国際刑事裁判所関係者、米国から制裁を受ける／BBC
2020.09.02
米国は、ファトゥ・ベンソウダ主任検察官を含む国際刑事裁判所（ICC）の高官に制裁を課した。
BBCに対し、アフガニスタンでの
「すべての当事者からの申し立てを調べている」
と述べた。
マイク・ポンペオ国務長官は、「米国人をその管轄下に置こうとする非合法な試み」と非難した。
ハーグにあるICCは現在、米軍がアフガニスタンで戦争犯罪を犯したかどうかを調査している。
米国は設立当初から同裁判所を批判しており、署名していない12カ国のうちの1つである。
非政府組織ヒューマン・ライツ・ウォッチの上級顧問であるバルキーズ・ジャラー氏は、今回の制裁を「最悪の犯罪の被害者のための正義に対する米国のコミットメントにとって恥ずべき新たな低さ」だと非難した。
ポンペオの動きは、「権利濫用者とクレプトクラットを罰するために考案された米国の制裁が、戦争犯罪を訴追する人々を標的にするための見事な曲解」であると、彼女はツイートしている。
2002年に国連の条約によって設立されたICCは、ジェノサイド、人道に対する罪、戦争犯罪の責任者を調査し、裁判にかけるもので、国内当局が訴追できない、あるいは訴追しない場合に介入する。
国際刑事裁判所とは❓
英国を含む123カ国が批准している条約。
しかし、米国は中国、インド、ロシアとともに参加を拒否しており、一部のアフリカ諸国は、この組織がアフリカ人に不公平に焦点を合わせていると非難している。
制裁とは何ですか❓
ドナルド・トランプ大統領は6月に大統領令を出し、米国がICC社員の資産を封鎖し、入国を停止することを可能にした。
水曜日、ポンペオは記者会見で、ベンソウダ女史と、管轄・補完・協力部門の責任者であるファキソ・モチョコ氏がこの命令に基づいて制裁を受けることになると述べた。
ICCを「徹底的に破壊され、腐敗した機関」と断じ、「これらの個人を物質的に支援し続ける人々は、同様に制裁にさらされる危険がある」と述べた。
また、米国国務省は「米国人に対する捜査の取り組み」に関わるICCスタッフへのビザ発給を制限している。
6月にトランプ大統領が大統領令を出した際、ICCはそれに対する「さらなる脅迫と強制的な行動」と呼んで糾弾した。
「ICCへの攻撃は、残虐犯罪の被害者の利益に対する攻撃でもあり、多くの被害者にとって、ICCは正義のための最後の希望である。」
ファトゥー・ベンスーダとは何者か❓
母国ガンビアの元法務大臣であるベンソウダ氏は、ルイス・モレノ・オカンポ氏の後任としてICC主任検察官の任期中、副官を務めていたため、理想的な立場にあった。
また、1994年のルワンダ大虐殺の首謀者を訴追した国連の支援する法廷で、上級法律顧問を務めた経験もある。
彼女はICCの調査を拡大し、他の地域の紛争にも目を向けるようになり、その結果、米国から怒りを買うことになったが、アフリカが彼女の主要な焦点であることに変わりはない。
ICCの裁判はこれまですべてアフリカ人だけを対象としており、2012年にはコンゴ民主共和国の民兵指導者トーマス・ルバンガがICCで戦争犯罪の判決を受けた最初の人物になった。
しかし、ベンソウダ女史は、2019年にコートジボワールのローラン・バグボ元大統領の戦争犯罪容疑での無罪判決、2014年にケニアのウフル・ケニヤッタ大統領に対する人道に対する罪の取り下げなど、一連の敗北にも直面している。
ICCは何を調査しているのですか❓
ICCは今年初め、アフガン紛争で米国などが犯した戦争犯罪の疑いで調査を開始した。
ICCの法的手続きによると、検察が十分な証拠を集め、容疑者を特定した時点で、裁判所は逮捕状や出頭命令を出すことができる。そこから、裁判にかけられるだけの証拠があるかどうかが判断される。
当時、ポンペオは、「法的機関を装った、責任のない政治機関による真に息を呑むような行動」と呼び、この調査から米国人を守ることを誓った。
ICCの2016年の報告書では、米軍がCIAが運営する秘密収容所で拷問を行ったと信じるに足る合理的な根拠があるとされている。
* アフガニスタン：平和への長い道のり
* アフガン戦争 : 短い話と長い話
2003年5月以降のタリバン、アフガニスタン政府、米軍の行動が検証される見込みだ。
アフガニスタンは裁判所のメンバーだが、同国の政府関係者も調査への反対を表明している。
米国から強い批判を受けている。
（了）
引用元
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