住民登録(住民票)と同性カップルの続柄
一部の市区町村では、同一世帯にある同性カップルの住民票の続柄を、「縁故者」という記載にできるようになっています。11月1日から、世田谷区でも続柄を選ぶことができるようになるそうです。
具体的には、どんなメリットがあるのでしょうか。調べてみました。
「住民登録」と「住民票」とは
住民登録とは、市区町村に対してご自身の家族構成や住所などを届け出ることを指します。
この住民登録の結果、住民票という公的な証明書が作成されます。
お引越しや新しいお仕事に就く際、住宅購入の際、パスポート取得などのさまざまな行政サービスを受ける際などにも、何かと住民票が必要になりますよね。住民票は、その人がどこに住んでいるどなたなのかを明らかにする、とても信頼性の高い書類です。
「同一世帯」とは
同性カップルさんが一緒に暮らすことになった場合、残念ながら現在の日本では同性婚ができないため、住民票を一緒にすることも、しないこともできます。
住民票を一緒にしない場合は、「世帯」の異なる人が同じ住所に住んでいて、それぞれが「世帯主」ということになります。
ちなみに、「世帯」とは、同じ住所に住んでいて、同一の生計を営んでいる家族ごとの単位のことです。友人同士のルームシェアなどの場合は、周囲から見ても、自分達の認識としても、「家族」とは違う関係性のため、同一世帯としないケースが多いかと思います。
一方、同一世帯にする場合は「世帯変更届」を提出することで、同じ住所に暮らしている二人を同一世帯にすることができます。これまでは、同性カップルは「同居人」という続柄での届出をすることができましたが、自治体によっては「縁故者」という続柄も利用することができます。
同一世帯にすることのメリットと、続柄の違い
同一世帯にすると、家族として見なされますので、住民票の写しなどを、家族の代理で取得することができるなどのメリットがあります。また、世帯主宛に送られてくる行政書類がある場合などは一緒に届くようになります。
同一世帯にする場合、世帯主をどちらかに決め、その関係性を「続柄」に書く必要があります。残念ながら、同性カップルさんの場合、異性同士の事実婚のように「妻(未届け)」「夫(未届け)」という続柄を選択することはできません。
ただ、続柄を「同居人」と書くのは、「大切な家族なのに…」と思ってしまいがちなところを、せめて「縁故者」と書くことで「家族である」ということを自他に明示することができます。
実は「同居人」と書いても「縁故者」と書いても、できることは同じなのだそうですが、「縁故者」と書ける方が、同性カップルの感情に配慮した制度の運用となっていると言えるでしょう。
参照:
まとめ
いかがでしたでしょうか。住民票は、住所だけでなく家族関係も示す重要な書類です。もちろん、国の単位で同性婚ができるようになり、「配偶者」としての続柄記載ができるようになるのが一番よいのですが、それができない現状の中では、このような制度の運用変更も必要になってくるのではないでしょうか。
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