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ASEAN諸国が会合、米ドルやユーロを捨てて貿易することを議論/The Cradle

インドネシアは、西側の対ロシア制裁の影響を避けるために、地域のパートナーにもVisaとMastercardの使用から離れるように促している。

2023.03.30

東南アジア諸国連合(ASEAN)の財務大臣と中央銀行総裁は今週、米ドル、ユーロ、円、英ポンドを金融取引から外し、代わりに現地通貨での決済に移行することを議論した。

ASEANには、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムが含まれる。IMFの統計によると、2023年のASEANの名目GDPの合計は約3兆9,000億ドルだ。

インドネシアが主催した今回の会議では、主にASEAN加盟国間で導入が始まっている従来の決済システムを拡張し、現地通貨で取引を行うLCT(Local Currency Transaction)システムを通じて、欧米通貨への依存を減らす方法を議論することに焦点が当てられた。

昨年11月にインドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイの5カ国で、同様のシステムに関する合意がなされた。

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領も、ASEANのパートナーに対して、VisaやMastercardのような欧米の決済システムをやめて、現地で開発されたシステムを使い始めるよう促している。「起こりうる地政学的影響」から地域を守る必要があるとしている。

「細心の注意を払うこと。米国がロシアに課した制裁を忘れてはならない。VisaとMastercardが問題になる可能性がある。」と、今月初めに開催された地元企業の集まりでウィドドは述べた。

昨年3月、欧米の制裁によりロシアの銀行が国際決済システム「SWIFT」から締め出されたため、ロシア人観光客がバリ島で食事や宿泊の支払いをすることができず、帰りの飛行機さえも手に入らなくなった。

ASEAN加盟10カ国のうち、ロシアに対する西側制裁を実施しているのはシンガポールだけだ。

この1年、ワシントンの経済戦争政策の結果、ドル建て貿易から脱却する国が世界的に増えている。

ちょうど今週、中南米最大の経済大国であるブラジルが、中国との間で、米ドルを使わずに両国間の輸出入取引ができるようにすることで合意した。

西アジアと北アフリカのいくつかの国も、イラク、UAE、エジプト、サウジアラビアのように、ここ数ヶ月でグリーンバックの覇権から離れ始めている。

(了)

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