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~私たちは何を探索しなければならないのか~書籍「組織を芯からアジャイルにする」第1章より

 書籍「組織を芯からアジャイルにする」では、ソフトウエア開発の世界を良くしたいと四半世紀取り組んできたアジャイルの先人達の知恵が、組織をよくしたいと思う人のすべとして転用できることが実践知として蓄積されていて、今後も読み返していきたいと思っています。環境の変化により読み手の状況も変わってくるもので、書籍を読むたびに心に残るフレーズもきっと変わっていくだろう、ならばその時々で、心に残るフレーズに関連づけて我々が経験したこと、考えたことをnoteにしておけば、のちに多くの知見となって残していけると考え、心に残ったフレーズを切り口にnoteマガジンにしていくことにしました。

 これまで製造業は、半世紀にわたり、安かろう悪かろうだった製品の品質を上げる設計/製造技術の向上と、生産拠点を海外に移していくなど製造コストの削減に邁進し、顧客ニーズに応えてきました。
 顧客が多様化していくにつれ、安くても大量生産することで利益を稼げるビジネスモデルが崩れていく状況となり、今、直面しているのが、「私たちは何を探索しなければならないのか」なのです。

 顧客の関心や状況が変わり、これまでの延長線上に未来は無いのは明らかなのに、行動はこれまでと同じく「安く作るには」の検討ばかりになっている。

 「私たちは何を探索しなければならないのか」

 これまでやったことないことなので、直面すると立ち尽くしてしまい、そこから先に進めない。

 でも、みんな現場に立っていて、また社会で生きる一人として、思うもの、感じるものはあるはず。それを口に出してこなかったから、思いが思いのままで消えてしまっていた。思いが思いのままで消えないようにするには、思いを声に出して言い合える関係づくりから始めないと。

 「作って売る」これまでのやり慣れた受託製造のプロセスと異なり、先が見えない手探りの作業にはなるけれど、ソフトウエア開発が、アジャイルの先人達の奮闘により、より良くなったように、製造業も組織の基礎となる所から構築し直して良くしていかないといけない時期に来ているように思います。既に先人の知恵があるので、四半世紀は掛からないだろうが、手遅れになる前までに。

 そして、このあと「私たちは何を探索しなければならないのか」と向き合い、探索して学びを得たら、行動して適応を見る。受託製造のように一回作って終わりではなく、探索と適応は変化する環境に応じて、やり続けるものであることの共通認識もしておかないと。

 書籍「組織を芯からアジャイルにする」第1章にある問い「私たちは何を探索しなければならないのか」を読み直し、我々の組織がいるのは今ここで組織を良くするジャーニーとしては一歩も進んでいない状況にあることを改めて認識し、少々唖然となって心に残りましたので、その状況を書きました。
 実は、組織を良くしていく一歩目になるであろう、思いを言い合える関係づくりとして企てていた「社内勉強会」が、4月から開始しそうな様子となりました。これは、シン・アジャイル コミュニティの仲間から受けた刺激に後押しされて企てていたもので、わが社でもただ立ち尽くすだけの状態から抜け出す取り組みになりそうで、とてもワクワクしています。
 心強いシン・アジャイル コミュニティの仲間の力を借りながら、いい社内勉強会になっていくように、もういっちょやってみるかと思っているところです。




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