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お疲れ様、そして安らかに・・・最愛の娘、若珈(モカ)①

2022.3.10(木)22時8分、私の愛する娘が、「虹の橋」の麓へ旅立ちました。
生前、糖尿病を患い必死で闘っていた我が娘。12歳という年齢は、昨今の猫の長寿化を考えれば、短く、儚く思う年齢です(ヒト年齢64歳程度)。

死因は「糖尿病の合併症 急性腎不全」です。

生前は、モカの様子を書くことは、彼女に申し訳ない気持ちが立って書けませんでした。ネタにする様な感覚がどうしても許せなかった。闘っている様子を記事にしても、モカが糖尿病を離脱する訳ではないのですから。
書かずにいたというよりは、書けなかった・・というのが正解です。

愛娘の姿が見えなくなってしまった今、どうしようもない虚無感が拭えず、このやるせない自分の気持ちを整理するため、記録すことにしました。

今、糖尿病という病、そして腎不全という病で苦しみながらも諦めずに闘っている猫ちゃんや、一緒に闘うオーナーさんの役に立てれば本望です。

2022・3・12 「ペット山麓(つくば山)」にて火葬・葬儀し、モカも自宅へ帰宅

(過去の記事にも書きましたが)彼女と共に病魔と闘うため、私は7年半勤めた会社を退職する決断をしました。

ですが、正直、すぐに退職とはいきませんでした。
昨年の10月から、会社との話合いはしばらく続き、いっときは、モカの介護と仕事の両立を提案されるまま、有給と遅刻早退を駆使してなんとか両立をはかりました。基幹職で責任もある。必要とされていることに、感謝せねばならない・・と、会社の厚意を無視できない思いも、私の中に強くあったからです。
今思えば、自分の判断力の低下が招いたいっときの判断ミスだったのかもしれません。糖尿病という病との格闘は、そんなに甘くはなかったのでした。

血糖値の安定しない日々が続き、コントロールは難しく、いつまた急変するか判らない。インスリンによって低血糖にもしばしば陥り(測定器の数値でLO)、かと思えばHIの高血糖続きで投薬が効かなかったり・・・血糖値に翻弄される毎日。

高血糖状態が続くと、いつまたケトアシドーシスに陥るか判りません。糖尿病ケトアシドーシスは糖尿病の重篤症状で、また命の危機に瀕してしまう。
高血糖が続くと、排尿が困難な状況に陥りやすく、尿毒症や腎不全になってしまうような合併症のリスクもある。
インスリンが効きすぎると、あれよあれよという間に血糖値が下がり始め、50mg/dlを切り40mg/dlになり、その後測定不能で計測器には「LO」が表示される。低血糖になると震え出し、命の危機が訪れてしまいます。

75mg/dl~180mg/dlの間くらいの血糖値で、おおよそ推移できる様に、毎朝晩のインスリン注射でコントロールしていくことを目標に、その日の血糖値をみてインスリン量を調整する。その繰り返しになる。

タクシー往復で2万円・・・通院代も馬鹿にはなりませんが、すぐにでも主治医のもとに連れていかねばならない状況もしばしば。
仕事をしていても心ここにあらずの日々が続き、自分の選択で自分の首を絞め続ける日々が2ヶ月ほど続きました。

ようやく、2月末での退職が認められ、2月10日から末日までの有休消化となり、モカとの時間も取れる様になって、さて彼女と寛解を目指して頑張らねばと意気込んで丸々1ヶ月経った、ちょうど3月10日。

測ったかの様に、ちょうど1ヶ月で・・・彼女が虹の橋の麓へと旅立つなんて。
二日後には、いつもの様に病院に経過を診てもらいに行くはずなのに・・。

糖尿病という病は、本当に恐ろしいものです。
静かにそして確実に身体を蝕み、急に手遅れの状況に陥らせては苦戦を強いる、悪魔です。

当店のモデルも頑張るモカ 3月6日(日)

2022.3.8(火)午前7時
大量の胃液の様な嘔吐物を目にし、その直後、食卓テーブルの下でさらに大量の、透明な液体を吐き出すモカを見た時に、嫌な予感を覚えました。
きっと、お腹が空いて食べたのでしょう・・近くに、ドライフードの嘔吐物も大量にありました。胃液のような大量の嘔吐物を目の前に、ガクンと首を垂れ下げて、嘔吐物をじっと眺め、落ち込むモカの姿もありました。

今でもうな垂れてたたずむモカの姿が、脳裏に焼き付いて離れません。
モカを包むその空間だけが、時が止まったかのようにシンと動かず、ズンと沈み込む様な不思議な感覚を覚えました。

今思えば、体に起きている最悪な異変に彼女はこの時、気づいたのかもしれません。昨晩までは元気もあり、夕飯の食卓で食べ物をねだり、隙を狙うような元気さえあったのです。

すぐに病院に連れていかなければと焦りました。
通院は、私が車を運転できないので、タクシーか主人に頼らざるを得ません。
主人に頼むも、午後なら調整できそう・・というのを、なんとか今すぐにでもと頼んで、動物病院へ向かいました。

この日、血液検査の末、衝撃の事実が発覚しました。
3/8は厄日でした。

毎日、数時間おきにモカの血糖値を計測しているリブレ(血糖値測定器)が、実際の血糖値の数値と200以上も乖離した数値を表示していたことが発覚したのです。
そのせいで、いつからか、うまくインスリン投与のコントロールがでなくなっていた可能性が高いということに、主治医が明言せずともピンときました。

安定していると思い込んでいたが、実際は+200以上の乖離があった(3/7測定画像)

2022.3.7(月)
3/8悪夢の日の前日にあたるこの日、私は、主治医にぬか喜びのメールを送っていました。

リブレ(血糖値測定器)の数値が100〜250の間で推移することが多くなり、ここのところ急激なアップダウンも少なくなってきているので、以前より、寛解(糖尿病離脱)の可能性が見えてきたと喜び、メールを送っていたのです。

この日はまだ、モカが糖尿病を離脱し、注射や投薬から解放され、以前のように元気を取り戻す姿さえ想像していたのです。翌日に死神がモカを攫いにくることなど知る由もなく。

主治医の先生からの返信も、離脱の可能性を感じ、喜んでくださっているものでした。次回の診察で、モカに会えるのを楽しみにしてくれていたのです。

計測のたびに頭を撫でて、「優秀な子ね」「すばらしい!いい調子」と元気付ける日々が10日ほど続いていました。
なのに・・・このポンコツ機械に、ずっと騙されていたなんて。

このメールの翌朝に悪魔がやってきて、希望を打ちのめし、最悪のドッキリを暴露して、モカを暗闇に引き摺り込み、私を奈落の底に突き落としました。

(リブレ測定器のアボットジャパンを訴えたいくらいです)
やり場のない怒りがおさまりません。

リブレの血糖値測定器は、一回装着するたびに7000円程度かかります。
2週間事に身体に身につけるセンサーの方を交換・装着し、繰り返します。
上の写真にあるモニターは、そのまま使い続けることになります。
きっかり2週間ごとでなければいけません。

誤った測定結果に踊らされていたなんて・・・。

落胆は、数値の乖離だけではなく、確実に糖尿病という病がモカの身体を蝕み、以前よりも増して多くの項目で異常な数値結果をしめすようになっていたことです。

肝機能や血中尿素量が高かくなっていました。
一晩分くらいの尿も膀胱に溜まっており、排尿がまたもやできなくなっている恐れもでていました。
この日、圧迫排尿で溜まっている分はすぐに出してもらいましたが、この数時間後、自力での排尿はおろか、先生の圧迫排尿ですら尿を出すことができなくなる現実がまっているなんて、この時は知る由もありません。

病院で計測したリブレの値は300mg/dl台 実際は600mg/dl (3/8)


ケトン体も4+になっていました

尿にケトン体も出ていました。

「明日また来れますか・・」の問いに、夫は仕事で難しいというので、私がタクシーで往復するか、一泊入院で様子を見てもらうかの二択となりました。

この時、このケトン体4+血糖値600超えのままで、連れて帰る選択は私の中には既にありませんでした。このままでは、以前のようにケトアシドーシスの重篤状態で、また緊急入院の可能性が高いからです。
夫と主治医には、タクシーで往復2万かけてこの状況なら・・と、1泊だけ入院で様子を見てもらうことを希望しました。

診察室から出て、入院手続きに入ったとき、手続き中にモカがキャリーケースの中で濃い緑の液体を嘔吐し、ぐったりと横たわっていました。
誤飲なのか、内臓系のものなのか・・・見たこともない抹茶色の嘔吐物に、頭はほぼパニック・・・。
今朝は透明な胃液のような嘔吐だったのに・・・この液体は一体何なのか。

濃い緑色の、抹茶の様な嘔吐。先生に伝えた。
「では、そのまま預かりますね」・・キャリーのままモカを病院に預け、帰宅することになった。

その時はそれでもなお、またモカが回復して、少しは元気になって明日か明後日には会えるはずだと、勝手な希望を持っていました。

主治医の先生は、精一杯対応してくれたと、感謝しています。

ただ、今となっては、なぜリブレ測定器の数値を必要以上に信じ、通院のたび血液で血糖値を検査しなかったのか・・・という後悔に似た疑念も拭えません。
リブレ測定器に多少の誤差が生じることは、機械なので仕方がないとわかっています。そうとは言っても、200以上の乖離は許されないのではないでしょうか?
血糖値なら、耳に少し針を刺すだけでも計測はできますので、リブレの数値だけではなく、血液による測定も並行して実施できていれば、おそらくもっと早くにリブレと実際の数値の乖離に気がつけたはずです。

それが難しいのも理解しているつもりです。耳に毎日針を刺すのは、猫の耳を傷つけ、猫もとても嫌がる傾向にあるから、この機械に頼ることにしたのですから・・。

もっと早くにリブレの機械の不具合や、数値の乖離の現状に気がつくことができていたら、今頃モカはまだ糖尿病と闘い続けていたのでしょう。

この乖離が先生にも初めての経験だった様子ですから、仕方がないと言われてしまえばそれまでです。

血糖値のコントロールがうまくいかなかったのは、リブレ測定器のせいにほかなりません。

他院のドクターに後日このお話をしたとき、リブレ測定器の導入自体がまだ日が浅く、実際との数値に多少の差はあるもののそこまでの乖離を記録した症例が少ないか無いため、気づくのは難しかったのでないかとのことでした。

この、モカの貴重な、そして命をかけた体験が今後のリブレ測定器によるトラブルや、モカのように命を失う結果に至るようなことが起きないように、これからに役立ててもらいたいものです。

不運が続いたとしか言いようがないのでしょうか・・・私も夫も、もっとこの機械を疑い、今更ながら血液によるより正確な血糖値の把握をお願いできていれば・・と自分たちの無力で無知で楽観的性格に、嫌気がさします。

リブレのセンサーを背中につけはじめた頃のモカ この後背中のほぼ一面が毛を刈られかぶれで痒みも

せめて、いつからどのタイミングから、どの様な理由でリブレの数値に乖離がで始めたのか・・・なぜ、リブレの数値を多少は疑い、血液による血糖値の把握をもう少し頻度を上げてできなかったのか・・・。緑の嘔吐物の際に、緊急処置が必要な状況と判断はし得なかったのか・・・。

リブレ測定器のせいで、インスリン投与量が適切にできずに高血糖が続いてしまったことが、合併症を起こし、急死に至らしめたということは、素人にもわかる事実です。

悔やんでも仕方がありません・・・もう、モカはこの世にいないのですから。

②に続きます。
読むのがお辛いかたは、ご無理なさらないでください。

2022.3.10 火葬前 たくさんのお花とオシャレ好きなモカのワンピースと、おやつと、私たちの臭いがするマフラー・ネクタイを共に・・・


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