かつて自分が冒険した空想の世界の話。
・自分が知るテーブルトークRPGの世界と空想した舞台
自分が初めて触れたテーブルトークRPGは「D&D」ことDungeons & Dragonsだった。
中学の先輩が英語のルールブックを持っていて、それを元に始めたそうで、後に違う先輩(共に中学の生徒会役員仲間)も日本語版のルールブックを持っていた。
そこから誘われて自分もそんなファンタジーの世界に足を踏み入れることになった。
用意するのは見たことのなかったサイコロ達。
そしてキャラクターシート、そしてルールブックのコピーだった。
ゲームマスター(GM)という神の立ち位置の役がいて、その冒険の裏方一切を取り仕切る人がいた、それ以外は皆プレイヤーだった。
少ないときでもプレイヤーは3人くらい、多いと8人なんて時もあった。
そんなみんなが1つのテーブルについてゲームが始まる。
GMは裏方なので、目の前にはマスタースクリーンと呼ばれるついたてを置き、その裏にシナリオなどの資料を置き、敵キャラの行動やイベントなどの判定のためにサイコロを振る。
プレイヤーは目の前に自分で作成したキャラクターシートを置き、公開する。
GMはストーリーテラーである。
舞台を設定し説明する。
NPC(ノンプレイヤーキャラクター)を演じる。
プレイヤーは自分のキャラになりきって、そのキャラならばどういう言動をするかを想像しながら行動を宣言しながらゲームが進んでいく。
テーブルトークRPGのシナリオの結末は固定ではない
同じシナリオであっても、プレイヤーの行動1つで結末が変わるなんて事は珍しいものでも無いし、プレイヤーの一つ一つの行動に対しての反応や判定(例えば解錠が成功したかとか、隠密行動が成功したかなど)もその時々で変わるし、それによる反応イベントも違うから、例えば結末が一緒でもそこへ至るプロセスは無限にあると言ってもいい。
実際に姫の救出ミッションでプレイヤー達が反旗を翻して姫を人質にとって寝返るなんてGMにとっても予想外の展開を迎えることも実際あったし、クレリック(僧侶)だけのパーティーが鈍器をかざしてアンデットモンスターをバッタバッタをなぎ倒すなんてこともザラにあった。
途中で見つけたエンチャント(魔法付与)のかかったフルプレートを着込んだせいで道中川に入って溺れそうになり、泣く泣く放棄したなんて事もあった。
宿屋に入れば同行のNPC同士の痴話喧嘩で男が部屋に監禁され、抜けだそうをするのを皆で捕らえるなんて騒動が起こったりもした。
ダンジョンに入って謎解きをさせられたこともあり、GMによって特色があったのも面白かった。
人の想像力がある限り、シナリオの幅は無限なのがテーブルトークRPGなのだ。
GMとプレイヤーが共同作業で物語を紡いでいく。
それこそがテーブルトークRPGの魅力である。
決してGMの用意したレールに乗って最後までなぞるものだけがテーブルトークRPGではないのだ。
正解の結末なんてものは、自分たちがたどり着いたもの以外にないのだ。
こんな動画を見つけた。
TRPGサークルらしいが、この動画が「TRPG」と言うものを端的に表わしていると思う。
はっきりと言っておくが自分の言う「テーブルトークRPG」はこの人の言う「TRPG」と同義ではない。
GMの決めたレールからは外れるな、常識を守れ、とひたすら説明しているように思うが、一部納得できることもある(ちゃんとキャラになりきっていないのはいけない、メタ発言は御法度)とはいえ、あくまでもシナリオを紡ぐのはGMとプレイヤー両名の共同作業であるので「世界観を壊す」と言う発想が出る時点ですでに囚われているし制限されている。
GMのレールから外れないものがTRPGだというならば、自分の言う「テーブルトークRPG」とは似て非なる物である。
いや、機能限定版とでも言えばいいか。
自由な発想で行動を制限するプレイヤーを上手く転がすのもGMの力量である。
それに空想の世界を旅しているのだから荒唐無稽の何がいけないというのか。
世界に重力があるのは当たり前で、空気があり、呼吸するのは当たり前。
それですら空想の世界は「そうじゃない」という設定も可能だ。
なんて狭小な世界で満足しているのだろうか。
テーブルトークRPGの世界での決め事は「ルールブック」以外にない。
それ以外のものについては自由だ。
TRPG=クトゥルフと決め打ちしている時点ですでになんだかなぁと言う気がしているが、今のTRPGプレイヤーはそれしきの空想力しか無いと言っても良いのではないか。
...いや、プレイヤーではなく、GM側の方か。
プレイヤー側の行動に合わせて柔軟にシナリオを変えていき、結末に着地するだけの空想力こそが「テーブルトークRPG」には必要だ。
自分はD&Dやロードス島戦記(テーブルトーク版)で遊んだ人だからこそ、今のいわゆる「TRPG」というものの狭苦しさが残念でならない。
もっと自由で良いものであるのに。
今からテーブルトークRPGをやってみたければロードス島戦記 コンパニオン (コンプコレクション(https://www.amazon.co.jp/dp/4047140015/ref=cm_sw_r_tw_dp_JSHSSADSG1QSMNGZKG4N )がオススメかも知れない。
各種ダイス(4/6/8/10面体)を今用意できるかはちょっとわからないが、できるなら一番とっつきやすいルールだと思う。
また、ファンタジーの物語を書こうと言うときのベースに使うのもありかも知れない。GMは自分がやり、空想のプレイヤー達が動く様をつぶさに記録するという手法。
1人テーブルトークRPGリプレイと言った具合だ。
これだと、判定などの不確定要素が生じるので、自分では思いも寄らなかったエピソードが生まれるかも知れない。
舞台設定やキャラ設定は自分でどうにでも出来るのだから、サポートツールとしてあっても良いかもしれない。
ネットミーティングを利用したテーブルトークRPGの楽しみ方
というのもアリだと思う。なのも今ならリアルで顔をつきあわせてやる必要も無いし、ダイスの判定もアプリがあるだろうから実際のサイコロを振る必要も無い。
今こそテーブルトークRPGの便利かつ手軽な遊び方を実践できるときなのではないだろうかと思うと、ワクワクしてくるのだ。
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