作業療法士が医療管理・経営学(MHA)へ進学して

この記事は九州大学医療経営・管理学専攻22期 Advent Calendar 2022 14日目の記事です。

初めまして、九州大学医療経営・管理学専攻22期のryusei132です。普段は、作業療法士としてリハビリテーション病院で勤務しています。

進学を決める前に

作業療法士としてMHAへの進学を決めたのは大きく2つです。
1つ目は憧れていた先輩の存在です。背中を追う中で先輩が在籍していた九大MHAで研究力を身に付けることは1つの目標となっていました。
2つ目はCOVID-19の流行です。パンデミックにより健康格差の問題や病床などの構造的な面で浮き彫りになった日本の医療で自分には何ができるのだろうか。この世の中を否定的に捉えるのではなく、何か学びはないか。そんな気持ちから、大学院へ進学したい気持ちが強くなっていきました。

大学院受験へ向けた準備

大学院への受験を決めて、まずはオープンキャンパスに参加しました。実際に授業を受けて、先輩方の話を聞き、感銘を受けたことを覚えています。その後は、郵送して頂いた過去問の傾向を中心に勉強しました。具体的には、英語は過去問から出題されたジャーナルの英語論文を辞書を用いてひたすら訳すという作業を続けました。数学は、傾向に応じた領域をひたすら問題集で解きました。また小論文や国語は、経験や知識が浅い分、医療界のトレンドを押さえておくために、医療ニュースなどで情報を得ていました。

前期の授業を振り返って

私は非医療系でしたので内科学・外科学・医療分子概論・医療概論と医療統計学・医療財政学・医療政策学・医療管理学・医療コミュニケーションⅠを受講しました。5月や6月はとても忙しく週に2.5日しか出勤しない週も何度かありました。そういった意味では職場の理解は大変重要かと思います。しかし、それ以上に授業の学びは大変大きなものでした。特に、医療政策学で覚える量は膨大なもので、友人とのプライベートな時間も巻き込んでゲーム感覚で覚えていったことが懐かしいです。
 

MHAを受けて良かったこと・悪かったこと

進学をしてみて、心の底から良かったと思えています。質の高い学びはもちろんなのですが、それ以上に素晴らしい先生方と最高の同期と出会えたことはかけがえのない財産です。同期と言っても、私よりも優秀な方々しかいませんので、議論するだけで視野が広がり、思考を深めることができます。また、皆さん「医療を良くしたい」という強い志を持っていますので、大変刺激的で充実した日々を過ごせています。
職場でも、課題を通した先輩方へのヒアリングによって、業務のことや今度の方向性などを議論する機会が増え、大学院で学んだことを共有させていただいています。
悪かったこととしては、長時間のデスクワークによって頚椎ヘルニアになったことと体重が極端に増えたことです。自己管理へ向けた行動変容の重要性を説いている私ですが、身を持って自己管理の難しさを痛感しました。まだまだ環境のせいにしたくなるのが人として成熟できていないと怒られそうです。

最後に

作業療法士としてMHAへ志願することは大変実りが多いと思います。作業療法士としての研究力だけでなく、医療全体を俯瞰して見ることができ、他職種の同期と関わることで、多くの選択肢をいただけます。また、それぞれの思想をカタチに近づけてくれるのもMHAの素晴らしさだと感じています。医療や医療に関する領域で生きていくためにもMHAで学ぶことは、重要な基盤作りであります。私自身、残り1年を実りあるものとしていきたいです。

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