2023日本ダービー 予想

個人的に、1番ワクワクするレースは皐月賞だ。
各路線の実力馬が一つのレースに集まってぶつかる。
初顔の相手も多い中で、どの馬が強さを見せるのか。
一着になる馬は当然強いが、その先を見据える馬もいれば幼さを感じさせながらも素質を示す馬もいる。

私にとって、日本ダービーは答え合わせ。
その世代のレースを新馬戦から見てきた上での、どの馬がダービー馬になるかの答え合わせだ。

まだ競馬を初めて数年のひよっこではあるが、当たり外れは別として予想はあまり迷っていない。
考えたり悩んだりするレースではなく答え合わせをするレースだという印象が年々強まっている。
レースに先んじて、今年の、23世代に対する私の解答をここに書き記しておく。

ー*ー

年に一度のダービーは、血統派(を自称する者)としては有馬記念以上に気合いの入る予想。
そういうわけで、普段とは違い全頭に対して印の理由を書くことにした。
つもりだったが、間に合わないので諦めた。

◎ソールオリエンス
○タスティエーラ
▲ハーツコンチェルト
△ファントムシーフ
☆フリームファクシ
✔︎1トップナイフ
✔︎2ノッキングポイント
✔︎3ショウナンバシット
消1スキルヴィング
消2シャザーン
消3べラジオオペラ
消4メタルスピード
消5ドゥラエレーデ
消6サトノグランツ
消7ホウオウビスケッツ
消8シーズンリッチ
消9バクスオトマニカ
消10グリューネグリーン

✔︎と消に関しては数字の順番が期待度の順。
印は全てダービーにおけるオッズを含めた期待度のつもりなので、そのまま素質の評価ではないことを理解してほしい。例えばドゥラエレーデなどは特にである。
以下、それぞれ書いていく。

ー*ー

◎ソールオリエンス
強い。
中山であの位置から差し切るのは、展開利では説明がつかない。
ワールドエースに例える人もいるようだが、上がりの足がまるで違うのは誰でも分かるだろう。

そしてこれは毎度言ってることだがキタサン産駒は成長するまで府中に成績が偏っている。(京都はデータがまだ少ない)
中山や阪神の坂を越えられないからで、あのイクイノックスですら皐月賞では坂で止まっているのだ。
そうしたことを把握した上で皐月賞をもう一度見てもらえば、この馬の強さが分かってもらえると思う。

道中の位置だが、最後方にはしないだろう。
最近の武史の傾向だと差しなら外の中団やや後ろ、先行なら内から2列目。
内枠なので後者の競馬ができれば確実に勝てると思うが、心情としてエフフォーリアの件を考えれば武史は仕掛けを我慢したいはずだ。
もしこの馬が負けるとしたら武史が後ろすぎたり仕掛け遅かったりして届かない展開だと思う。差されるという負け方はしない。
逃げない限り、この馬を差せる馬はいない。

距離については、全く心配していない。
私はキタサン産駒全体としては適性距離のベースが2000ほどなのではないかと思っている。
当然それは母系によって変わるわけだが、ソールオリエンスの場合は長くなるタイプだろう。皐月賞の反省記事に血統については記載したので、そちらを参照されたし。
皐月賞や京成杯では道中スローとはいえ加速ラップを刻んでいる。3戦全て加速ラップはディープもそうで、あの馬もステイヤーだった。
気持ちとしては2000もやや短いぐらいかもしれない。脚を使い切っているわけではないので、府中2400のロンスパ戦なら更にパフォーマンスを上げると思う。

○タスティエーラ
皐月賞の競馬に関しては、ハイペースではあったが前潰れではなく内潰れであったと解釈している。
そのため道中ずっと外を回していたタスティエーラは、それほど負けて強しだったかというと疑問だ。(少なくとも他の馬よりは強い競馬をしたが、バイアスにどこまで逆らったかという基準での話だ)
例えばファントムシーフ/ルメールはフリームファクシ/レーンとほぼ同じところにいたが、レーンを内に閉じ込めてから差し足を伸ばした。ハービンジャーとルーラーシップの差はあるにしても、あれだけ着差がつくほど両馬に実力差があるだろうか。

ではなぜタスティエーラが対抗なのか。
まず血統面から話をすると、キレ味よりも持続力が売りなのは明らかだろう。
ただそれと府中適性というのは話が別で、サトノクラウンはダービーで3着に来ている。あのリアルスティールにも先着しているのは、ダービーにロンスパ傾向があることや鞍上がルメールだったことを考慮しても十分な実績と言えるだろう。
当然皐月賞の方が条件は向いていただろうし菊花賞の方が買いやすいだろうが、だからこそダービーは穴になる。

何よりこの馬のパフォーマンスとして、元々は東京での新馬戦が良い勝ち方だった。
だからこそ共同通信杯でも人気したし、そこでも1800という距離でスローの展開ながらも好走している。
皐月賞の時に書いているがファントムシーフとの差は現時点でほぼない。共同通信杯の時は向こうが完成度と鞍上で上回っていただけだ。

最後に一つ言っておこう。
皐月賞で先頭に立ったあと、この馬は抜いている。ソールオリエンスに交わされてからもう一度加速して3着以下を突き放している。
前走がメイチと疑われているが、堀がわざわざしがらきのスタッフを天栄に連れていったりひている。皐月賞と違って今回は追い切りも極めて順調だ。
まだ底を見せていないのだ。

▲ハーツコンチェルト
まず何といってもキレ味。
決め手があるというのはやはり強みで、しばしば日本のレースは最後の脚比べになる。
ダービーは出遅れるような馬は基本的に話にならないので、普通にゲートを出てそれなりの位置さえ取れたなら、この馬が好走する可能性はかなり高い。

血統的にも馬体的に東京2400は向いている。というかベスト条件ではなかろうか。
なおその理由は既に多くの予想家達が挙げているだろうと思われるのでここでは割愛する。
サンデー系×米国系といった話だ。

青葉賞というローテは嫌われるだろうし、その青葉賞の中でもメイチじゃなかったスキルヴィングに負けたのはいかがなものか。
その指摘は分かるのだが、オッズを考慮した結果、別路線組から買うなら私はハーツコンチェルトとノッキングポイントだと判断した。

△ファントムシーフ
強烈なインブリードが目を引くが、まず全きょうだいの遺伝子一致率は50%だから実質2×2なんてものではないということは血統派として言っておこう。
その上でダンジグ系デインヒルのクロス、そしてダンシリを意識したさらなるクロスがどういう意図で行われているかということを考えたい。
それは単純で、スピードだろう。

今回、人気上位4頭においてサンデー系キタサン産駒が2頭、サトノクラウン産駒が1頭、ハービンジャー産駒のこの馬が1頭という状況になっている。
タスティエーラにキレが足りないと指摘する人の多くは2番手ないし3番手の評価をファントムシーフにつけているが、この馬にもキレはない。
ダンジグのスピードと早熟性と操縦性という総合力の高さで戦ってきた馬であり、そういう馬が勝つのは皐月賞だ。
皐月賞で先行しなかったのは、ペースが早かったのとレーンを抑えるためだった。ルメールの読みでは共同通信で負かしているタスティエーラは問題なし、ソールオリエンスは最内でロスの多い競馬になるのは間違いなし、そうしてレーンを警戒したのだろう。あの週のレーンは特に勝ちまくっていたのもある。
だが結果として、ファントムシーフはメタルスピードをかわすのがやっとであった。
ソールオリエンスにはキレで圧倒的な差があり、タスティエーラの持続力の前に届かなかった。

なおルメールは関係者と話す時に、この世代の良い馬としてファントムシーフを挙げていたという。スキルヴィングではなく、だ。

☆フリームファクシ
ルーラー産駒らしく気性は問題あるのだが、距離はこなせるだろう。
右回りの重馬場から左回りの良馬場になるのもこの馬にとっては確実にプラスの要素なはずで、それでこの人気なのかという気持ちがある。

皐月賞の時はレーンなのもあって4番人気。
それが9着に負けて隼人に乗り替われば11番人気(当日10時現在)。
吉田隼人は過去1回しかダービーの騎乗はないが、その時ステラヴェローチェで3着に入っている。グレートマジシャンとサトノレイナスを抑えての3着は評価されていい。
ステラはバゴ産駒で、決して府中高速2400に特化した馬ではない。その馬で好走している、しかもハナ差で上2頭を競り落としているのは馬だけの実力ではない。
こんなに嫌われるような騎手ではない。

ソダシの乗り替わりは気にしなくていい。
むしろソダシでの先行押し切り競馬の経験は今回に活かせるだろう。
再び須貝とのコンビ。前回同様に舐められた実力馬を持ってくる可能性はある。その条件は揃っていると思う。

✔︎1トップナイフ
ホープフルは実質勝ちだと思っている。
そんなことを言ってしまうと勝ち馬に失礼ではあるが、自分で展開を作ってクビの上げ下げで負けたのは、内容としては勝っている。
それから弥生賞でも狭いところを進んで2着にきており、タスティエーラとは0.2差。
皐月賞ではノリ曰く「導かれるように出遅れた」こともあって残念な結果になったが、ノリはあの位置になった時点でダービーに照準を切り替えただろう。もとより仕上げも緩かった。

府中2400という条件は正直のところ合わない。
合わないが、ダービー2勝は現役だとミルコに並ぶ2位タイ。騎手は勝ち方を知っている。
良くも悪くも何をするか分からない馬と騎手なわけだが、ここまでの安定した成績と内枠を引いた幸運を考えれば、何かに期待して勝ってみるのも悪くない。

✔︎2ノッキングポイント
こないと思う。
こないと思うが、実は買い要素はふんだんにある。
その中でオッズがかなりついているので(単勝3桁)、抑える価値があるという意味の印だ。

まず血統面から話をすると、父モーリスは晩成馬だが母チェッキーノはオークス2着。
この馬自身も新馬戦を快勝しており毎日杯でも好走。

加えて新馬戦のラップが極めて良かった。いきなりダービー馬が現れたと驚いたものだ。

さらに今回はその新馬戦以来の出来だという。追い切りの時計もよく、ストライドがよく伸びていて府中向き。高速馬場でのロンスパ戦はモーリス産駒の十八番だ。

恐らくはサウジアラビアRCを見てドルチェモアにすらキレ負けするのかという評価なのだろうが、今年の毎日杯は評価のボーダーである1:47:0を切った46秒台での決着。
過去に毎日杯からダービーを取ったシャフリヤールも、共同通信ではエフフォーリアに千切られている瞬発力に欠ける馬だった。
この馬を諦めるにはまだ早いと思う。

✔︎3ショウナンバシット
シルステ産駒2頭のうち、買うならこっちだろう。
母も米国血統でパワーに寄りすぎているが、皐月賞での内容と着差を考えれば嫌われすぎている。
ましてシャザーンとはオッズが離れすぎていて、シャザーンとてカナロア産駒だろうにと思わざるをえない。

ーーー

消した馬に関しては数頭ピックアップして簡単に。

まずスキルヴィングは状態がよく見えない。
能力に自信があれば2400に拘らず新馬戦勝ちだけの賞金で共同通信杯にきている。参戦しなかったのはルメールに選ばれなかったからだろう。府中が向いていると言っても1800で勝つ自信はなかったということだ。
青葉賞を勝ったのにダービー出走発表にラグがあったのも怪しい。追い切りでは手応え悪く助手の手が動いてようやく先着、万全ならルメールが乗って馬なりで交わしているのではないか。今まで追い切りで時計を出さなかった馬が本番前で時計を出してるのも臭う。悪い意味でいつもと違う馬が2番人気なのは消したい。
もしスキルヴィングの鞍上が松山でハーツコンチェルトの鞍上がルメールなら、人気も変わっていただろう。

続いてシャザーンだが、距離がまずどうなのか。
そして鞍上もまた府中では重賞勝ちがない。中京に偏っている。追える騎手だが、本気でダービーを取りたいなら別の騎手を乗せるのではないか。金子の指名なのかもしれないが疑問は残る。
追い切りはとても良く、人気するのもわかる。まるで馬が変わったようだというのも、重馬場から良馬場になるのも良い。
だがあくまで穴なら買うという馬だろう。この馬もベラジオオペラも良い馬だが、買うのは今じゃない。そう思ったので消した。

メタルスピードは追い切りもよく津村も良いが、残念だが掲示板までだろう。距離がもたない。
シルステならショウナンバシットの方が買えると思ったので消した。

ドゥラエレーデは良い馬だがダート馬だろう。
母父オルフェでつなぎも立っている。勝ったホープフルも荒れた芝の粘り込み。ウイポで言うなら芝○ダート◎という適性だと思う。仮に内枠だったとしても切っている。

ー*ー

ソールオリエンスが圧勝する。
負ける気がしない。
エフフォーリアのとき、負ける気がしないと言っていたら負けてしまった。
あの時の悔しさは忘れない。武史も忘れていない。
絶対勝てるなんて言うとフラグを立てているような気がして不安になる。
でも勝つ気で挑んでいる騎手や馬や陣営に対して、ファンが弱気になっても仕方がないだろう。

ソールオリエンスが絶対に勝つ。
三冠を取る、歴史的名馬になると思う。

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