お姫様と見るSCP-2980-JP「正常崩壊」
元記事
これは何なの?
ようするに「ロストテクノロジー」によって作られた機械です
ようするにいろんな機械が合体していると
なにかを「入力」することで、なんらかを「出力」するらしい
ようするに、YesかNoで答えてくれるチャットGPTみたいなものです
前の記事で紹介したこのトンデモ電卓と性質は似てますが、あくまで「Yes」か「No」で答えられる質問に限られているので、トンデモ電卓みたいに個人が考えたオリジナル言語や意味不明な文字の羅列にはN/A(無効)を返します
意味深な文章が書いてますが、ようするに、その質問が成立する舞台を変える機能のようなものがあり、たぶん指向性が「地球」に向いている状態で「空気は存在するか?」と質問すれば「Yes」が返り、指向性を「土星」に変えて「空気は存在するか?」と質問すれば「No」が帰ってくると思います
指向性の選択肢には「月」や「土星」の他に
「SNY-102907」や「[削除済み]」が含まれている事から、
おそらく、この機械が作られた当時に存在していたエリアか、記述するとまずい未知のエリアが含まれていたのだと思います
その時点でちょっと不穏ですね
しかし、なんらかの理由で、この機能は使えなくなってしまったらしいです
オブジェクトクラスとか
なんか見慣れない形式ですが、最近のSCP記事で使われてる
「カクタスフォーマット」という形式です
収容クラス
safe
まぁ、適切に管理すりゃ安全な奴
確保クラス
DARK
記事によっては「錯乱クラス」とも書かれる
まぁようするに「そんなにやばい物体でもない」という意味
保護クラス
NOTICE
このオブジェクトの近くにいてもなんの異常も起きないし
人に害を及ぼさない存在という意味
総評
こいつは単体で世界をぶち壊したり人を死に至らしめるような
やばい物品ではないという事になります
それどころか傷つけたり危害も加えてこない、非常に安全な物品です
発見経緯
状況
どうやらだいぶ古い時代の産物のようです
遺体の所持品
どうやら、このSCPのマニュアルのようなものであり、
この人物は、このSCPをまた神のようなものと崇めていたようです
実験記録1
このあと、別件ですごくやばい事が起こるのですが
今のところ「平和」な状態で行われた実験です
入力:1 + 1は 2 である。
出力: Yes.
まぁそうでしょうね
どこぞの電卓みたいにペアノの公理とか自然数の加法とか用いて
説明してこず、非常にシンプルに答えてくれました
入力:重力は存在する。
出力: Yes.
まぁ存在するでしょうね
指向性を月に変えても同じ結果になると思います
土星は知らんけどたぶん同じ結果になる
入力: 重力波は存在する。
出力: Yes.
アインシュタインの相対性理論に基づいた存在の証明です
俺も詳しい事はあれだけど、ようするに物体がそこにあるだけで
時空が歪むとかそういう理論です
答えはYesを返しました
入力: ラング・スクラントン博士は生きている。
出力: Yes.
初見では「は?」と思うかもしれませんが、
この人物はSCP-3001に関係する人物です
詳しい話は省きますが、要するに時空のゆがみを研究してたら
飲み込まれて、自分の体が長い時間をかけて水に垂らした絵の具みたいに
えぐい事になる亜空間の中で生命は維持されるトンデモ空間に放り込まれた博士の安否を確認しています
ちなみにこの後博士は「体の一部」は元の世界に戻ってきますが
そんな状況でもこの機械は「生きている(Yes)」と返しています
ちなみに、ラングは妻の名前、スクラントンは夫の名前なので、
どちらの生死を聞いているかは不明ですが、おそらく後者です
入力: 因果律は常に正しく働いている。
出力: No.
何を根拠にNoと言ってるかはわからないですが、
まぁ、SCP財団の世界という、異常物品溢れる世界なので
因果律を超えた超常現象の一つや二つ世界に存在していてもおかしくは無いと思います
(これ、たぶん後に発生する伏線だと思う)
入力: 2021年現在、既存の物理学に使用されている理論は全て正しい。
出力: No.
まぁSCP財団の世界なんでね(以下省略)
入力: スクラントン-アナスタサコス理論に基づく過去-現在-未来の時間流構造は正しい。
出力: Yes.
これも何言ってるのかわからないですが
・スクラントン:現実度(ヒューム値)に関する事
・アナスタサコス:時間や時空に関する事
この2つの理論に基づいた過去及び現在及び未来の時間の流れは
正しいものであるか?という意味だと思う
それに関しては「Yes」と出てるため
異常物品が蔓る世界でも整合性は保てているらしい
入力: 人類は10000年以内に滅亡する。
出力: Yes.
お…おう…(困惑)
ま、まぁ10000年以内なら
俺たち間違いなく生きてないし、未来人がんばってちょ❤で済む案件
入力: 人類は1000年以内に滅亡する。
出力: Yes.
えええ…
なんか不穏なことになってきたぞ…
入力: 人類は100年以内に滅亡する。
出力: Yes.
やばくね?
入力: 人類は10年以内に滅亡する。
出力: Yes.
待ってくれよ
入力: 人類は1年以内に滅亡する。
出力: Yes.
大変なことになってしまったぞ
話は聞かせて貰った!人類は1年以内に滅亡する!
Ω ΩΩ<な、なんだってー!?
世界滅亡
そんなトンデモねぇ事、あっさり言うな!!!
サイト-VOX、サイト-01に居るやつ以外は全員滅亡したらしい(唐突)
詳細
要約:過去を書き換えられて現在と未来の空間がメチャクチャになりました
サイト-01とサイト-VOXはなんか不思議な力で無事だったっぽいけど
それ以外の区間は人類含む全生命が存続できないほどやばい事になったらしい
たぶん不死身のクソトカゲも滅亡したと思う
例外のない全生命体の死滅は「あゝ死よ」を彷彿とさせる
草木も微生物もみんな滅亡したと思う
「TK-クラス因果再構築イベント」
まぁようするに、「世界終焉シナリオの一つ」です
タイムライン、つまり過去から現在に至るまでの歴史が破壊されて再修復が行われたと
ん?「再修復された」ならよくね?
まぁようするに割れてしまった花瓶を無理やり治すような修復方法だから
あちこち歪んで元に戻ったとは到底いい難い
少なくとも生命が存続できないほどには終わってしまったんでしょうね
後述しますが、「宇宙空間は崩壊」してるんですよね
当然、空間湾曲とかいう物騒な現状が発生してる上に
太陽とか大気とかがなくなってるはずなので、現実除外機能の外にでたら
ただじゃすまない気がするのですが、後述の理由からDクラス職員は現実除外機能の外側に出ても、ひとまず帰ってこれたらしいです
たぶん、これにより、もともと機能してなかった「指向性」の選択肢である
「月」と「土星」の選択肢を選ぶ理由がなくなりましたね
たぶん他の選択肢も似たような理由で消えたんだと思う
SCP-001に定義されたので、たぶん相当やばいです
Tiamatクラスは「やばいけど財団がガチで本気出せばなんとかなる」っていうタイプのオブジェクトです。めったに付きません
この段階では「俺らが本気だせばなんとかなるぜ」って思ったんでしょうね
自信あったのか、虚勢かましたのか知らないですけど
で、なんとかしようとしたわけですよ
どうにもなりませんでした ^q^
Apollyonは「アイテムは収容不能であり、能動的に世界の終焉を招きます」という意味であり、結論から言うと、財団の敗北宣言です
結論:どうあがいても死ぬ
財団の見積もりでは、タイムリミットは長くて1ヶ月との事
この結論に至るまでに、Dクラス含む94人がいる状態で
Dクラスによる現実除外機能の管轄外の調査を行ったが、この結論を出した後も94名存命らしいので、ひとまず全員生きて帰ってこれた模様
これまでのまとめ
・なんか急に世界が終わった
・原因は過去の因果律の改変による空間湾曲
・現実除外機能の外にいた生命は全員滅亡
・宇宙も物理的かつ、因果律(それまでの歴史)含めて崩壊
・現実除外機能にいた奴が一時的に外に出たが死者は0名
(太陽も消えて常闇の世界になってるはずな上に、後述する理由があり
まともな調査は不能そうだが、どうやって調査した?)
・SCP-001っつーか空間湾曲の殺傷性は「発生時による瞬間的な即死」と
「長時間の暴露による時間経過による死」の2パターン?
考察としては、すべての生命は瞬時に「滅亡」したと書かれており
具体的にどう滅亡したかは書いてないが、たぶん殺されたというより
「消滅」したんだと思う
終焉シナリオによって発生した空間湾曲かなんかに巻き込まれて
Dクラス職員がほとんどの生命が滅亡した世界に出ても(謎は多いが)とりあえず無事だったのは、この空間湾曲の発生が、常時起きてるのではなく、なにかをトリガーとするか、一定間隔で発動してるものだと思われる
後述するが、それ以外にも発生してると思われる事案
・「重力」も「既存の物理学(摩擦、質量保存の法則etc)」
全部なくなってるが、こんな状態でまともな調査ができるのか?
(たぶん歩行すら困難だと思う。光源も機能しない
通信機器も機能しない、呼吸可能かも危ういレベル)
・下手すると時間も消滅してる
(現実除外機能の外に出た瞬間
身体の時の流れ止まって動けなくなる可能性あったはず
あるいは過去現在未来でもない謎の時間軸に放り出されるとか)
・別次元も消滅(平行世界はわからんが、宇宙滅亡してるしな…)
・小学校低学年レベルの数学概念の消失または変異
(1+1=2という基本的なことが否定されている)
追加実験
「追加実験」とか冷静に書いてますけど、財団側もヤケクソというか、錯乱しているというか、混乱してると思いますね
最後の救いを、この機械に求めてる感じです
まぁ、これしか無いからね
それが実験内容から見て取れます
入力: 既存の物理学は全て間違いになった。
出力: Yes.
2通りの解釈ができる
・全て間違いになった→既存の物理学の答えや挙動が別に置き換わった
・存在が消えた→それならN/Aを返しそうな気もする
どちらにせよ、俺たちの知ってる物理学は”全て”間違いになったらしい
入力: 人類は滅亡する。
出力: Yes.
きっとこれを入力したやつは、ワンチャン
「No」を返してくれる事を期待したのでしょう
入力: 私は救われる。
出力: N/A
「No」を返すかと思ったら「無効」を返しました
何を意味するんでしょうね
「救い」という概念ではない、別の結末が待っているとか
世界終焉を起こした奴が「救い」という概念すら消したのかもしれません
あるいは、これから起きる事が「救い」かどうかはお前次第という意味か
入力: 人類は滅ばない。
出力: No.
「私」は「救われる」かわからんけど
少なくとも「人類は滅びる」らしいです
まぁもれなく全員死ぬんでしょう
2回前に同じような質問してるので
よほど今の現実を受け入れることができない感じなんでしょうね
入力: 地球は滅亡していない。
出力: No.
どうやら、すでに地球は滅亡しているようです
まぁ、宇宙終わってるのに地球が残ってるのもおかしいよね
そうすると説明しがたい事もいくつかあるっちゃあるけど
地球が滅亡して、何もなくなったか、または新たに生成された空間に
サイト-VOX、サイト-01は現実除外機能とやらで
首の皮一枚でつながっている。そんな感じなのでしょうね
入力: スクラントン-アナスタサコス理論に基づく過去-現在-未来の時間流構造は正しい。
出力: No.
世界終焉までは正しかったものが誤りになりました
たぶんスクラントン-アナスタサコス理論も既存の物理学と同じく
お亡くなりになったか、世界終焉を起こしたやつによって
過去-現在-未来という概念すら無くなった異常世界が構築されたとか
そんな感じなのだと思います
入力: ラング・スクラントン博士は生きている。
出力: No.
たぶん、SCP-3001の異常空間ごと消滅したことにより
スクラントン博士は死んだというか、存在が消えたと思います
ラング(妻)のほうを指してるのかもしれないが
どちらにせよ両方消えたと思う
入力: 死にたくない。
出力: N/A
おそらく、冷静な財団職員なら、このオブジェクトの
「Yes」か「No」で返せる質問しか答えない性質を認知してるため
このような質問をしないはずですが、これは切実な気持ちから生じた
入力だと思います
当然だろうけど現場はほぼ確定した滅亡に疲弊していると思われる
入力: サイト-VOXは10日以内にその機能を維持できなくなる。
出力: Yes.
財団の見解だと「1か月以内にSCP-001の影響を受けて死亡するもの」とされていましたが、自体はもっと深刻で、猶予は10日も無い事が判明しました
財団の1か月以内は「エネルギー枯渇による現実除外機能の維持の困難」が理由でしたが、そうなる前にもっと別の理由で死ぬっぽい感じ?
現実除外機能による守りをも破るほどの強烈な空間湾曲を起こすとか
入力: 別次元に移動する方法。
出力: N/A
これも「Yes」か「No」で答えられる形式の質問じゃないですが
切羽詰まってたんでしょうね
某電卓なら答えられたかもしれませんが(私が発狂しない程度にって注釈もつけて)、残念ながら世界終焉の異常性に飲み込まれて無になりましたね
入力: 別次元に移動する方法は存在する。
出力: No.
たぶん、これ世界終焉が起こる以前なら「Yes(実際、財団はそういうアイテムを多数所持していた)」と返していたと思うのですが
この壊れた世界に別次元に移動する手段も残ってない事を示唆しています
あるいは別次元すら無くなったか
入力: 重力波は存在する。
出力: No.
世界が壊れる前には存在していたものが無くなった事を示唆する
「宇宙が不可逆的に崩壊した」という事から
たぶん宇宙は惑星どころか、形として存在するものが
何一つ無くなったんじゃないかなと思う
入力: 重力は存在する。
出力: No.
重力すらも無くなった
地球も含む全惑星なくなってる可能性高いですからね
重力の発生のしようがありません
入力: 1 + 1は 2 である。
出力: No.
多分、コレを入力した財団職員には
「1+1=2」という既存の常識が残ってたと思うのですが
この機械が現在の地球の情報から出した答えは「No」でした
ここにはもう、1+1が2という常識すら残ってないらしいです
考察
メタタイトル「正常崩壊」の意味
言葉通りだと思います
世界終焉シナリオによって、既存の物理学とか数学とか
宇宙の物理的構成要素どころか因果律(歴史)まで
ありとあらゆる正常がぶち壊されたお話かと
これ、使い方によっては「Thaumiel」になるんじゃね?
たしかに、ほとんどのことに「Yes」か「No」で返してくれるんだけど、
某電卓みたいに、どんな質問にも必ず答えを出すわけでもなく、「N/A」返す事あるし、質問次第で「解決方法」を提示してくれるわけではないので
便利なチャットGPTの域を出ないと思う
質問に答えを返してくれる系のSCPは結構あるが
こいつは代償や副作用みたいなものがないので、そこはいい所か
このオブジェクトと一緒に発見されたミイラは何者なのか?
たぶんですが、このミイラも、同じように過去に「世界終焉シナリオ」に巻き込まれ、同じように、この機械に縋っていたのだと思う
ただ、遺体がミイラとして残ってるので、
今起きてる終焉シナリオとは別の終焉シナリオだと思われる
このミイラの存在の意味をディスカッションで問われたさいに
作者が「重要ではないものの一応理由があります」と言ってたので、
たぶん重要ではない程度の意味合いとして考えるなら、これが妥当じゃないかなと
なぜ指向性を変える事ができないのか
壊れたとか、物語的な理由より、
「地球にはあって月には無い『大気は存在するか』みたいな質問」にも
正常に答えられるようにするための理由付けのための設定だと思います
存在しない2~3つの選択肢は、このミイラがご存命のときはあったが
たぶんなんか終焉シナリオで終わったんやろうと思う
そこは重要なことじゃなく、考えるべきは、
この機械が「どんな時も『地球』を基準に考える事」だろうと思う
地球は滅びたのか?
結論から言うと、Yes
地球どころか、月も土星も宇宙も滅びたと思う
その上で、この世界は既存の物理学も何も及ばない異常な世界に再構築されたのだと思う
それか、宇宙も何もない世界になったか
そうなると、この機械は「すでに滅びた星に指向性を設定して回答してる」というおかしな状態になる
それは、この機械も「現実除外機能」によって、財団職員と友に
滅びた地球の上に「地球に存在している」という情報が維持されたまま
なんとかかろうじて存在している状態になっているのだと思う
メタ的なお話
この作品が生まれた経緯
この作品は「令和三年度三題噺言霊競演」というコンテストで
作られた作品
由来は知らんけど言霊というか、身も蓋もない事言うと
「指定されたキーワードを含んで記事を作りなさい」というコンテストで
その条件に基づいて作られた記事
ようするに、ここに羅列されたキーワードを用いて記事を作る
この作品では
・ロストテクノロジー(ただし『失われた技術』に表現を変えてる)
・マイ・バイブル
・#(わかりにくいが、実験記録につけられてる#記号)
の3つが使われている
この作品が完全に読まれる日
たぶん無いと思う
上記の通り、何らかのテーマに基づいて即興で作られたっぽいから
色々と謎というか矛盾のようなものもある
・なぜ指向性が設定できないのか
・唯一指向性で選択できる謎の選択肢(惑星なのか?存在するのか?)
・ラング・スクラントンはそれぞれスクラントン現実錨の開発者である
夫婦それぞれの名前だが、夫のみの間違いではないのか?
(一応妻もあるtaleで死んでるんだが、それも加味した作品なのか?)
・スクラントン-アナスタサコス理論という語句がそのまま用いられた
SCP作品は1つもない
(似たような名前のヤツがSCP-2000に出てきてはいるが)
・地球上のあらゆる法則が死滅し、宇宙も崩壊した世界で
なぜDクラスが死なずに正常に調査ができたのか
など、これがわからないとなんとも言えない部分が多い
姫の一言
これがSCP-2980-JPじゃなく、SCP-004-JPなら
「この状況を打破する方法を私が発狂しない程度の方法で示せ」って
入力したら打開できたんじゃねーかなとか思う次第です
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