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あなたはリポグラムという表現技法を知っているか

リポグラム
[英 lipogram] (名詞)
特定の語または特定の文字を使わないという制約のもとに書かれた作品

西尾維新. りぽぐら!. 講談社 , 2014

ルール(Lv.1)
①最初に短編小説を制限なく執筆。
②五十音46字から、任意の6字を選択。
③残った40字を、くじ引きで10字ずつ、4グループに分ける。
④その10字を使用しないで、①の短編小説をグループごと4パターン、執筆する!
⑤濁音・半濁音・拗音・促音は、基本の音と同じ扱い。音引きはその際の母音とする。
⑥②の6字は、どのパターンでも使用可。

西尾維新. りぽぐら!. 講談社. 2014

『リポグラム』を知ったあの日の感動をあなたに

リポグラム という、文章を製作するにあたっての縛りを皆さんはご存知だろうか。
上記で引用した通り、特定の言葉や文字を使わずに文章を書くといった技法で、アメリカの作家であるアーネスト=ヴィンセント=ライトの「Gadsby(ギャズビー)」などが代表的な作品になる。
私が初めてそれに触れたのは、引用元の作品でもある、西尾維新の「りぽぐら!」だ。

元々西尾維新の作品は、どのシリーズにしても終始言葉遊びに溢れており、初めて知った頃、当時中学生だった私にとってはそれが世界で一番の娯楽で、冗談抜きで毎日読んでいた。
あなたがソードアート・オンラインを読んでいる時、私は化物語を読んでいて、あなたが犬とハサミは使いようを読んでいる時、私は刀語を読んでいた。

そんな中で、様々な言葉を組み合わせて活動する小説家が、あえて文字を削って、自身を縛って物語を書き上げる という試みはこれ以上ない程革新的で、端的に言ってビビった。

本の内容をもっと噛み砕いて説明すると、
①…小説を書く
②…五十音の中から、好きに使える文字を6文字選ぶ
③…残った文字の中から、くじ引きで引いた10文字を使わずに、同じ内容の小説を書く。これを4パターン
といった試みをやってのけた。

同じ短編小説を合計五回、使えない文字を変えながら、しかも文章として破綻しないように書ききる凄さをちょっと知ってもらいたい。

どこかでリポグラムを使った作品を読んでもらえれば、私がどう興奮しているのかがわかりやすくていいんだけれど…うーむ…









グループA
禁止ワード「あ」「え」「そ」「つ」「に」「の」「ま」「や」「れ」「ん」
フリーワード「く」「し」「ほ」「む」「ら」「り」

僕が好きな『リポグラム』を今日知る君へ

リポグラム なる、ストーリーを書きおろす人へ向けた縛りを、君は了知しているかな?
上記「りぽぐら!」内で記す通り、決めた言葉及び文字を使用せずストーリーを記す技法で、米国で文字書きをしていたライト氏が生み出した某著作などが代表的だよ。
僕が初めてリポグラムを知覚した引き金は、先ほどから話題としていた「りぽぐら!」だね。

「りぽぐら!」をはじめとする書籍を書いた、某文字書きが生み出す著作は終始地口で満ち足りていて、当時中学生な僕は、こういう娯楽がすなわち「世界一」とみなし、ガチでデイリーで拝読してたわ、笑。
君らがヒースクリフと戦いを重ねている時、僕は怪異らと戦いを重ねてて、君らが犬と化している時、僕は刀を蒐集する使命を課してた。

かような中で、色々な言葉を重ねてストーリーを生み出す文字書きが、意図して文字を削りながら、自らを縛りながら著作を書ききる。
という試みは、類を見たことがなくて、正直驚愕したね。

「りぽぐら!」内容をかみ砕いて紹介すると、
い...ストーリーを書く
ろ...ひらがな計46字(しじゅうろくじ)から、再度使用させてほしい文字を6文字取り出す
は...余剰文字内から、くじで引いた10文字を使用せず、同じ内容でストーリーを書く。×四回(しかい)
という試みをこなしたとさ。

同じストーリーを合計五回、使用できない文字を移行しながら、しかもストーリーとして瓦解しないよう書ききる凄さ、どうか君も了知して欲しいな。

君もどこかでリポグラムを使用した著作を読めば、僕がどう昂ぶりを噛みしめているかが分かるけど...中々無さげだしな...










グループB
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フリーワード「く」「し」「ほ」「む」「ら」「り」

『リポグラム』の小説読んで、あたしの感情、知ってよ

リポグラム っていう、物書きへの縛り、あなたは知ってる?
上記で引用してきたように、任意の語や文字の使用に束縛が入りつつ、物書きにかかるって技法で、
名高いものでは、アメリカの小説家であるA氏がしたためた書籍があるんだって。
あたしが初めてそのやり口に触れたのはね、上で引用してきた本でもある、西尾維新先生の「りぽぐら!」なんだ。

あたしって昔から西尾維新先生の本読んでるんだよね。全部の話で軽口が叩かれまくってるのがヤバくて。
初めて読んだ折、学生だったあたしにしたら、それが世界一の娯楽になっちゃって、ふふっ
毎日読んでた。いやこれ冗談じゃなくて。
あなたが桐ヶ谷くんに憧れている間、あたしは阿良々木君に憧れていて、
あなたが夏野ちゃんにデレデレしてる間、あたしは凍空ちゃんにデレデレしていた。

そんな中、語彙の接続によって物書きにあたる小説家が、あえての文字への束縛。そうして自身に縛りがかかりながらも、物語は完璧に形作る。
そんな挑戦に、あたし驚嘆しちゃって。

本の内容、説明していい?...よかった
ア...小説書いて。
イ...かなの中から、フリーで使える文字が六つ選べて。
ウ...残りの文字の中から、くじで選ばれたten文字が使えなくなって、そのまま同じ小説書く。
これが四回もあって、でも全部しっかり小説になってるのがヤバくて!

こ、こほん
同じ小説が全部で五回使えない文字が交代であって、しかも文章が破綻しないように書いちゃうって...
この興奮、あなたにも知って貰いたいんだ。

リポグラムでできた小説、あなたも読んでくれたら、あたしがなぜこんなにも興奮してるのか、理解できるから
ね?
読む?
読もう?いいから

いいから!

読んで。読んで。読んで。ねえ、聞いて。あたしの話、聞いてよ。










グループC
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至高のテクニック『リポグラム』を、皆さんアンダスタンドして?

リポグラム と名付けられた、センテンスを綴るにあたってのリミテーションを、皆さんアンダスタンドしてます?
クォーテーションした通り、あるワードやレターをユーズせずにセンテンスを綴るってテクニックで...
よく知られてる作品?...えーっと、あ、USAのあるオーサーのワークに、それ、あります!
私、ミスター西尾の「りぽぐら!」を読んだことで、データにリポグラムをラーニングしたの!

ミスター西尾のワークって、どれにしたってオリジナルなジョークに満たされてるところにグレートさを覚えます!
ミドルスクールピューポーだった私にとって、ミスター西尾のワークって、至高のレクリエーションでしたよ!
休みなく読んでたの。リアルですよ!
エリュシデータで切断するあなた、心渡で切断する私、一人のドッグなあなた、一人のソードな私。

そしたらですよ、様々なワードを組み合わせてワークをするミスター西尾のニューワークで、あえてワードをリデュースして、ミスター西尾自身をリストレクトした本を出したんです。
びっくりしました。

そのコンテンツをざっと講説すると、
ド...センテンスを綴る
レ...自由なユーズをリクエストするレターズを、五十音よりピックする
ミ...残ったレターズ-くじで取り除く10レターズで、「ド」と同じセンテンスを綴る
ミスター西尾、これをクリアしたんです。

同じセンテンスをトータル五(ご)ワーク、自由なユーズをリミテーションしたワードをテークターンしつつ、
さらにセンテンスとしてコレクトさせてワークをクローズさせたんです!グレートです!

皆さんにリポグラムをユーズしたセンテンスを読んで欲しくて...。
このワクワク、アンダスタンドしてくれたらグッドです!










グループD
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フリーワード「く」「し」「ほ」「む」「ら」「り」

『リポグラム』愛す我は可。知らん貴様は不可。本日それを覆す。

リポグラム それは、書き物に向かいし人への縛り。貴様は存じか?
頭(かしら)からの引き句に書かれしそれは、決めしワード、文字を使わず、書き物を仕上げし技術。
メリケンの作家、アーネスト氏の「Gadsby」が例にありし技術。
それを初めに知りしは、維新氏の「りぽぐら!」

維新氏の作品はどの作品も洒落が効き、初めに知りし時、その時学徒の我にすれば、最も優れしアミューズメント。
毎日閲覧を欠かす日皆無。それ、マジね。
貴様がキリトファンの時、我は阿良々木ファン、貴様が和人ファンの時、我は七花ファン

その時期に知りし、幅広いワードを組み合わす作家が、意図のもと文字を削り自身を縛りつつ作品を書く取組みはずいぶん斬新と感じ、我マジびっくり。

以下、作品の趣旨を解く
壱...作文を書く。
弐...文字あ~んから、意のままの使役を望む文字を六文字選ぶ。
参...余りの文字から、一の十重枚くじを引き、その文字は使役不可のまま、壱と等しい意味合いの作品を書く。それをあと三回繰り返す

等しい意味合いの作品を五つ使役不可の文字を変えつつ、しかも瓦解は皆無。マジすげ~っすあれ。

我が味わいしエキサイト気分、リポグラムを使いし作品を閲覧し、貴様も味わいつくすべき。我の願い。




ってことで

どうだろう、こんな諸々の文でリポグラムの事を分かってはくれただろうか。
ノンプロの文言で伝わったかはちょっと不安ではあるが、一寸でも興味をもってくれたら嬉々とさせて貰っちゃうね。
『りぽぐら!』やアーネストさんの作品で、そのワールドに飛び込んでみたらとってもグレートだなぁ。
さて、気づけば長くなったこのカキコ、そろそろ結尾の頃。

皆さん、ありがとう。今日は何とも素敵な日であった。それでは!







禁止ワード「お」「し」「ま」「い」


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