見出し画像

#5 「職場巡視の思い出」

産業保健もやもやハレハレ

この番組では、産業保健についてモヤモヤするけれど、身近に語れる人がいない!そんな孤独な産業保健職と一緒に、現場にありがちなモヤモヤを3人のパーソナリティと共に深掘りしてみます。

「職場巡視の思い出」のもやもや🌥️

よーた:今日のテーマは「職場巡視の思い出」ということで、産業保健職は職場巡視の時にどういったポイントを見ているとか、やばいの見つけてしまったときどう対応しているかなどを聞いて行きたいと思います.  いがさん何か「職場巡視の思い出」ってありますか?

いが:服装が面白いですよね. 格好から入るというかね。作業着を着てヘルメットをつけて二酸化炭素モニターとか脚絆とかをつけるんだけど、まぁテンション上がるよね笑 現場巡視って、産業医に現場に行く楽しさがありますよね。ある意味では社会科見学的なことないですか?

社会科見学みたいで楽しい

よーた:楽しいよね笑 こんなところで作ってるんだみたいな…

いが:そうそう

みずえ:最初は上の先生と一緒に巡視したの?

いが:最初はついて行くだけだったね。何したらいいのかわからなくてね

よーた:空回りだったんでしょ?w

いが:そうそう。空回りだったね。分からなくて質問しまくりだった

よーた:みずえさんは職場巡視とかどうなの?

みずえ:1−2割くらいの企業は先生と一緒に回ったけど、私は製造業とかなかったよ.  オフィスが多かったかな.  だからそんなに危険なものもないから、いがさんほどのテンションの高まりはなかったかな笑 よーたさんは?

よーた:俺はゲーム会社のスタートアップの職場巡視から始まったんだけど、お酒のあるバーカウンターがあったり、螺旋状階段があったり、最新のデザインの仕事環境とか、すれ違いで挨拶したり、めっちゃ楽しかったよ。

みずえ:へえ

よーた:でも、飽きてくるんだよね笑 オフィスって笑

みずえ:え、いいこと言ってたのに

いが:先月と今月で変わりないしね

みずえ:確かに笑 職場の情報を集めるって意味では大切だし、飽きるっていうとまた違うけどね笑

指摘が細かくてウザがられる

いが:最初の職場巡視ってすごい細かい指摘をしてしまうことが多くないですか? そして、それでうざがられるっていう笑 誰しもが通る道だと思うけどねー

よーた:いがさん色々細かく言ってたでしょ?笑

いが:色々言ったよ笑 僕もまだ若かったから色々指摘しちゃって多分うざがられちゃったのよ.  最初は銀行だったんだけど、途中から職場巡視をさせてもらえなくなって…巡視をあんまりできなくなったもん笑

よーた:そういう苦い経験聞きたいよね

いが:苦い経験だらけですよえね。僕は落とし穴専門家ですから笑 冷蔵庫も勝手に開けて怒られましたね笑

みずえ:それは怒られるよ笑

いが:あとは、知ったばかりの5Sとかの専門用語を使いたくなっちゃうんだよねー、で、ウザがられるっていう…www

よーた:またそれじゃん笑

理想の職場巡視は、“当事者意識”を持つこと

よーた:職場巡視を含めて、現場に行くことの理想的な姿ってなんなんだろうね.  つまり、我々が行くことでどんなバリューアップがあるんですかっていうことなんだよね、職場巡視って

いが:ふむ…

よーた:作業環境管理、作業管理が目的ではあるんだけど。チェックすることで新しい気づきを現場に渡すことで、働き方とか、健康を損ねないような気付きを渡すべきなのか、積極的に関わってPDCAを回す存在していくのほうがいいのか・・

みずえ:理想ってむずかしいよね. 多くの企業はそんなひどい企業じゃないと思っているんですよ私。今の日本の企業では、すぐに怪我するとか、命落とすとか。だからこそ、エンパワーメントじゃないけど、一緒にやりましょうっていう切り口がいいのかな. 監査する人ではなく、、、監査して改善を待つだけじゃなく、現場の人と一緒に作っていこう!ってスタンスの方がしっくりくるのかなと私は思ってるけどね

いが:みずえさんの言っている「一緒に作っていこう」というのは、つまり “当事者意識“ なのかなと僕は思っている. 働いてる人から「この人は現場のことを知ってる人なんだ」、「この人は当事者意識があるんだ」って思われることがまず大切なんだと思う

みずえ:現場のことを知ってるのも大事だけど、 “知ろうとする姿勢“ も大事だよね

いが:確かに。それ大事だね

皆さんは僕のことを専門家だって思うかもしれないけれども、僕にとっては皆さんが専門家です。だから現場のことを僕に教えてください

みずえ:なんかさ、この前産業医が社員さんに言ってたかっこいい言葉があるんだけど
「皆さんは僕のことを専門家だって思うかもしれないけれども、僕にとっては皆さんが専門家です。だから現場のことを僕に教えてください」って

いが:かっこいい!!

よーた:それ今度使うわ!!

みずえ:かっこいいよね! 惚れたでしょ?笑

オフィスに職場巡視って必要?

よーた:2人と話してても職場巡視でモヤモヤするのは、職場巡視の副次的なところに価値を見いだしているような気がして、例えば現場を知れるとかコミュニケーションをとれるとかね、でもそれは本来の目的ではないじゃん、それは自分たちの目的じゃん

みずえ:そうね

よーた:そう考えて行くと、もちろん必要というのは知ってるんだけど、そもそも職場巡視の必要性ってなんなのかなって。職場巡視っていらないんじゃないかと

リスクに応じて管理方法を変えたい

よーた:昔、僕は産業廃棄物の産業医をやってて、そこで職場巡視した時の経験があるから、職場巡視が必要なことをもちろん知ってるんだけど、、

みずえ:それは業種ごとに分ける?

よーた:うん。業種によってはもちろん必要だしあってもいいとは思うんだけど、理想の姿としてね. 例えば、いがさんが理想の姿に法律を変えれるならどうしますか?

いが:やらなくていいんじゃないですかね笑

よーた:笑笑

いが:最近話題の自律的管理って話があるじゃない。リスクに応じて管理方法を変えましょうみたいな。だからまさに(労働者が曝露する)有害要因に応じて合わせましょうと。ただ、何かあったときに専門家が見てましたよって言えるようにはしておいた方がいいよね。でも正直、今のやり方は若干古いよね笑

要するに頭を使えってこと

よーた:要するに頭を使えってことでしょ笑 リスクってものを職場の中において考えて頭を使って考えられたらいいんだけどね

いが:でもさ、「法令遵守」ってなると盲目的に頭をつかわずにやってしまう人は出てきちゃうのよ笑

みずえ:形骸化してる部分は多いよね

いが:会社としては法令でやらなきゃいけないことだから、このあたりのモヤモヤは晴れないかもだけど、理想としてはこっちなんじゃないかな笑.

よーた:なるほどー

いが:職場巡視も、やり方はさまざまでいいと思うんだけど、法令巡視だから通り一辺倒に巡視するってのは、状況によって変えてもいいと思うけどね

よーた:状況に応じて頭使って考えるのが大事だよね!

指摘は「すぐ言わない」で「褒める」

よーた:じゃあ、次は、やばそうな現場を見た時の指摘方法というか伝え方みたいなことを聞きたいんだけど、みずえさんは何かいい方法を知ってたりする?

みずえ:「すぐ言わない」ってことかな

よーた:タイミングの話?

みずえ:すぐいうべきことか、ちょっと待った方がいいのかどうかを選んでるのかな。あとは「褒めてる」ことかな。とってつけた褒め方じゃなくてね笑 いがさんみたいな積極的な質問してくる姿勢がまずベースで、さらにやばそうなものを見つけた時はすぐいうか考えてるかなぁ

いが:ほうほう

みずえ:選択基準の細かいところまではわからないけど、これならできるって相手が思うことはすぐ言って、組織の中で問題になりそうだなってところは一旦保留にしてどうしたらいいかじっくり考えるのかなと思ってる

よーた:本当にやばそうなシーンって、2種類あると思ってて、あからさまに誰が見てもわかるケースって団結感でるよね笑 

いが:そうだね笑

頭ごなしに否定せず、リスク認識を探る

よーた:でも有機溶剤を素手で触ってるみたいなパターンってそれとは違うよね。いがさんはどうしてる?

いが:そうだね、どんな作業にも歴史があるから、まずは頭ごなしに言うのではなく現場認識とかを聞くかなー。どうそのリスクを認識しているか探りにいって、その上で、どこまで組織を巻き込んで話をもっていくかを考える。 頭ごなしに否定せず探り探り言ってたりかな

よーた:その月は何もなくても嘱託産業医なら、その翌月来たときに、あれってどうなりました、みたいに聞いたりすると温度感も違ってくるよね

いが:時間軸の話だよね. それなんとか改善してほしいって気持ちはあるんだけど、一年とかグッと待つ、耐えるっていうのかな... 産業保健職は耐える能力は必要だと思うね すぐに「正したい反射」は出ちゃうんだけどね笑

みずえ:大人になったねぇ笑

いが:なったかな?笑

「職場巡視の思い出」のはれはれ🌞

よーた:上手い産業医の先生って、いいところをちゃんと指摘してるんじゃないかな。だって人ってネガティブなフィードバックを嫌うじゃない?笑 だから、いいところを見つけながら職場巡視をするって姿勢が大事なのかな

いが:たしかに。。。


よーた:・・・まぁ、きりもないから。今回はこの辺りでまとめていきましょうか!

興味関心を持つこと

いが:僕は、興味関心を持つことだと思います! 現場の人がどんなところでどんなものを作って働いているんだろうみたいな興味を持って職場巡視をすると楽しいし、あとは自然と当事者意識というか、一緒に問題解決に取り組もうとする感覚に繋がるのかなと思った。

機会を最大限に活かす

みずえ:私は2つあって、まずは「機会を最大限に活かす」かな。 現場を知るとか、興味を持って巡視するとか、あとは自分の存在を知ってもらうチャンスだとも思ってるんだよね、人柄を知って貰えば次にも繋がると思うの

よーた:確かにね

職場巡視じゃなくても現場を知ることはできる

みずえ:あとは、法的根拠がないから職場巡視をさせてもらえない看護職の人もいるんですよ。だから行けないってなったら他の人と比較しちゃったりしてしょんぼりする人もいると思うの。

よーた:かわいそう。。。行くべきなのに

みずえ:行くべきってプレゼンでもいいんだけど、めげなくてもいいってことを伝えたい笑

いが:職場巡視って枠組みじゃなくても現場を見に行くのがいいかもね

みずえ:そうそう. 「職場巡視って枠組みじゃなくても現場を知ることはできるよ」っていうメッセージを伝えたいかな

よーた:セキュリティの問題もあるから3年ぐらいの長いスパンで信頼獲得から始めてみるのもいいかもね

頭を使って職場のリスクを考える

よーた:俺は、法律を変えましょう!だね笑 頭を使って職場のリスクを考えることが大事だと思っていて、リスクは職場によって違うから、それぞれに合うように考えられる産業医になりたいな

みずえ:では今回はここまでということで。

またね〜!


音声ソース

Google podcast/

Spotify

amazon music


X(Twitter)での反応


次回は


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?