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中国の背景・立場を深く知る/Arnaud Bertrand

2023.02.22

最近、中国とロシアとの関係について、ばかげた論評が多い。

中国の背景を理解しようともしない時点で、明らかに中国の立場は理解できないだろう。

まず、地理的な背景を説明する。ロシアは中国にとって国土が最大の隣国であるだけでなく、地球上で最も長い(4133km!)国境を共有しているため、保護が最も困難な土地である。

第二に、歴史的背景である。中国は数千年の歴史の中で、北に位置する隣国との関係に悩まされ続けてきた。彼らは理由もなく長城を建設したわけではない。

冷戦時代には、中国とソ連はしばしば(核)戦争の淵に立たされた。

つまり、中国にとってロシアとの平和的な関係は、歴史的に見ても稀有で貴重なものなのだ。

それが第一のポイントだった。

さて、現在の地政学的な状況を見てみよう。

周知のように、中国の台頭を遅らせてナンバーワンを維持し、「米国主導のルールベース秩序」を維持することが、現在の米国の主要な戦略目標である。

そのルールが何であるかは不明だが、それはさておき...

そのため、アメリカがロシアを倒すのを助けることは、「愚かなこと」である。

なぜなら、それは基本的に、アメリカが中国に集中するための道を開くことになるからである。

経済的な側面もある。特に、アメリカが中国を取り囲む基地を利用し、海上供給路を断つことにした場合、石油やガスなどの重要な供給源はどうなるのか、という問題がある。

そのためには、世界有数の埋蔵量を誇るロシアとの友好関係が重要である。

ウクライナ戦争に見られるような、激しい経済戦争が起こるシナリオでの戦略的な保険である。

では、今日の状況において、ロシアとの関係が非常に重要である以上、中国がわざわざロシアと交戦国になることを止める理由は何なのでしょうか。

いくつかあります。

まず第一に、中国は、ヨーロッパが中国との戦いでアメリカに完全には加わらないことで、西側諸国にくさびを打ち込むことができるという - おそらく甘い考えですが - 希望を持っている。

そしてもちろん、中国がロシアを積極的に支援し始めたら、その望みはなくなってしまう。

第二に、原則の問題がある。中国からすれば、ロシアと一緒に戦えば、自国の原則である台湾に対する主権的一体性が損なわれることになる。

実際、中国や世界のほとんどすべての国にとって、レトリックはともかく、台湾は独立国ではなく、中国の一部である。

そのため、中国は、台湾に干渉しようとする試みを、その主権的一体性に対する攻撃とみなしている。

だから、ウクライナでロシアを助けるとしたら、それは自らの原則を否定することになる。

ウクライナは、西側諸国によって挑発されたとはいえ、主権者として普遍的に認められた国への攻撃なのだ。

最後に、中国が参加すれば、紛争はまったく新しい次元に入り、世界と世界経済に甚大な影響を与えることになる。

中国国民は地球上のすべての人とともに被害を受けるだろうから、選択の余地がない場合以外は中国がすることではない。

しかし、私は、中国がそのようなシナリオに陥り、選択の余地がなくなる可能性は、ほんのわずかながらあると思っている。

それは、ロシアが崩壊するか、敵対的な(中国から見て)親西側政権が誕生して政権が交代する場合。

そのようなシナリオの場合、先ほど見たような理由から、それを防ぐことができるのであれば、中国が黙っているわけがない。

一歩下がって、ここに一つの明白な解決策がある。

それは、米国が中国の台頭と多極化した世界の到来を受け入れること。中国の人口が多いことを考えれば、どのみち避けられないことだろう。

そうすれば、中国の文脈とその立場は明らかに一変する。

しかし悲しいかな、これは間違いなくトレンドではないので、世界は当分の間、対立したままでしょう😢

(了)

引用元

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