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「省エネ」への取り組み

こんにちは!今回ブログ担当の山田です!

福島選手から中身の濃いブログを!とバトンを受けとりましたので、いつも以上に熱を込めて長文ブログをお届けします!(若干いじられてるような気もしますが)

試合結果

まずは週末に行われた日体大記録会の結果のご報告です!

10000m
8組
稲毛選手 28分44秒32(3着)自己ベスト
赤平選手 29分06秒85(20着)自己ベスト
大川選手 29分56秒25(32着)
9組
熊谷選手 28分40秒98(8着)自己ベスト
10組
砂田選手 28分22秒83(7着)自己ベスト

「省エネの走り」への取り組み

さて、すでに個人レースもいくつか始まっているように、先日の東日本実業団駅伝の結果やプロセスを振り返り、チーム・個人として新たな目標に向けてやるべきことに取り組んでいます。

今の私の個人的な課題としては「ケガをしないで練習を継続すること」です。

「そんなこと競技者として当たり前のことだろ」と思われるかもしれませんが、残念ながら近年は一年以上練習を継続できておらず...その難しさを痛感しています。

一般的にケガの原因は様々と言われています。

  • オーバーワーク

  • 体力、筋力不足

  • メンタル(注意力散漫等)

  • リカバリー(栄養・休養)不足

  • メンテナンス(ケア)不足

  • 身体の歪みや動きの崩れ など

これらは複雑に絡み合って影響しています。そのため、当然これらを一通り考え、試行錯誤してきました。

その中で、今の自分にとって、一番改善の余地があるのは「動きの崩れを改善すること」だと考えています。なぜかというと、自分の場合、高強度の練習をすると少しの動きの崩れがケガに繋がってしまうからです。

そのため、『ロスなく速く長く走り続け、きつくなってもエラー(崩れ)を出さずに、無駄なエネルギーをなるべく消費しない走り』、そのような「省エネの走り」を手に入れることが「ケガをしないで練習を継続すること」に繋がると考えています。

とはいえ、それが難しいんですよね。。

例えば「長く走り続けるトレーニング」によって、身体はその刺激に適応していくので、ある程度「省エネの走り」になります。ですが、それだけでは限界があると個人的には感じています。

ですが良かれと思った新しい取り組みや意識が、かえって逆効果になってしまったり、「こうあって欲しい」という願望が強すぎて脳にバイアスがかかってしまい、なかなか客観的に評価できなかったり。

このように「省エネの走り」への取り組みは個人的に非常に難しいなと感じています。

では、どうすればいいのか??

別の「省エネ」からヒントをもらって考えてみたいと思います。

地球に生まれてよかった!!(環境大事)

企業の省エネとランニングの省エネ

話は少し変わるのですが、私は普段の業務では藤沢工場の環境を担当しており、工場内の「省エネ」の取り組みを業務の一部として行っています。

現在、各企業の「省エネ活動」は加速しています。

それは、日本国内だけでなく、全世界的にカーボンニュートラル(CO2排出を全体としてゼロにする)に向けて、エネルギーを効率良く使うことが求められているからです。

一般的に省エネには「事業の継続・成長」と「脱炭素に向けた変革」の両立が重要だと言われています。

そのために、各企業は、まず事業所単位でエネルギーの見える化を行い、その実態を把握します。その後、明らかにムダだと思われるエネルギーを削減します。

その上で、エネルギー効率化の施策(電動化(化石燃料→電気化)や施設・設備の最適化など)の費用対効果やメリット・デメリットを総合的に考えた上で、優先順位の高い施策へ予算を分配します。

そのようなポートフォリオや中長期的な計画を作成し、定期的にエネルギー排出量をチェックして分析することが重要だと言われています。

これらをまとめると次のような流れになります。

  1. エネルギーの見える化

  2. 明らかな無駄を減らす

  3. リソースを分配する中長期的な計画を立てる

  4. 定期的にチェックして分析する

一般的にはこのようにして、事業所全体のエネルギーの効率化(省エネ)を図るわけです。

これを「ランニングの省エネ」に置き換えて考えてみたいと思います。

1.エネルギーの見える化
練習で走ったタイムや月間走行距離などは分かりやすい形で定量化(見える化)されていますが、一方で、その数値の陰に隠れた「各関節への負荷度」や「筋力」や「体調」などの項目は見える化されていません。

ですが、その中から設定した「省エネの走り」や「ランニングフォーム」に大きな影響を及ぼすような指標については、数値化できなくても客観的なデータになるように何らかの評価基準を設けて、見える化することが大事だと思います。(例えばトレーナーに身体の状態を判断してもらい、それを記録するなど)

2.明らかな無駄を減らす
次に、走っている間に明らかにエネルギーのムダを減らすことに繋がる施策に対しては、今まで以上に意識していくことが大事だと思います。例えば、次のようなものです。

・「身体が固まってしまわないようになるべく座りっぱなしの状態を防ぐ」
・「ウォーミングアップやケアを入念に行う」
・「走っている間は細かいことを考えすぎない」

3.リソースを分配する中長期的な計画を立てる
さらに、「時間」や「体力」や「お金」や「意志力」などはその日、その瞬間においては有限です。その場で何かを選んだら何かを捨てるという選択を行わなければなりません。

そのため、施策の優先順位を決め、限られたリソースを分配していく。そんな中長期的な計画を立てることが重要だと思います。

例えば、良さそうなトレーニングが10種類あったとしても、毎日10種類すべてのトレーニングを行っていたら、(普通は)いずれ身体が壊れてしまいますよね。あるいは、「省エネの走り」を手に入れるための準備段階として、一時的には「省エネではない走り」でもやるべきトレーニングはあると思います。

そのため、(短期的には)リソースの総量を意識して「何をしないか」を選び、選んだトレーニングによる効果を最大化させる必要があるのだと思います。

4.定期的にチェックして分析する
そのうえで、①で見える化した指標に対しての達成状況などを客観的にチェックしていき、うまくいかない部分に対しては臨機応変に変更します。

そのように①~④の流れに沿って戦略的にPDCAを回す取り組みが「省エネの走り」に繋がり、ひいては「ケガをしないで練習を継続すること」に繋がるのではないかと僕は考えています。

それが結果的にFOMO(fear of missing out、取り残されることへの恐れ)を少なくさせ、スポーツで最も重要な要素である「自分を信じる気持ち」を最大化させるとも思っています。

もっと言えば、「事業所の省エネ」と「事業の継続・成長」が部分的にトレードオフ関係になるのと同じように、「ランニングの省エネに向けた取り組み」と「質の高いトレーニングをこなして短期的に強くなること」が部分的にトレードオフ関係になるのだと思います。それでも「自分を信じる気持ち」を強く持っていれば、ブレずにリーダーシップを持って、自分のやるべきことに集中でき、あるいは競技者として長期的に(持続的に)強くなれるのかもしれません。

まとめ

以上、今回は「省エネへの取り組み」について書かせて頂きました。

このnoteを書くために言語化するにあたって、「しっかりと振り返り、課題を見つけ、そのための施策をトレードオフ思考で考え、客観的にチェックをする」といった流れは必要だと改めて感じました。

とはいえ、スポーツでは時には思考をシャットダウンして感覚に身を任せる場面も必要です。でも、思考をシャットダウンして感覚に身を任せる癖がある選手こそ(自分)、過不足なくやるべきことに集中するために思考すべきだと僕は思います。

もちろん結果が悪かったからといって、0から考えるのではなく、既に十分に効果だと感じている取り組みについては継続したうえで、足りない部分については少しずつ改善して、前に進んでいきたいと思います。

今回は同じ「省エネ」に関連して、スポーツとビジネスの繋がりみたいなものを考察してきました。

「だからスポーツとビジネスは繋がっているのである。この発見はすごい。」と偉そうに言うつもりはありません。でも、選手として「ひょっとしたら、今自分がこんな風に一生懸命取り組んでいるスポーツは社会のどこかと繋がっているのかもしれない」と自分なりに考察することは、競技からの学びを広げるという意味でも大事なことなんじゃないかなと最近になって考えたりしています。

そういう意味でも、僕なりに競技を通して一生懸命考えて言語化したこの思考が、いつかビジネスの現場でも何かの形で転用できたらいいなと漠然と想像したりしています。

今回も普段のブログとは違って浮いているような気がしますが、、、最後までお読みいただき感謝です。

では次回は三宅選手です!よろしく!

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