コラム"deito"

 面白い会話とはなんだ。会話とは、頭のスポーツ。だけど、結局、体のスポーツの枠組みの中にいる。体的、本能的な欲望を叶えるために、脳みそは発達してきたのだ。つまり、体の欲望を、頭を使って疑似的に解決するというのが、「面白い」会話の大前提として視覚できる気がするわけだ。
 食欲、性欲、睡眠欲、知識欲、承認欲。これをどうやって「会話」で満たすのか?答えは一言、単純で、「想像力」だ。食べてる気にさせ、ヤってる気にさせ、寝てる気にさせ、新しいものに出会った気にさせる。相手の存在に意味を付けてやる。
 と、ここまで言ったが、上記の5欲が全てだと錯覚するのはよろしくない。相手が今何を欲しているか、そこが一番大事なわけで。ご飯を食べた後に、ご飯の話をしても、ぜんぜん、おもしろくない。安定に面白い話として挙げられる話題は、相手とそして自分という環境に左右される。一部を除いて、人間は、相手と共感し、同期していく。自分が今欲しいものは何だろうと考えるのが、一番の近道である。
 話を半歩前に戻そう。「想像力」。これをどうやったら掻き立てさせることができるのか。「想像力」とは、人が、今までの経験を基にして、かつて経験したことのない領域を予測することである。目の前に、茶色く、鈍く光を反射する物体を見つけたら、その情報の断片を過去のデータベースに照らし合わせ、それが何か推測する。うんこ?いや、これはチョコだ。なぜなら、四角いから。人の頭の中でこれは瞬時に行われる。つまり、「想像力」を掻き立てる手段として主要なものは、"それ"独自の特徴を的確に刺し射抜くことであり、また、多様な情報を用いて手数を増やすことであろう。
 記憶で話すのではなく、目の前にあるかのように自分が先ず想像し。ジェスチャーや擬音、表情をも使って多面的に示す。これだ。


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