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2020ウクライナ旅客機撃墜事件/The Cradle

2023.04.17

【イラン、2020年のウクライナ旅客機撃墜事件で軍関係者10人を送検】

- ウクライナ国際航空752便がテヘラン上空で撃墜されたのは2020年1月、米国によるIRGC司令官カセム・ソレイマニの暗殺を受け、イランが厳戒態勢にあった時期だった。-

2020年1月8日、テヘランのイマーム・
ホメイニ国際空港を離陸した直後に撃墜された
ウクライナ旅客機の墜落現場で作業する
救助隊員たち。
(写真クレジット:Mazyar Asadi/Pacific Press
via Getty Images)


4月16日、イランの司法当局は、2020年1月に発生したウクライナ国際航空752便撃墜事件(乗客176人全員が死亡)で武装勢力10人に有罪判決を下し、判決を言い渡した。

判決によると、トールM-1地対空ミサイルシステムの司令官が「命令に反して」「許可なく」旅客機に向けて「2発のミサイルを発射」したため、「人為的ミス」によって旅客機が撃墜されたという。

『この行為の影響と結果の大きさを考慮し、主被告は最高刑に処された』とイランのメディアは報じている。

報道によると、無名の司令官は懲役13年の判決を受け、フライトの犠牲者176人の遺族に賠償金を支払う必要があるとのことだ。

その他、ミサイルシステムを運用した人員や、テヘランの防空管理局やイスラム革命防衛隊(IRGC)の航空宇宙部門の職員には、1年から3年の刑が科せられた。

予備判決は、3年以上の捜査と合計20回の裁判を経て出されたもので、控訴することも可能である。

また、軍事裁判所は、関与した可能性のある他の人物についても調査を継続するよう命じている。

2020年末、テヘランは犠牲者の家族それぞれに15万ドルの補償を設定し、その後、支払いが開始されたと発表した。

2020年1月8日、イランのミサイルにより、テヘランを離陸した直後のキエフに向かうウクライナ国際航空752便が墜落した。

乗員はイラン人とカナダ人がほとんどで、二重国籍者も多く含まれていた。

当初、イランはこの悲劇への関与を否定していたが、やがてイラン当局が責任を取り、自国軍が「意図せず」ミサイルを発射したのは「人為的ミス」であったことを認めた。

テヘランが数日前にバグダッドでカセム・ソレイマニ少将を暗殺された報復として、イラクの米軍基地に向けて数十発のミサイルを発射したため、当時は反撃を想定して防空網が厳戒態勢にあった。

西側諸国は、イランの司法制度を標的にした中傷キャンペーンを続けており、イランは分離主義グループや昨年同国を襲った大規模な暴動の扇動者たちを起訴し、判決を下してきたにもかかわらず、日曜日の評決は下された。

近年、国防総省はアフガニスタンとシリアの両方で民間人を殺害した責任を放棄しているため、軍人に対する判決は、西アジアで軍隊が戦争犯罪を犯したときに米国政府が行う緩い対応とはかけ離れていると考えられている。

(了)

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