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9月の終わりに

2020年9月30日、HIMEMIYAは最初の決算日を迎えました。

実は秋の気配が感じられるようになった頃から、しばらく止まっていたようなことが次々と動き出し、内心、いえ、大いにうれしい悲鳴をあげております(笑) 「ああ、一年・・・」と感慨に浸る時間がないようなスケジュールになっていますことを正直心より幸せに思っております。

一年前に思い描いていたような歩みはできなかったけれど、それでも一年前に想像できなかったことが起こりつつあります。
「よく耐えた!よく頑張った!」とおそらく神様にもおっしゃっていただけるんじゃないかな・・・まわりの誰も言ってくれないから、そんな風に勝手に想像しています。

今朝は「見積もり、まだですか〜」というお客様からのお電話で始まりました。先週お伺いした寺院様の分なのですが、いつもは遅くとも2日以内にベースの見積もりをあげてくれる棟梁からは音沙汰なし、「遅くなってごめんなー」という声とともに、見積もりレビューが始まりました。
見積もりは棟梁が叩き台を作り、それを細かく二人でチェックしながら完成させていくというプロセスを取っておりました。

このプロセスでも一年の間に、意見の食い違いがあったり、反省したり、それを改良に繋げたり・・・を何度か繰り返してきました。出来上がった見積もりはお客様に合わせて、私一人、棟梁とご一緒に、または棟梁一人で説明にあがることになります。

今回の見積もりは私たちにとっては「絶対に失敗できない(失敗したくない)」最初の一歩となるもの。覚悟を決めてかかろうという棟梁に全面的にお任せしようと思いました。

「お任せする」。
これがやっと最近できるようになったのです。

これまで仕事に置いては、全部自分でやらないと気が済まないタイプでした。部下に「お願いね。」と任せておいても、最後は必ず隅から隅まで自分で納得いくまでチェックし、気に入らなければもう一度作り直すこともありました。部下や同僚のの仕事も奪っていたような・・・今思い出すと本当に申し訳ありませんでした!と言うしかないようなスタイルでした。

お任せしてしまうと、自分の存在が否定されてしまうような気持ちだったんですよね。あなたじゃなくてもできるじゃない、つまりあなたは必要ないと言われるのが怖かったのだと今なら思えます。

自分で会社を立ち上げて見て、あれもこれもと試行錯誤でやっていくうちに気づいたことが二つ。一つは「自分で全部できない!!」と言うことと、もう一つは「皆で動かないと仕事にならない。」と言うこと。
だから「自分でやらない」と言って丸投げするのではなく、棟梁をはじめとしたビジネスパートナーとは「ここはお任せ、ここは任せてください。」と言う「分担」がようやくできるようになりました。
さらに「皆で動かないと」=「皆で動いてこそ」、つまり「皆で共有、協働したい」と言う思いが一層強くなりました。「ちゃんと動いて、お役目をはたしてもらう」、「マニピュレーター」としての本領が発揮できつつあります。

これが数年前にできていたら、とーってもよく出来た管理職の鏡になれていたかもしれませんね(笑)

棟梁もおそらくそれを感じてくれているのでしょう。
「ここは任せてもらえないか。」とおっしゃるようになりました。さらには「ここはあんたの出るとこじゃない。あんたの出番は他にある。」と言うことまで。以前の私だったら「私は必要ない?」と勝手に拗ねていたでしょうが、今は素直に「はい、お願いします。」「はい。そうします。」と言うようになりました。
もちろん自分で納得できればですが。

見積もり作業を終えて棟梁がおっしゃった一言。
「まだまだ学ばなあかんことが山ほどあるな。」

大工の道を極めた「現代の名工」、経営者としてもあらゆる経験をし、誰もが「器の広い人」と評する棟梁の一言ゆえに重みがあります。
そんな方と一緒に仕事ができる喜びを噛みしめながら、次の一歩に進んで参りたいと思う、9月の終わりです。

それにしても本当に一年、いろいろありました!
これからの一年、目標や目指すもの、「野心」はたくさんありますが(笑)
去年の今頃、一年後にこうなっていると想像つかなかった今があるように、おそらく来年の今頃も同じことを感じているように思えます。
でもどんな時も感謝を忘れずに、「学びを続けて」いくことができればいいなと思っております。


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