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182_娘が母になる時

Prayer MAYU
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生みの苦しみと時がたつことの儚さ
大きな使命を抱えながらも

親としての責務を果たしたことへの
安堵感を歌った

心の指針182より「娘が母になる時」
ピアノ弾き語りVer.を公開しました(^-^)ノ


「娘が母になる時」

気がつけば、
娘が母になっていた。

あの娘が生まれた時、
日曜日は横浜アリーナで、
一万人以上の大講演会を控えていて、
医大の産婦人科の先生は、
「前日の土曜日の出産にしますか。」
「翌日の月曜日の出産にしますか。」
と私に決断を迫った。

娘は出産予定日を二週間近く超えて、
まだ生まれて来なかった。
何らかの異常も予想された。
「『過熟児』の可能性も。」と言われた。
「帝王切開か。」、「陣痛促進剤か。」
宗教家である私は、
「陣痛促進剤」を選んだ。

そして娘は夜明け前に生まれた。
土曜日はバタバタの大騒ぎとなった。
結局、出産に立ち会った私は、
二~三時間の睡眠しかとれないまま、
『ミラクルへの出発』と題して講演した。
世間では「バブル崩壊」を報道していた時、
大いにバブった勢いのいい話をしてしまった。

娘は健康に生まれたが、
いろんな人が「お父さんそっくりですね。」
と抱き上げていうたび、
「嫁に行けなかったら申し訳ない。」と心が痛んだ。

あれから三十年近く経って、
孫が娘の胸に抱かれて、安心しきって眠っている。
命が継承された。
私も生きながら成仏した気持ちになった。

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