雀荘の浮世離れしたシステム•ゲームバックとは……

雀荘には現代社会では考えられないような、浮世離れしたシステムが多数存在しています。

その中から今回は、メンバーへの待遇の一つであるゲームバックをメインに紹介していきたいと思います。

私自身は、記事をお読みいただいている皆様が雀荘に勤められることは正直に言えば反対ですが、勤めることで良い経験ができることも否定できません。

オンラインで初めて麻雀に触れて、こんなに面白いのなら雀荘で働いてみたいなと思っている方にとっては参考になりますので、ぜひ目を通してみて下さい。

雀荘メンバーの仕事

別記事でもご紹介しましたが、まずはメンバーと呼ばれている従業員の仕事内容から解説していきます。

メンバーの仕事には麻雀を打つ以外には以下の様な業務があります。用語の説明とともに内容をご紹介します。

立番……

立番とはいわゆるホールスタッフのような事をします。
来店されたお客様の対応、ドリンクやフードの提供、貸し卓のお会計や御遊戯を終了されるかたの精算、他には稼働が終了した卓の清掃などを行います。

※この麻雀卓を清掃することを卓掃と言います。

立番業務は他業種の接客業と比較すると相当楽な業務です。店によってはお客様のお使いなども頼まれます。

立番はこのような雑務全般を行う業務です。

本走・代走

本走は自分のお金を使って(給料精算)で自由に麻雀をすることです。手組み、仕掛け、押し引きなど自分の意思で選択することができます。

最近では相当少なくなりましたが、メンバー規制というゴミのようなルールがある店もあります。

規制の内容は様々ですが、一般的?なものとしては一発消し、直角(もろ引っ掛け)などがNGとなっているようです。

酷い店ではメンバーの1鳴きが禁止となっています。ことの真偽は分かりませんが天和が禁止されている店もあると聞いたことがあります。

もし、雀荘で働く場合は面接時に規制のありなしは必ず確認するようにしましょう。

代走

代走とは、お電話やお手洗いで席を離れるお客様の代わりに卓に入って打つことを言います。

本走と違いあくまでお客様の代わりに打つので色々と規制があるお店がほとんどです。
代走しているメンバーが放銃してしまっても支払いをするのはお客様ですからなるべく放銃しないように打つことが大事です。

盆面がそもそも悪い方や負けていて機嫌の悪い方の中には言いがかりをつけてくる人もいます。

代走規制として一般的なのは仕掛けをいれない、立直をかけないなどです。

大体のお客様はリーチ代走しか頼みません。
あまり見たことはないですが清一色手で代走を頼んでくるタチの悪い方もいらっしゃいます。

メンバーの一般的な業務は以上です。

雀荘メンバーの待遇

雀荘メンバーの待遇は、店舗の所在地にもよりますが時給¥1000前後のお店がほとんどです。

あとは店舗によってまちまちですがゲーム代金の手当てや交通費を支給してくれるお店もあります。

大型のチェーン店や老舗などは寮付きの店も結構あるようです。

雀荘に応募する時の注意点

雀荘に応募する時の注意点は先に述べたメンバー規制の有無以外にもたくさんあります。

雀荘はめったに応募してくる人がいないので、求人専門のサイトにのせつづけているお店はあまりありません。

ですので、雀荘の求人は雀サクッや麻雀王国といった情報サイトから見ることになるのですがパッと見て分かるぐらい、更新されていないお店がほとんどです。

店舗ページを閲覧していると、5〜6年ぐらい前のイベント情報等が未だにトップに上がっているお店も珍しくありません。

求人情報もそれと同じく鳴らなさ過ぎてみておらず、面接の担当者が内容を把握していない場合も頻繁にあります。

入店後のトラブルを避けるために、雀荘でメンバーとして働く場合はどういった待遇なのか募集要項をしっかりと読み、面接の時に気になることは全て聞くようにしましょう。

ゲーム代バック制度という雀荘の闇

雀荘のメンバー待遇に目を通していると「ゲーム代金一部補助」という文言をよく見かけます。
もっとわかりやすく「フルバック」「ハーフバック」と表記されている場合もあります。

これは何かと言いますと
「うちの店でメンバーやってくれるならゲーム代おまけしてあげるよ」ということです。

ちょっと何言ってるのかわかりませんよね。
えっ?仕事で強制参加なのにゲーム代払うの?って思われた方達の感覚は正しいです。

誰がどう考えても給料のピンハネです。
しかし雀荘業界ではこれは当たり前のことなのです。

そしてそこで働くメンバー達も「ハーフバックなら良心的」などと意味のわからない事を言って、経営者に喰い物にされている事実から目を逸らしながら働いています。

経営者側にそのことをどう思うかを尋ねると「嫌なら辞めればいい」だとか「ゲーム代より勝てば良いじゃん」と自分の身がいたまないので深く考えていないだけならまだしも、「お客からメンバーが文句を言われないために」と正当化する人もいる始末です。

これはどういうことかと言いますと、お客はゲーム代を払っているのに従業員は無料でやっていると公平ではないと文句を言う方がいらっしゃるようです。

ですので「メンバーもゲーム代を払うことによって自由に麻雀を打つ権利を買っている」という事実を作り従業員が自由に打てるようにしているんだ!」という言い分のようです。
(書いといてなんですが何度読み返しても何を言ってるのかがわかりません。)

その理由なら客の前でだけそうしておけば良いはずなのですが……

私はこんなにも堂々と給料のピンハネが出来る業種を雀荘以外にしりません。
ゲーム代バック制度は雀荘業界の闇であり、悪い慣習だと思っています。

皆さんも雀荘で働く場合には絶対にフルバック(全額補助)のお店を選ぶようにしましょう。

もはや労基案件、ぶっ壊れた時間給の概念……

直前に述べたゲーム代ハーフバック制度を何故雀荘業界の闇であり悪い慣習だと思うかを解説していきます。

まずあるメンバーAが働いているお店雀荘Bがあります。

Bは赤字経営でこそありませんが繁盛店にはほど遠くAは麻雀漬けの毎日です。
朝9時から夕方5時まで働いて麻雀を打ち続けた場合のA.B間の金銭の動きを見てみましょう。
(時給¥1000・1G¥400・時間平均ゲーム数を1,5本として計算し、ハーフバック制度、麻雀の成績は考慮しないものとする)

BからAへの支払い
(17−9)8h +8✖️1,5✖️400✖️1/2=10400

AからBへの支払い
8✖️1,5✖️400✖️=4800

あれ?増えてるからいいじゃん?って思いましたか?でも良くみて下さいこの日のAはお店に¥4800払っているのです。

つまりこの日の収支合計額はBからAの支払い¥10400から¥4800を引いた¥5600となります。

時給に換算すると¥700です。でも時給¥1000〜と表記されている場合は確かに嘘はついていませんね。(上がるとは言ってない)

メンバーをやっている人達のほとんどは、自分の給料を計算する時に時給+成績に合わせて、バックが入るから〜と言う方が相当数いますが、それは入ってるお金じゃ無いことだけは忘れないで下さい。

仕事として強制参加しながら毎ゲーム¥200ずつ払い続ける状況はハッキリ異常だと言い切れます。

この例では4人打ちの一般的な麻雀を例にご紹介しましたが、展開の早い東風戦や3人打ちの場合はメンバーが店から徴収されるゲーム代はこの程度ではすみません。

従業員でもあり客でもあるメンバー……

このことから分かるように、メンバーとは店にとって従業員でもあり、客でもあると言えます。

ある経営者にそのことを尋ねると「メンバーに麻雀するための金を貸すわけだから、金利みたいなものじゃ無い?」と言っていましたがそうだとするとあまりにも法外です。

仮にさっきの例で月に300本の本走回数があるのであれば、そのメンバーに店から出ている給料は日当の¥8000✖️26=20,8000から60,000を引いた148,000ということになります。

高校生がフルにバイトしたのと対して変わらない金額ですね……

最後に……

従業員の存在が店の売り上げ対象になっている商売なんか他にあるでしょうか?イヤならば辞めればいいだけですが、こんなに人の入らない業界で本当にそう言えるでしょうか?

同じ雀荘を経営していた身として、フルバック(全額補助)がどれほどしんどいことかも重々理解はしています。

しかし、共に働く仲間を大切にできない業界に未来があるとは思えません。

これからも雀荘が皆様の身近な遊び場として発展しつづけるために経営者様がたの賢明な判断に期待しております。


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