地獄の門/Dulles N Manpyo著

Aug 10 2022
@iDilles

(「ピエロのおねだり」から続き)そして、キエフも今は何を得たいのか。国家存続のために何が必要かについて興味も関心もないものと見える。

ウクライナはすべてを奪還できる。ドンバスやクリミアも年内には奪回できると曰うのも、中国主席と直接会って話し合いたい……と言った浮世離れしたハッタリのアリバイ作りも興味関心ない人間が、やってますを詐弁するための長広舌であることを識っていながら切るに切れない。

その欧盟もこれでは埒があかないとバルト諸国に第二戦線を作ろうとしたが、第二戦線どころか、小国過ぎて数日内に占領されるとのNATO軍の分析に慌てふためきキャンセルするなど格好な前線はコソヴォ、カスピ海と踏んだものの、ここに戦線を開くなら大国間直接衝突、欧州のみで済まない事態になりかねないことから、回り回ってキエフに戻ってこざるを得なくなる。

援助の殆どが山分けされ一部はワシントンの何処かの通りのポストショップの私書箱に置かれ引き取られる。

兵器はファミリー傘下が転売している。国共内戦下の国民政府を髣髴とさせる。この惰性が続くなら、最速ウクライナは大した意味がなくなってしまう。

欧盟の存続の是か非かに移ると述べたように、西欧全体の危機的状況になる。ウクライナにうんざりしているのが、西欧の人々の際立った特徴だ。どれもささくれ立っている。

自らの政府に優先順位が違うではないか。国内課題が窮迫している、こちらが真っ先だと要求する西欧の人びとと政府姿勢とは真逆になり、却却抜き差しならない矛盾の増大へと急加速するだろう。

現に欧盟の核心引率国家である独自身が膠着した政治的枠組が国家の障碍化に転じ、進退窮しつつあり、その一体性の分解まで及び兼ねない進行を見せている。

仏は権威が漂流したままの状態だ。このような西欧が行なっているのは、枠組への強い執着とキエフからいかに距離を置けるかの、余白なしの中での付け刃的な態度と措置風だ。

そのひとつがアムネスティによるキエフ告発である。アムネスティ報告は、ナチス・ウクライナ側が、都市部の学校、病院に武器を配備していることは国際法違反だと結論づけた

これらは特別軍事作戦以前の、キエフによる東地域弾圧時点で当たり前に行われ、作戦以降も専らとしていることだった。

多くの戦場ジャーナリスト冒頭に、ロシア政府も告発している事だった。民間人を人質にして盾に続ける戦闘行為も国際法などか殴り捨てている

だが、国連もアムネスティも一切この事実を黙殺していた。今になってこのような告発を行うというのはアムネスティに影響力を持つ者がさせたに相違ない。

だがこれくらいの指桑罵槐しか余白にはない。それほど欧盟は膠着状態、座視する以外に内外に打つ手がない彼ら自身に運命は転化している。

英経済誌の報道するところに拠ればキエフは米欧からじゅうぶんな兵器を受け取っていないため、先の反抗作戦は年内断念せざるを得ないと報じた。

乞食の道化はキエフが必要とする兵器の三割にも提供される量では不足していると言う。反抗作戦は武器が貯まる来年だーーと。

米欧で言うなら、わがUSは秋以降兵器の供給は停止する。上下院多数党となる我が党の候補者の多数が、私、私たち The America First Policy を公約とし、我が America First の最高脳髄に特に推薦された候補者であるからだ。

いかなる我が党の好戦、グローバリストらも圧倒的な私たちの勢いの前に、自らの保身と支援を天秤にかければ、いつもの二心の一方を隠すけろっとした顔をする。

欧盟は薪で厳冬を越せるか否かの中世への逆戻りで、兵器供給どころではない。兵器供給は止まるだろう。経済社会の悪化ご未曾有の進んでいる国家が他国を支援できるはずが常識にも非常識にもあり得ない

キエフには執拗な要求をする以外に手段はない。ウクライナ人のガサツさ、出来得るなら詐術的あれこれを畳云作り話するより奪う方が手っ取り早いと云う野卑的な男性社会がこれを強くする。

だからかなり苛々しているはずだ。手にもつかない神経過敏な状態だろう。特にマフィアだ。各ファミリーの分け前のパイが予想を裏切っている。

彼らの督促に乞食の道化は狼狽、一層過剰反応し始めている。乞食の道化の繰り返す現実離れした要求に明らかだろう。

ザポロージエ原発攻撃もこの過剰反応の文脈の一つであろう。切羽詰まった詐欺師の姿が生々しい。切羽詰まった詐欺師もどこかで高を括るというのが相場だ。

楽をして盗みを働く者はどこかに甘えがあり、そのあまえが高を括る態度につながる。『俺たちウクライナを拒めないだろう』がそれだ。

欧盟への『官僚主義をやっていないで金を出せ』、アムネスティへの『よくも。我々を侵略者と同じレヴェルに置いてくれたな』、『我々のすることはすべて正しいのだ』…と振り込み主に暴言できるのもそうだ。

キエフの支援悪乗りは短時日にそもそもの妄想の万能感を際限なく、すべては自分の味方だという自惚れ鏡に自らを移映していた。だが、それが思わぬところから崩れさせられようとしている。(了)

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