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がんであることを知られたくない

自分が病気であることを知られたくないのは多くの人の共通の感情です。
その気持ちを否定する必要はありませんが、なぜ、人に知られたくないのか、その背景にある自分の観念(定義)を見つめることが大事です。

たとえば病気=不幸ごとととらえている
または、病気になるのは、身体やメンタルの面で弱いからだ・・とか

現実から逃げている・健康管理がなっていないからだ・生活習慣が乱れていたからだ・・・
といった理由と結びつけているかもしれません。

病気は不幸な出来事だという観念から考えてみましょう。
たしかに病気には苦しいとかつらいなどのイメージがあり、喜びを感じられる体験ではありませんが、本当に不幸なことでしょうか?

がんと聞くとネガティブなイメージばかりかもしれません。
治らない・治療が苦しい・お金がかかる・家族の生活が壊れる・仕事ができなくなる・・
など、大変なことばかり思い浮かびます。

そして、その自分が抱いたイメージを他人が持つことを恐れます。
他人がそのような目で自分や自分の家族を見ることが耐えられないのです。

「かわいそうにねぇ~」
「これからどうなるのかしらね・・」
「(見た目から)治療はやっぱりつらそうね」

人よりも幸せ・人並に幸せでいたい
家族が健康で、仕事に恵まれていて、そこそこの豊かさもあり、順風満帆だと思いたい。人にもそう思ってほしい・・・。

そこに基準があると、その形が壊れるような「発病」のことは知られたくないのです。

しかし、そのように感じているのは、自分だけではありません。
多くの人が、その思いを持っているのに、見せまいとしているだけです。

ご近所の人も、同僚も、友人も、同じように、病気は不幸ごとだから、知られたくないと感じています。

その証拠に、少し勇気をもって、病気の出来事について話をしてみると、
「実は私の妹が・・・」「主人の母が・・・」「同僚が・・」
「私も数年前に・・・」という話が出てきます。

多くの人が「人様に話すことのない共通の話題」を持っているのです。
それだけ現代では誰もが関わる可能性のある病気で、特別に不幸なことや抱え込むようなつらい出来事ではなくなってきています。

もちろん、それを話題にしたくなければ、無理に他人に話す必要はありません。

しかし、自らががんの話題を提供することで、他の人も抱えていた苦悩やそこから得たものを理解し、自分や家族の心の糧にすることができるかもしれません。

またそれが、他の人たちのがんへの理解、人間的な成長を促すきっかけになるものでもあります。

もし、そこで興味本位に聞いてくる人や理解を示してくれない人は、そもそもこれから関係を持つ必要はないので、距離をおけばいいだけの話です。

なので、ひた隠しにするよりも、オープンにしてしまったほうが、楽に生きられることを前提に、がんであることを知られてもいいかな・話してもいいかな・・という気分になれば勇気をもって、自分を出してみてください。

そして、そのハードルを乗り越えたことを、自分の中でしっかりと認めてあげてください。
心を一段強くすることができた、その成長は他の場面でも
きっと役立つに違いありません。

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