B「こびっど・・・・・・?ははは、いませんよそんなの。これにて」
コロナ「だあかあらあああ!!」
B「なんなんですか!?」
コロナ「(迷う)・・・ゔぁあああ。俺様は(時短主義→)コロナだ!」
B「お帰りはあちらです」
コロナ「待てって!俺様はクラスターを引き起こしにこの学校に来てやったんだぜ!!ははは!!」
B「皆さんどうしましょう、○○祭が始まりません」
A「(低く)フッフッフッフッフッフ」
Bとコロナ、不審がる。
A「フッフッフっはっは!!(クレッシェンド)」
驚いて放送席を見返ると、マイクに向かって勝ち誇るA。
A「甘いぞコロナめ!」
コロナ「なんだと!」
A「いいか、よーく聞けCORONAVIRUS」
発音の良さにおぅ・・と微妙な反応になってしまう一同。
A「この会場はごりごりに感染対策されている!つまり、お前の立ち入る隙はない!」
コロナ「なんだって!?(Bに)おいお前、本当か!?ごりごりなのか!?」
B「あ、近づかないでくれます?」
コロナ「ええ!?」
B「あ、消毒液使います?」
コロナ「ヤメテ!?」
B「あ、マスク食べます?」
コロナ「いやあああごりごりじゃああああん(倒れる)」
A「そうだ、GORIGORIだ」
B「(コロナに)あなたもフェイスシールドしてますよね」
コロナ「違う、これは、その、ファッション、だよ、いいだろ俺の話は」
A「あーそう。まあいい、どうだコロナめ!……相手が、悪かったな!」
コロナ「・・・ふん。いいもん。だったら相手を良くしてやるよ!」
B「どういう意味?」
コロナ「今のお前らには俺じゃかなわない!だからお前ら全員、一年ちょっと前の世界に戻してやる!!」
B「えっ、それじゃあ・・・」
A「コロナが上陸したばっかりの日本に戻るってこと??」
コロナ「そうだ!!時を戻そう(ぺこぱ風)」
A「流行を取り入れるな。ウイルスの分際で」
B「時を戻す、って、それはまずいよ!だって、あの頃は・・・」
コロナ「問答無用ーー!!時を戻そゔぁあああチッチッチッチッチカチカチカチカチカチカチ(腕をぶん回す。時を戻す動作)」
3人「わああああー!!!」しゅっ・・・(降壇)

BGMイン。
ナレ「なんの心配もなくお祭りが始まるはずが、思わぬ邪魔が。それは、CORONAVIRUS。彼はクラスターを爆誕させ感染者を爆発的に増やすべく、爆速で時を戻すとの爆弾発言カッコ爆笑。なんとかヤツを倒さなきゃ!○○生のみんなー、オラたちにパワーを分けてくれ!次回、”WELCOME TO 2020”見逃すなっ!ここまではご覧のスポンサーの提供でお送りしました」
ナレ「なんだか大変ですねぇ。みんないなくなってしまったので、これにて開会式を閉式いたします!」

次回、WELCOME TO 2020に続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?