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ルメールを自動的に買うべき? G1から競馬を始める人に伝えたい3つのこと

皆さんこんばんは。重賞で稼いだお金を都内各地のパチンコホールやJRAへ粛々と還元しております放蕩ラザイエフ@ProdigalRzhyev)と申します。

今日は「秋のGⅠから競馬を始めるゾ!」という方向けに、馬券を買う前に覚えておいてほしいことをいくつかまとめました。
これを覚えておいたからといって的中に近づけるわけではありませんが、馬券購入時の回収率はグッと上昇するかと思いますので、ぜひ目を通していただければと思います!

ポイント①人気馬を買い続けると基本儲からない

■「みんなの意見」は儲からない
これは馬券購入者の間ではよく知られている話なのですが、競馬で1番人気を買い続けると儲かりません。

試しに、JRAの全G1で人気順の成績(2016年以降)を出すと以下のようになります。

JRA重賞 1番人気成績(2016年~)

※集計期間:2016. 2.21 ~ 2021. 6.27

ご覧いただくと分かるとおり、1番人気(計132頭)の勝率は41.0%もあるものの、単勝回収値が92%になっていますよね。
これはつまり「1番人気の単勝馬券を買い続けると、けっこうな割合で勝ってはくれるけど回収率では92%になる(=儲からない!)」ということです。要は「みんなの意見に従うと儲からない」わけですね。これ、競馬をやるうえではすごく重要なので覚えておきましょう。


■人気馬を仕留めるか、穴馬を仕留めるか
「みんなの意見に従うと儲からないなら何を買えばいいんだよ!」と思われた方。残念ながら私のほうでは結論は出せません。なんせ戦略がいろいろとあるもので…。

一応、「馬券で勝つ戦略」は大きく分けてふたつあるかなと私は考えています。
「人気馬を確実に仕留める」or「穴馬を適度に仕留める」この二つです。

馬券を的中させる楽しさを味わいたいなら、前者の戦略「人気馬を確実に仕留める」を採用すると良いでしょう。

ただし、的中率にこだわると結果的に人気馬を買う機会が多くなるため、配当が安くなりがちです。
また先に申し上げたとおり「人気馬をふつうに買っているだけでは儲からない」ため、配当を上げるためには馬券的中率を平均以上に引き上げる努力が必要になります。自分はこのタイプの馬券購入者ではないので目安がよく分からんのですが、おそらく馬券を買ったうち60%程度は的中させないとたぶんお話にならないはず。そのぶん、馬券購入1回あたりに伴う「外せないプレッシャー」はかなり大きいはずです。
大きな配当を得るにはそれなりの投資額が必要になるのも欠点でしょう。単勝2~3倍、複勝1.2~5倍くらいの馬だとデカい金額を突っ込まないと脳汁がなかなか出ないはずです。

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馬券が的中したときの嬉しさを味わいたいなら、後者の戦略「穴馬を適度に仕留める」を取りましょう(ちなみに私はこちらのタイプです)。
この戦略では、特にオッズ(みんなの評価)以上に実力のある馬を見抜くための努力が必要になります。こちらは大きな配当を得るのに元手があまりかからない一方で、必然的に人気薄(実力が劣るとみなされている馬)から買うことになるため的中率が下がりがちです。的中率の目安は人によりますが、個人的な感覚では6回に1回くらいのペースで当たっている人はだいぶやれとるなといったところでしょうか。
こちらは的中率が下がり、なかなか馬券が当たらないことがストレスになる一方で、自分の買っていた人気薄の馬が人気馬を退けて優勝したときなんかはもう脳汁プッシャー!!!です。自分の見立てが正しかったことがレースで証明される瞬間がたまらねえんだ…。

馬券戦略としてどちらが上かと言われると、自分にはちょっと分からんですね…。個人的には穴馬を好んで買うほうがドラマが多くて楽しいと思っているけど、前者の方法で稼いでいる人も多数いるはずだから、この辺りは人によりけりという感じです。


■ルメールを自動的に買い続けると儲かる?
ちなみに以前、千鳥のノブさんが「GⅠは予想なんかすな!」「ルメール(JRAのトップジョッキー)を自動的に買え!」とテレビで仰っていたそうで。

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では実際にルメールをGⅠで自動的に買い続けてみると…。

ルメール G1成績(2016年以降)

※集計期間:2016. 2.21 ~ 2021. 6.27

なんと、単勝回収値が100を超えています!
「なんだ儲かるじゃねえか」「ノブの言っていることは正しかったんだ」って思うでしょ。

でも、ルメールの場合は2017~18年に計4回、単勝10倍台での人気薄での勝利が回収率を上昇させているだけで、最近は自動的にぜんぶ買うとしっかり負けます。2019年以降の成績はこちらです。

ルメール G1成績(2019年以降)

※集計期間:2019. 2.17 ~ 2021. 6.27

ルメールさん、だいたい3回に1回は勝ってくれるんですけど、残念ながら単勝回収値は100を下回っています。「自動的に買い続けると負ける」のが現状と言って差し支えないでしょう。

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「じゃあやっぱりルメール買うのは止めとくか…」って思うでしょ。
でも彼、1番人気に推されたときは超強いんですよ。成績はご覧のとおり。

ルメールの人気別成績(2019年以降)

※集計期間:2019. 2.17 ~ 2021. 6.27

勝率60.9%、複勝率87.0%は完全にレベチ。1番人気の馬に騎乗した際の安定感にはエグいものがあります。騎手としての実力が高いことはもうみんな知っているため配当は安くなりがちですが、それでも単勝回収値・複勝回収値はともに100を超えています。この条件であれば、自動的に買っていても儲かる可能性はありそうです。

一方、2番人気以降に乗った際は2回に1度は馬券に絡んでくれるものの、勝ち切る回数はそれほど多くないことが分かります。強い馬の騎乗依頼が来やすく勝率の高い騎手ではありますが、波乱を起こしやすい騎手ではないことも読み取れます。

このように、みんなの意見に従って人気馬を買うと基本は勝てないのですが、条件をちょっとだけ弄ってみると期待値の高い馬券を買うこともできます。

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ちなみに…
「みんなの意見」に従うと儲からないならぜんぶ逆張りすればいいじゃない!!と考える方もいらっしゃるかと思いますが、逆に人気薄を攻めすぎるとそれはそれで負ける「穴馬バイアス」というのもありまして…。そこにも触れると記事が長くなるので、気になる方はぜひググってみてください。

まとめると、みんなの意見にどの程度"適切な違い"を持たせられるかが馬券を購入するうえでは重要になるということです。逆張りで大穴ばっかり買ってると本当に勝てないので覚えておきましょう。


ポイント①人気馬を買い続けると基本儲からない まとめ
・人気馬をただ買い続ける(みんなの意見に従う)と儲からない
・馬券購入戦略は大きく分けると
「人気馬を確実に仕留める」「穴馬を適度に仕留める」のふたつ
・千鳥ノブの言うようにルメールを自動的に買い続けると儲からないが、
「1番人気の馬」なら買い続けると儲かる可能性がある


ポイント②「予想は当たってた」を起こさない

次に覚えておいてほしいこと。それは「予想と馬券を一致させること」です。

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引用元:園田競馬ビギナーズガイド

「予想は合っているのに、それが馬券にうまく反映されていないこと」。
実際に馬券を買ってみるとこれマジで起こり得るんですよ。自分もこれで何度当たり馬券を逃したことか…。

■単勝馬券は必ず買おう
いろいろと予想していくなかで「この馬が勝つ可能性が高そうだ!」と考えたとしましょう。
馬券の買い方が定まっていない人だと、予算の制約や配当の妙味を考えていくうちに単勝馬券を買わないことがあるんですよね。
そうすると何が起こるか。「自分が目を付けていた馬は勝ったんだけど、2着以降は想定外の馬が来て1円も儲からなかった」みたいなことが起こります。これ、笑い話じゃないのよ。連系・三連系の馬券を買い始めるとマジで起こるのよ…。

解決策は簡単です。
勝つと思った馬がいたなら、必ず単勝を買いましょう。
「勝ちそうな馬がいっぱいいるから」といって単勝馬券を沢山買うのはオススメしません。ただ、本命の馬については必ず単勝を買っておきましょう。特に主に穴馬を狙っている人は絶対に買うべきです。穴党はそもそも的中率が低くなりがちなんだから、的中機会を逃すとマジで勝てないぜ…。


■予想が当たったときに最大額を回収しよう
あと、自分の予想が当たったときに最大額を回収できない買い方をするのもあまり良くありません。

あるレースに3頭、◎〇▲(左から順に本命、対抗、単穴。1番手、2番手、3番手)の印を打ったとしましょう。
いざレースが始まって、本当にその順番で決着したのに「◎の複勝しか買ってねえ!」みたいなことが起こると、馬券が当たっているのにひどく落ち込む羽目になります。予想が完全に的中して3連単が5~6万くらい付いてるのに、◎の複勝1.5倍の馬券しか買ってなかったらそれはもう悲劇です。これは回収率を下げる要因にもなるので避けたいところです。

個人的にオススメしたい買い方は、単勝や馬連以外に、◎-〇-▲☆△✓といった感じで、1・2着固定で相手を数頭選んだ3連複or3連単の馬券を買うことです。これなら投入金額も5百円程度で済みますからね。完全的中するようなレースにはなかなか巡り合えませんが、仮に5百円で3連単の万馬券が獲れようもんならそらもう悶絶よ。

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↑筆者が獲った2021年安田記念の3連単。◎-☆-△で決まって800円が約11万円になった。

自分の予想が当たったときに、少しでも大きな払い戻しを得られるように馬券を組むこと。それだけで年間どころか人生単位で収支が変わってきますので、特に穴馬を買うときは頭の片隅に置いて馬券を買ってもらえたらと思います。


■人気薄を買うなら「レートを落とさない」
競馬をはじめたての人にありがちなこと。
「人気薄を買うときにレートを落としがち」。これ、回収率を下げる要因になるので気を付けましょう。

いや、気持ちはすごく分かるんですよ。単勝50倍の馬に本命を打ったとしましょう。「きっと勝つ可能性は低いだろうから薄く張りたくなる」のはすごくよく分かる。

でも、最低でもいつも買っているだけの金額を買わないと、本当に儲からなくなります。穴馬を好んで買う人は特にそうです。「いつもは単勝1,000円勝ってるけど、単勝50倍以下の馬なので200円だけ買いました」は死筋です。それまで負けているなら回収できるタイミングがなくなちゃいますからね…。

人気薄に本命を打つなら、きちんと張りましょう。逆に「一撃に賭けて人気薄に大きく張る」もそれはそれで死筋なので、「いつもと同じ金額」くらい買う意識を持つのがベターです。

ポイント②「予想は当たってた」を起こさない まとめ
・単勝馬券は必ず買おう
・予想が完全に当たったときに最大額を回収しよう
・人気薄を買うならレートを下げないようにしよう


ポイント③他人の予想に丸乗りしない

最後に、とても重要なことをひとつ。

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他人の予想に丸乗りするのはなるべく止めましょう。
理由は簡単で、予想がいつまでも上手くならないからです。

■競馬の解像度を高めよう
いまやSNSが普及して誰もが競馬予想家になれる時代になりました。中には予想を公開して素晴らしい成績を残している人もいますが、それに乗っかると自分の意思で馬券買っていないことになるんですよね。

予想家の見解を参考にして独自の馬券を組み立てるくらいなら良いと思うんですが、やはり競馬を楽しむのであれば、JRAのレース体系や主要な血統、コース・馬場の種類、調教内容、騎手の特徴、標準的な勝ち時計・ラップ、厩舎・調教師・生産牧場などなど、上流から下流まであらゆるものの知識を身に付けていくべきです。競馬というスポーツの解像度を高めることにこだわるべきです。

■競馬は「記憶のスポーツ」
競馬は「記憶のスポーツ」と呼ばれることがあります。蓄えた記憶や知識が馬券の成績と結びつくからです。

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馬券を買い始めた段階では、出馬表を見て得られる情報なんかほぼないと思います。少なくとも私はそうでした。だってあまりにも情報が多いから。でも数ヶ月、数年と馬券を購入しながら勉強していくうちに、徐々にレース全体の見通しが持てるようになりました。

自分自身、競馬を始めてまだ日が浅く、記憶の質や解像度がそれほど高いとは思っていません。そんなレベルでも、自分の推理で馬券を買って当てると嬉しいものです。デカい払い戻しを受けた2018年高松宮記念(3連単60,450円×100円)とか2019年有馬記念(単勝6.7倍×1.5万円)とか2021年安田記念(単勝馬連三連複三連単的中、払い戻し約17万円)とか、もう何十回も映像を観返しています。映像を観るだけで何度でも脳汁が出ます(笑)。


■自分の推理が払い戻しに反映される

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競馬というギャンブルの核心を考えたとき、やはり一番面白い部分は「自分の推理、見立てが払い戻しに反映される」ことにあると思うんですよね。

誰かの予想に丸乗りすることで、自分の判断や見解、推理を誤った責任について一切考えないのは楽なことかもしれません。でもそれをやると楽しさは半減するはずです。仮に馬券が当たったとしても「その配当はあなたが考えて得たものではないから」です。

馬券を当てて脳汁を出したいなら、競馬への理解を深めましょう。近道はおそらくないです。気になったもの、分からないものがあったら時間が許す範囲でコツコツと調べていきましょう。

自分が積み重ねた知識や経験をもとにした推理で馬券を勝ち取ったら、これ月並みな感想ですけど脳が震えるんですよ、本当に。

ポイント③他人の予想に丸乗りしない まとめ
・他人の予想に丸乗りせず、競馬の解像度を高めていこう
・競馬は「記憶のスポーツ」
・自分の推理が払い戻しに反映されるからこそ競馬は面白い

まとめ

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わたしから伝えたいことは下記の3点です。

①人気馬を買い続けると基本儲からない
②「予想は当たってた」を起こさない
③他人の予想に丸乗りしない

これを覚えたからといって重賞の的中に近づけるわけではありませんが、少なくとも皆様が今後も競馬を続けていくうえで非常に重要な事柄かと思いますので、ぜひ今のうちに覚えていただければと思います。

それでは皆さんが最後の直線で最高にヒリつけることを祈っております。良い週末を~~~!!!

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