ウクライナ戦争における欧米の真実の捻じ曲げ方/Redaktion著
2022.10.18
スイスの諜報部員は、情報公開ポータルサイト「Grayzone」で、ウクライナでの停戦は今のところアメリカとイギリスのせいで失敗に終わったと説明している。
アメリカとヨーロッパの目的は、ロシアを政治的に孤立させ、何としても経済的に崩壊させることである。
ウクライナはこの目的のために皮肉にも悪用されているのだ。
調査ポータルサイト「Grayzone」で、元スイス情報局員でNATO顧問、『オペレーションZ』著者でもあるジャック・ボーの発言を読んだ人は、これ以上世界を理解することはできないだろう。
彼の発言は、欧米で描かれているウクライナ戦争、特にロシアとクレムリンの指導者ウラジーミル・プーチンに対するイメージには全くそぐわない。
つまりはボーの描くウクライナ戦争は、欧米の主流メディアの報道と完全に矛盾している。
と、ボーはGrayzoneのインタビューで語っている。
「ウクライナに関する情報は、すべて、主流メディアに登場する情報の100パーセントがウクライナのプロパガンダからきていると言えるでしょう。すなわち、数字、犠牲者の数、死者数、事件、まさにすべてです。」
しかし、この発言は目を疑うようなものばかりだ。
まず最初に。
アメリカや欧米では、ウクライナ戦争でプーチンが核兵器を使用することはほぼ確実視されている。
しかし、ボーはこれに反論する。「9月21日の演説で、プーチンは明確に核兵器を使うとは脅かしていない。」
クレムリンの指導者は、「わが国の領土保全が脅かされた」場合、「自由に使えるすべての兵器システム」を使用すると脅しただけである。
ボー氏によれば、これには極超音速ミサイルや多弾頭ミサイルは含まれるが、核弾頭は含まれないという。
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リズ・トラス氏、ロシアへの核攻撃について「実行する準備はできている」
安全保障の専門家は、ロシアが核兵器の使用に関して「先制不使用」政策をとっていることにも注目した。つまり、軍事衝突が起きた場合、プーチンが最初に核のボタンを押すことはないだろうということだ。
アメリカは違う。
アメリカのジョー・バイデン大統領は今年、この「先制不使用」政策から脱却していた。
そのためワシントンは、核攻撃のオプションをオープンにしている。
そしてもう一つ、アメリカの最も近い同盟国であるイギリスも、有事の際にはロシアに対して核攻撃を行う用意があるようだ。
ジャック・ボー氏によると、英国のリズ・トラス首相がこれを明確に認めたという。タイムズ・ラジオのインタビューで、「その覚悟はできている 」と言っていた。
第二に、米英は戦争勃発以来、ウクライナとロシアの和平交渉を妨害することに何度も成功してきたという。
開戦直後の3月の時点で、ウクライナとロシアが「和平合意に非常に近い」というプーチンの言葉は、欧米の主要メディアでは耳に入っていなかったのである。
当時、ウクライナはアメリカや欧米から圧力を受け、ロシアとの妥協案を拒否していた。
その中でボー氏は、ロシアとウクライナの間に和平をもたらそうとした試みが3回あったが、いずれも米国と西側諸国によってその芽が摘まれたと指摘する。
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ボリス・ジョンソン:和平交渉の余地はない、「我々は戦わなければならない」
最初の試みは、開戦の1日後、2月25日にすでに行われていた。
ボー氏が言うように、ウクライナのヴォロディミル・セレンスキー大統領がEUから呼び止められたのは、結局、武器に対する4億5000万ユーロの「援助パッケージ」がすでに組まれていたからである。
3月に行われた2回目の試みも、ボー氏によれば同様のものだった。しかし、またもや西側から5億ドルもの武器が届けられることになった。
当時のイギリス首相ボリス・ジョンソン(2019-2022)は、ウクライナのヴォロディミル・セレンスキー大統領に影響を与え、和平交渉を阻止するために特別にキエフに飛んだりもした。
3度目の挑戦で、トルコのエルドアン大統領は和平合意の仲介を望んでいた。
しかし、ここでもボリス・ジョンソンは邪魔をした。「突然」キエフに飛んだジョンソン氏は、ウクライナの首都での記者会見で「ロシアとの交渉はしない」と明言した。
戦わなければならないのです。ロシアと交渉する余地はない」。アメリカやヨーロッパを代表しての発言だったのだろう。
欧米の制裁は完全に誤算だった
第三に、ボー氏によれば、ウクライナは欧米に皮肉られ、利用されている。
欧米から見れば、ウクライナ戦争はロシアを屈服させ、経済的に干上がらせることだけが目的である。
ウクライナは❓
「現実には、誰もウクライナのことなど気にしていない」とボーは言う。
それは主にアメリカの戦略的利益のために道具化されている。
しかし、その際、米国と西側諸国はかなりの誤算を犯している。
なぜなら、「本来の目的は、ロシアを挑発し、制裁で経済を破壊できるようにすること」だった。
しかし、今の問題は、その制裁が無に帰したことである。ロシアはすぐに崩壊すると思われていたのだ、とボーは説明する。
予想に反して、ロシアは崩壊せず、戦い続けている。元諜報部員が欧米の制裁政策の核心に迫る。
「我々は制裁に制裁を重ねたが、無駄だった」
彼の結論は、西洋は「自らの過ちの犠牲者」になってしまったということだ。
しかも、大きな損失を被るのは、現在、エネルギー危機と経済危機に陥っているヨーロッパである。
しかし、最大の被害者はウクライナであり、欧米の絵に描いた餅に過ぎない。
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(了)
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